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【完結済】堕神ノ書 〜異界支配の始原〜  作者: せつな
第四章【仮面の再出発】
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【断罪の終焉】

申し訳ございません。更新遅くなりました。予約日まちがえてました・・・


神聖連合・中央聖堂――特設処刑広場


夕陽が、血のような朱を空に染めていた。


無数の封鎖魔具が絡みついた状態で、捕縛された神聖連合の者たち――神官、兵、幹部――

その全員が、中央聖堂の広場へと集められていた。


篝火の中、立つのは三人の影。


じゅぴは指を鳴らし、封印の起動符を次々に点火していく。


「はぁい、それじゃ始めるっすよ〜。連合さんたちへの、お見送りパーティー♡」


リィナは無表情のまま一歩前へ。


「遊びは終わり。あとは片づけるだけだよ?」


魔力の網が天を走る。 広場全体を包むように張り巡らされた魔法結界が、“逃走”も“抵抗”も一切許さない状況を形作っていた。


そして、その中心に立つのは――巫女だった。


白銀の装束。紅い光に照らされた瞳。

彼女はすでに“覚悟”を決めていた。


「……ここに集った神聖連合の者たち。

わたくしの意志で、これより処刑を行います」


誰一人、返答できなかった。


かつて「神の声」として仕えていた少女が、その声で――今、断罪を下す。


その瞬間、リィナが跳ねる。


「じゃ、ぼくは“上から”いくね」


影がうねる。


天井に貼りついていた黒き蛇たちが、次々と地へと落下し、標的を捉えて――


「ぎ……あああっ!」


「やめろっ……! わたしはただ命令を……!」


「神の名において――」


その言葉は、刃が喉を裂いた瞬間に消えた。


じゅぴは軽く踵を鳴らし、空中に六重陣を展開。


「魔術兵、神殿護衛部隊、信仰強制官……とりあえず、ぜーんぶリストアップ済みっす♡」


魔法が炸裂する。斬撃、圧縮、崩壊、封印、分解――

それぞれの術が、的確に対象の心臓部へと命中していく。


断末魔すら、もはや許されない速さで“処理”されていく彼ら。


せつなは、ただ黙ってその場を見つめていた。


(……不要な存在は、ただ“消す”のみ)


恐怖に染まる群衆。 だが、もはやその恐怖さえも、相手にはならなかった。


次々と屍が倒れ、聖堂の石畳に“血”と“祈りの残骸”が積もっていく。


巫女は一歩も動かず、それを見ていた。


「……こんなもの、でしょう」


冷えた声だった。けれど、そこに“苦悩”はなかった。


何人もの神官が、巫女の名を叫んだ。


「巫女様! わたしは、あなたを育て――」


「育てた? あれが、育てたというのですか?」


返された声に、震えが走る。


「わたくしは、“人”として、ここに立っています。

あなた方は、それを“物”として縛った。……その差です」


やがて処刑は終わりを迎えた。


騒音も、断末魔も、すべてが過去となり、神聖連合の本部は――

“ひとりの生存者”もなく、完全に沈黙した。


すべては終わった。


篝火の火だけが、なおも燃えていた。




ネザリア城・帰還後――


巫女は、専用の居室へと戻されていた。


広く、美しく整えられた空間。

美味しいお茶、丁寧なもてなし。

側には、礼儀正しく控える専属メイドの姿。


「……終わった、のですね」


呟く声に、感情の揺れはなかった。


けれど――


「……不思議です。もっと何か……泣いたり、叫んだりするかと思っていましたのに」


巫女はそっと目を伏せ、湯気の立つカップを口元に運ぶ。


「……少し、心が軽い気がします」


専属メイドは、そっと微笑むように言った。


「それは、お嬢様が“ご自身の意志”で立たれたからでしょう」


「……そう、かもしれませんわね」


その言葉を、巫女はそっと胸の中にしまった。


(これが……“自由”というものならば)


(わたくしは、もう……道具ではありません)


かつての“神喚の巫女”は、今日をもって――

“せつな様の客人”として、名を変えた。


その変化は、静かで――けれど確かに、世界を揺るがす一歩だった。

お詫びといったらなんですが、もう一話更新します。

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