追いかけっこ
僕は「ミカ・リ・アクト」、漫画家を目指している女の子。
仕事着なんだけど、よく兵士さんが着ている「緑の兵士」の制服をカジュアルにした感じの洋服をいつも着ている。
なんでこの服着てるかって?なにかあったときに動きやすくて逃げれるようにするため、ジュリアン様からすばやく逃げれるようにって思って買った。
だから動きやすさ重視なんだ。
そして僕のチャームポイント、「深緑のベレー帽」!。これは僕がベレー帽が好きでお気に入りだから身に着けているってだけ!
漫画家志望だからいろんなところに旅して、いろんな場所にいって漫画の題材になるような風景や街並みをいつもスケッチしているんだ。
街といいても魔物が多いからジャポンエリア周辺にある街にしか行けないんだけどね。
ぼくの仕事はジュリアン様の付き人になって、色んな場所を訪れたときにジュリアン様が知らない風景や文化を教えてあげるガイド役みたいなんだけど
それは建前なんだ。
ジュリアン様は僕のことをすごくイヤらしい目で見ているんだよ。僕のことが好きみたいんなんだ。だから片時も側から離したくはないみたいなんだ。
僕はすっごいそれが嫌なんだけど渋々付き人をしている。
ジュリアン様が僕に創作活動で役にたつようにって画材道具を買ってくれたりしたし、色んな場所に連れてってくれるから仕方なくて、今も付き人をしている。
でもそれはおかしな話なんだ。僕は女の子なんだけど、ジュリアン様が最初からぼくをイヤらしい目で見ていたのが分かったから
「僕、男の子です。」
って嘘をついたんだけどそしたら、ジュリアン様の目がもっとイヤらしい目をしたんだ。なんていうか細くて目つきが悪いその目が狐のような釣り目になって
目の形が弓のようなカーブを描いてる、そして口がVの字のようになって変な笑みを浮かべてる感じ?もうさ鏡見て!って思ったんだけど。
そしたらジュリアン様が
「なお、良し!」
って言ってきたんだよ!もうあの時は本当に生きた心地がしなかった。
なんかジュリアン様って「かわいい見た目で華奢な男の子」が好きみたい?な感じなんだよ。
だからジュリアン様は僕のこと男の子って思ってるみたいなんだ。本当は女の子なのにね。
僕はさ、それ感じたときからいつかは逃げてやる!って思ってたんだ。でも僕にはお金がないし色んなところを回れるほど強くないからジュリアン様の付き人に渋々なっただけなんだ。
僕はあの学園に行って学園都市にある出版社に漫画を持ち込んでさ、漫画家になるって夢があるんだ。
だから、ジュリアン様の付き人になっていっしょに学園都市に入ったら、そのあとジュリアン様から逃げて隠れながら生活しようと思ってた。
でも転機が訪れた!この前あった人!
「ルイ」
ってジュリアン様は読んでた。
あの人も学園への入学希望の人だった!
そして
「神経締」
って技を持ってる!
この技は聞いたことがあるんだけど、ユキ・ベルナールって人しか使いこなせなかった伝説の技なんだ。
なんでも習得が難しすぎるから、だれも覚えられない。
ルイって人はその技を使えるってことは相当腕が立つんだよ。そして学園に行こうとしている。
この際だから、土下座してでもお願いしてあの人と一緒に学園に向かうことにするんだ!
大丈夫!あの人だって僕と一緒に旅をするハズ!
あの人、火入ができる人を探してたみたい。
僕火入、じつは使えるんだ。色んなところを旅するから、料理はできないといけない。
だから頑張って火魔法を覚えた。たまたま火の魔法を扱う適正がぼくにあって本当によかったよ。
僕はジュリアン様に最後の別れをして、ルイってひとにお願いするんだ!僕を仲間に入れてって。
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ルイって人と会って数日がたった。
僕は、いつもどおり、今日もジュリアン様の付き人としてこの人と一緒に行動している。
勇気を振り絞って、言ってみる!
「・・・ジュ、ジュリアン様、お話があるんですけどぉ・・・」
よし!話を切り出せた。
「うむ!なんだね?言いたまえ。」
「あのぉ。。恥ずかしいから、路地裏の狭い場所でどうですか?」
もしジュリアン様が激高した場合、僕が逃げ隠れできるような場所でないとだめだから。
僕は小柄、ジュリアン様は大柄!これを活かせる地の利がある場所に誘導するんだよ。
「へぇ~っ! ヒヒヒぃ 路地裏かぁ?うむ!よろしい!
お前もその気になってくれたってことか!私はとてもうれしいぞ!」
ジュリアン様は何を勘違いしたか知らないけどなんか嬉しそうみたい。
多分ロクな事ではないと思うけど。
そして僕はジュリアン様を路地裏まで誘い込んだ。
「で?話って何かね?」
ジュリアン様は顔と耳を真っ赤にして切り出した
「僕、学園に行きたいんですよ」
「うむ!知ってるぞ!だから私と一緒に学園に行く準備をしてたではないか」
「そのぉ、別の人と行くことを決めました!」
「なぜだ?私と行くといってたではないか!恩を忘れたのか!」
「いえ。大変お世話になったってことは感じてます!」
ジュリアン様のキゲンが悪くなってきた。そろそろ魔力を足の裏に貯めないといけないな。
僕はそう思って魔力を足に集中させる。
「では何故だ!?なぜ私ではダメなんだ!!」
「ジュリアン様がダメということではありません。
もっといいひとを見つけたんですよ」
「誰だ!そいつは誰だ!痛みつけないと気がすまないぞ!」
ジュリアン様の馬面が風船のように膨らんでトラフグみたいだ。
へぇー、漫画じゃなくても人ってこんな顔できるんだ、っと呑気なことを考えてしまった。
「この前、ジュリアン様と会ったルイって人です。」
「るぅううういぃいいいいい!
ななななななななnなぜ!!!だぁaaaa!なぜ寄りにもよってアイツなんだよぉぉおおおお!」
「ルイって方、神経締が使えるって、あの時ジュリアン様はおっしゃってましたよね。
あの技は伝説の技なんです。だからこれ以上の適任はいないなって思って、あの人と一緒に学園を目指します!」
「はぁああああああ!? 神経締?締技なんてしょぼいんだよ!!私の火入!!
火魔法のほうが偉大!すごいものだろうがぁああああああ」
「はぁーーー、僕、火魔法つかえるんですよ。ジュリアン様ほどではないですケド。」
「おのれ!おのれ!どこまでもコケに仕上がって!もういい!力づくでも調教してわからせてやる!」
「最期に一つだけ。ジュリアン様のその目、本当に気持ちが悪かったです。大変お世話になりました。」
「ぢゅドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥツぐぅああああああ!くそおおおおおお!」
相当ショックだったみたいだ。人語を話せなくなってきてる。馬の鳴き声なのだろうか。
僕は次の瞬間、あらかじめ決めていた路地裏の隙間に入り込み、画材道具をそこに置き身軽にした。
黒服は4人。全員のガタイが大きな大男。やつらはここまで入ってこれない。だから画材は盗まれない。
そしてとっておきの最初で最後の嫌がらせをすることにする。
僕は革性のカバンから取り出した透明な梅酒とかを入れる瓶を取り出した。
そこには多種多様な虫をたくさん詰め込んである。
ゴキブリ、セミ、ネズミ、ムカデ、スズメバチ、多種多様だ。
共食いしたら追加で入れるようにしている。
虫好きの変人のインセクト爺さんに頼んでおいたんだ。
ぼくはその便をジュリアン様の顔めがけて投げつけた。
ジュリアン様の石頭にぶつかり瓶が割れて中の虫が湧いてでてきた。
「ぐぅあああああああ!」
ジュリアン様は叫びながら発狂した。
ジュリアン様虫嫌いだったね、そういえば。
僕とジュリアン様の追いかけっこが今始まる!




