【断罪の終焉】
申し訳ございません。更新遅くなりました。予約日まちがえてました・・・
神聖連合・中央聖堂――特設処刑広場
夕陽が、血のような朱を空に染めていた。
無数の封鎖魔具が絡みついた状態で、捕縛された神聖連合の者たち――神官、兵、幹部――
その全員が、中央聖堂の広場へと集められていた。
篝火の中、立つのは三人の影。
じゅぴは指を鳴らし、封印の起動符を次々に点火していく。
「はぁい、それじゃ始めるっすよ〜。連合さんたちへの、お見送りパーティー♡」
リィナは無表情のまま一歩前へ。
「遊びは終わり。あとは片づけるだけだよ?」
魔力の網が天を走る。 広場全体を包むように張り巡らされた魔法結界が、“逃走”も“抵抗”も一切許さない状況を形作っていた。
そして、その中心に立つのは――巫女だった。
白銀の装束。紅い光に照らされた瞳。
彼女はすでに“覚悟”を決めていた。
「……ここに集った神聖連合の者たち。
わたくしの意志で、これより処刑を行います」
誰一人、返答できなかった。
かつて「神の声」として仕えていた少女が、その声で――今、断罪を下す。
その瞬間、リィナが跳ねる。
「じゃ、ぼくは“上から”いくね」
影がうねる。
天井に貼りついていた黒き蛇たちが、次々と地へと落下し、標的を捉えて――
「ぎ……あああっ!」
「やめろっ……! わたしはただ命令を……!」
「神の名において――」
その言葉は、刃が喉を裂いた瞬間に消えた。
じゅぴは軽く踵を鳴らし、空中に六重陣を展開。
「魔術兵、神殿護衛部隊、信仰強制官……とりあえず、ぜーんぶリストアップ済みっす♡」
魔法が炸裂する。斬撃、圧縮、崩壊、封印、分解――
それぞれの術が、的確に対象の心臓部へと命中していく。
断末魔すら、もはや許されない速さで“処理”されていく彼ら。
せつなは、ただ黙ってその場を見つめていた。
(……不要な存在は、ただ“消す”のみ)
恐怖に染まる群衆。 だが、もはやその恐怖さえも、相手にはならなかった。
次々と屍が倒れ、聖堂の石畳に“血”と“祈りの残骸”が積もっていく。
巫女は一歩も動かず、それを見ていた。
「……こんなもの、でしょう」
冷えた声だった。けれど、そこに“苦悩”はなかった。
何人もの神官が、巫女の名を叫んだ。
「巫女様! わたしは、あなたを育て――」
「育てた? あれが、育てたというのですか?」
返された声に、震えが走る。
「わたくしは、“人”として、ここに立っています。
あなた方は、それを“物”として縛った。……その差です」
やがて処刑は終わりを迎えた。
騒音も、断末魔も、すべてが過去となり、神聖連合の本部は――
“ひとりの生存者”もなく、完全に沈黙した。
すべては終わった。
篝火の火だけが、なおも燃えていた。
ネザリア城・帰還後――
巫女は、専用の居室へと戻されていた。
広く、美しく整えられた空間。
美味しいお茶、丁寧なもてなし。
側には、礼儀正しく控える専属メイドの姿。
「……終わった、のですね」
呟く声に、感情の揺れはなかった。
けれど――
「……不思議です。もっと何か……泣いたり、叫んだりするかと思っていましたのに」
巫女はそっと目を伏せ、湯気の立つカップを口元に運ぶ。
「……少し、心が軽い気がします」
専属メイドは、そっと微笑むように言った。
「それは、お嬢様が“ご自身の意志”で立たれたからでしょう」
「……そう、かもしれませんわね」
その言葉を、巫女はそっと胸の中にしまった。
(これが……“自由”というものならば)
(わたくしは、もう……道具ではありません)
かつての“神喚の巫女”は、今日をもって――
“せつな様の客人”として、名を変えた。
その変化は、静かで――けれど確かに、世界を揺るがす一歩だった。
お詫びといったらなんですが、もう一話更新します。




