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真のエロエロ星人!?

「どーしよっ! これじゃ見えちゃう……!」

 あたし、今すごく困っています。

 由良ちゃんにつけられた大量のキスマークが、制服を着てても見えちゃうんだもん。

 絶対みんなに変な目で見られるって!

 絆創膏でもはろうか。なんて思ったけど、首に何枚も貼ってちゃ別の意味で誤解されかねない。

「もうっ! どうしたらいいの!!」

 しばらく考えてあたしはいいことを思いついた!


「おはよ~あんずって、なにその首!!!」

 さっそくクラスメイトの絵里につっこまれた。絵里はあたしの後ろの席なの。席が近くなって、最近仲良くなったんだ。あたしはイスの向きをくるりと変えて、答えた。

「大量に虫にさされたの」

 そう、これがあたしの思いついた名案! キスマークなんて虫さされと大して変らないと思ってね。あたしって頭いいかも。

「なんだ、びっくりした~。キスマークかと思ったじゃん」

「え……」

 なんで、そうなるの。やっぱりキスマークに見えちゃうの?

「あれれ~? まさかの図星ですかい? あんずちゃん?」

 いたずらにあたしの顔をのぞきこんでくる絵里。

「//////」

 昨日のことを思い出しちゃって、自分でも顔が真っ赤になってるのが分かる。

 てか、否定くらいしろよあたし!!

「うっそぉー!!」

 絵里、お願いだからそっとしておいて。

「もうヤっちゃったの??」

「ふぇ? ま、まさか!」

 そこはちゃんと否定できる。そんなのしてないもん。

「このエロエロ星人めっ!」

 そう言って絵里はニカっと笑うけど、それ結構きずつくよ。

 なんであたしがエロエロ星人なのよ! それはこの大量のキスマークつけやがった由良ちゃんに言うべきだって! そのとき。

「おはよう、絵里、あんず」

「でたっ!」

 思わずそう口走ってしまった!

 目の前に真のエロエロ星人こと、由良ちゃんがいたんだもん。

「なにが出たの~」

 絵里がニヤニヤと言う。絵里ちゃん、そこはスルーしてほしかった……

「あたしも聞きたいな、あんず」

 由良ちゃん、あなたが言うと怖いです。目が笑ってないよ。

「え、エロエロ星人だよっ!」

 あたしは捨てゼリフをはくと、屋上めがけて全力疾走。


 だけどあたしは大きな間違いをしてしまった。

 それは……逃げた先が屋上だったってこと。

 とりあえず屋上のドアに手をかける。いつもみたいに思いっきりドアを開けようとしたのに、

「あれ?」

 何度やってみてもドアは開いてくれない。

 一人でガチャガチャやってると……やつの、エロエロ星人の声がした。

「これ、使う?」

 人差し指にカギをひっかけてくるくる回しながら、階段を上がってくる。

 あたしのところまでくると器用に片手で鍵を開けて、あたしをもう片方の手で屋上へとうながした。

 由良ちゃんの定位置まで連れて行かれる。じりじりと追い詰められて、それにあわせて少しづつ後ろに下がっていくと背中にフェンスがあたった。


 後ろにはフェンス、前には由良ちゃん。

 あたしはもう、完璧に袋のねずみ状態だ。

 

 

「あんず、キスマークくらいでエロいなんて言いすぎじゃない?」

 由良ちゃんはそれはそれは恐ろしい悪魔スマイルをあたしに向ける。



「本当のエロいこと、おしえてあげる♪」



 神様、あたしは身の危険を感じます!!!

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