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【完結済】堕神ノ書 〜異界支配の始原〜  作者: せつな
第三章【静寂を裂く足音】
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【人の視座/断罪の王】

☆☆☆累計PV4000件突破☆☆☆

ありがとうございます!!!

ブクマや評価もお願いします!!!!w

【人の視座】


ネザリア城・兵詰所――


魔導スクリーンに映るのは、常識が砕ける“戦場”だった。


「……あれが……“リィナ”……?」


画面の中、小柄な少女が笑いながら駆け抜けていた。


まるで舞うように。

踊るように。


そのたび、兵士の首が飛び、影が喰らい、血が地に咲く。


「“笑ってる”……?」


「……あんなの、人間じゃねえ……」


兵たちの顔が、青ざめていく。


刃を携え、メイド服で戦場を駆ける“少女”――

だが、そこに可憐さも哀れみもなく。


あるのは、“死の悦び”だった。


敵を裂きながら、血を浴びながら――笑っていた。


「こっちまで、吐きそうになるな……」


次の映像には、別の“悪夢”があった。


制御室で椅子をくるくる回しながら、

大量の敵兵の位置を把握し、的確に“死地”へ誘導する、じゅぴ。


「こいつ……“楽しんでやがる”……!」


魔導スクリーンの映像が、一瞬遅れて消える。


それは、じゅぴの操作で一つの中隊が“存在ごと”消された合図だった。


「“遊んでる”……指先ひとつで、命を……」


笑って、歌いながら、何百という命を弄ぶ少女。

その声は、どこまでも甘く、どこまでも残酷だった。


「……敵に回すべき相手じゃねえな」


グレンが低く呟いた。


「いや、“味方だとしても”、戦場じゃ背中預けたくねえタイプだろ」


誰かが震える笑いで応じる。


だが――


その恐怖の中で、

最大の“理解”が訪れる。


画面の中心、戦場の中央に現れた“黒”――


「……来た……ッ」


漆黒の王せつな。


その存在を見た瞬間、兵たちの背筋に、何か“重いもの”が落ちた。


リィナやじゅぴが“怪物”なら――

せつなは、“それらを従える王”。


「……隊長……これ、本当に“王国”が戦う相手なんですか……?」


若い兵が、震える手で問いかけた。


グレンは、スクリーンを見つめたまま答える。


「……いや。違う」


「これは、“戦争”じゃない。“処刑”だ」


そして言う。


「だが、俺たちは――それを、見ていられる立場にいる。

だからこそ、見ろ。焼き付けろ。“世界が変わる”瞬間を……!」


彼の声に、兵たちが真剣な表情を取り戻す。


恐怖の中に、一筋の理解が芽吹く。


それは――“生き延びるために必要な理解”。



【断罪の王】


王国軍・後衛陣地――


戦線が崩壊し、前衛の兵は壊滅。

かろうじて指揮系統を保つ最後の砦――その中枢に、震える指揮官がいた。


だが――


「……みーつけた♡」


影の中から、ぬるりと現れた気配。


リィナ=シュヴァルツ。


白銀の髪を揺らし、短剣を手に、まるで獲物を見つけた猫のような目で、指揮官を見つめていた。


「ぼく、“せつなの敵”探してたんだぁ……君が、指揮官かな?」


「ま、待て……! わ、我々は……っ!」


「うるさいよ?」


その刹那、リィナの影が動いた。

短剣が跳ね――その首を、今まさに跳ねようとしたその瞬間――


「――待て、リィナ」


その声が、空間を支配した。


重く、深く、静かにして絶対の声音。


リィナは刃を止め、嬉しそうに振り返る。


「……せつな♡」


「そいつとは話がある。お前は――他を片付けて来い」


その命令に、リィナは少し唇を尖らせたが、すぐに笑顔に戻る。


「……はぁい♡ でも、あとで“遊んで”いい?」


「……こいつはダメだ」


「んーざんねんっ♪」


ひらりと身を翻し、リィナは再び影の中へ溶けていった。


指揮官は、その場に座り込んだ。


「く、来るな……っ!」


せつなは一歩ずつ、何の急ぎもなく歩み寄る。


静かに、大剣を抜いた。


そのまま、何の予告もなく――


ズンッ!


腕が、斬り落とされた。


断末魔も出ない。

痛みすら追いつかず、ただ肉が裂け、骨が砕け、血が地を染める。


せつなは剣を収めることすらせず、ただ見下ろして呟いた。


『……さて。舐めた真似をしてくれたな』


「ひ、ひぃっ……あ、あぁあ……!」


『――貴様らの行動は、“死”をもって償ってもらう』


その言葉は、裁定だった。


『王国の民を含め、何一つ逃がす気はない。』


言葉を発するたびに、空気が冷えていく。


周囲の兵たちは逃げようとしたが――

“影”がすでに四方を塞いでいた。


逃げ道など、最初から存在しない。


「ど、どうして……!」


指揮官の震える問いに、せつなはただ一言だけ返した。


『我が城に、牙を向けたからだ』


それは、世界の理のような言葉だった。


裁判でも、交渉でもない。


これは、“執行”――漆黒の王による、絶対の断罪。

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