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【完結済】堕神ノ書 〜異界支配の始原〜  作者: せつな
第三章【静寂を裂く足音】
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【破滅の幕開け】

【破滅の幕開け】



王都・城壁上――


「全兵、持ち場につけ!」


老将軍が怒鳴り、城壁上の兵士たちは慌ただしく持ち場へと散った。

だがその表情には、不安と恐怖の色がはっきりと浮かんでいた。


「本当に来るのか……」


「簡単にこの王都を落とせるはずがないだろう……」


兵士たちは不安げにざわついている。


王都・正門前――


次の瞬間、空間が歪み、漆黒の転移陣が展開された。


陣の中央に、堂々と姿を現したのは三つの影。


中央には漆黒の鎧、赤く冷たい瞳――せつな。

その両脇には、上機嫌で微笑むじゅぴと、殺意を滲ませ微笑むリィナ。


城壁上の兵士たちが一瞬にして息を呑んだ。


「……あれが、“漆黒の王”……!?」


「三人だけなのか……!?」


その動揺をかき消すように、老将軍が叫ぶ。


「敵は三人だけだ!恐れるな、弓を構えろ!」


兵士が弓を構えようとした瞬間――じゅぴが楽しげに指を掲げた。


「はい、そこまでっす♡ 」


じゅぴの指先から膨大な魔力が放たれ、王都全域を包み込むように巨大な結界が展開された。


「な……なんだこれは!?」


「結界だと!? 」


兵士たちは逃げ場を失い、さらなる恐怖に震えた。


『……ふん。脆いな』


せつなの冷淡な声とともに、漆黒の波動が城壁を襲う。


その波動を浴びた兵士は次々と崩れ落ち、悲鳴がこだまする。


「ひぃぃ……!!」


「助けて……っ!」


兵士が絶望に陥る中、リィナが楽しげに前へ出た。


「ふふっ、誰も逃げられないなら、狩り放題だねぇ……♡」


『好きにしろ。容赦は要らん』


せつなが静かに命じると、二人が動き出す。


結界に封じられ、逃げ場を失った王都は――

圧倒的な殺戮と絶望に支配され始めていた。





王国全体を覆う巨大な結界が、逃げ場を奪い、絶望を刻み込んでいた。


「さて、始めるっすよ~♡」


じゅぴは楽しげに指を鳴らす。瞬間、その周囲に展開した無数の魔法陣から破壊の魔力が溢れ出し、王国の兵士たちを飲み込んでいく。


「ぐわああっ!!」


「た、助け……!」


悲鳴を上げる兵士をよそに、じゅぴは舞うように笑った。


「逃げられないって言ったっすよねぇ? ちゃーんと話を聞かない子は、こうなるっすよ♡」


一方、リィナは音もなく城壁を駆け上がっていた。


兵士たちは抵抗する暇もなく、彼女の短剣と影の刃に斬り裂かれていく。


「ねぇ、どう? 痛い? 怖い?」


リィナは恍惚の表情を浮かべ、兵士たちの絶望を楽しんでいた。


「もっと逃げてみてよぉ。……逃げ場なんて、どこにもないんだけどねぇ♡」


彼女の足元には、絶命した兵士の山が積み上がり始めていた。


そんな二人の惨劇を背後に、せつなは堂々と、まっすぐ王城に向かって歩いていた。


その道を塞ごうとする兵士たちが次々と立ちはだかるが、彼は一瞥すらせず、その黒剣を無造作に振るうだけだった。


「ひ……!」


黒剣が空を裂くたびに、兵士たちはまるで枯れ葉のように斬り散らされていく。


『邪魔だ』


せつなはただ静かに歩を進める。


そこに激情も狂気もなく、ただ圧倒的な支配者の冷徹な殺戮があるのみだった。


王都の道は鮮血に染まり、兵士たちの悲鳴が響き続ける。


漆黒の王とその配下の前に、もはや抵抗という言葉は存在しなかった。

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