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【完結済】堕神ノ書 〜異界支配の始原〜  作者: せつな
第三章【静寂を裂く足音】
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【従者たちの連携】


ネザリア城・中央作戦室。

魔導スクリーンに映し出されるのは、王国側の調査隊の映像記録。


じゅぴが指を滑らせ、音声を解析しながら報告する。


「――出たっす、調査隊。王都近郊の駐屯地から発進、進路は完全にこっち。

言ってたのは“領内に出現した未確認構造物”、あと“高密度魔力を帯びた不審拠点”って……ふざけてるっすよね」


スクリーンから流れる兵士たちの会話が、城内に響く。


――『なんでまた、こんなとこに城なんかが……』

――『知らん。だが王都の魔導院が反応を検知して動いたらしい。無視できる規模じゃなかったんだとよ』

――『どうせまた、どっかの錬金術師が暴走してるんだろ? 面倒くせぇ……』

――『任務はあくまで調査だ。だが……敵意が見えたら、即時制圧の準備もあると聞いている』


じゅぴがスクリーンを止め、振り返る。


「なーんか……“こっちが悪い”って前提で動いてるっすね。

名前も知らずに、“不審な魔力の城”とか言って……せつなの城をよくも」


その言葉に、玉座に座るせつなの指が、静かに肘掛けを叩いた。


「……ふざけた連中だな。“自分たちの領地に建った”から調べる?

なら、まずは“こちらに話を通す”のが筋だろう」


「ねぇ、完全に見下してるよ。せつなの城を“調査対象”扱いとか――

その身の程知らずな口、引き裂いてやりたい」


と、低く呟いたのはリィナ。

その声は、普段の甘さを削ぎ落とした、冷たく乾いた声音だった。


「……この城は、俺が築いた場所だ。

時間も資源も、リアルでもゲームでも――あらゆる努力を注いで、大切に育ててきた“俺の城”だ。

それを、“無断の拠点”だと? ……なめたことを言ってくれる」


せつなの言葉には、明確な怒気が滲んでいた。


「……なめた口を利くなら、“言葉が出せない”ようにしてやる。

直接同じ態度を取ってみろ。徹底的に潰す」


「はいっす。なにか仕掛けてきたら、即・撃滅対応っす♡」


「じゅぴ、調査隊の動向を継続監視しておけ」


「了解っす♡」


「リィナ、お前は防衛ラインの最終チェック。

万が一、隠密で入り込む者がいれば、すべて始末しろ。……必要なら、“気配”だけで処理していい」


「うん。せつなの手を煩わせることには、ならないから」


「そして、セリナには――潜入を継続させろ。

“問題が発生しそうだ”とだけ伝えろ。こちらからの次の連絡までは、大きな行動をするなと」


「“冒険者ランク”、上げるようにも指示しておくっす。行動範囲を広げるために、ね♡」


「……よし。全体の方針は維持だ。

“こちらの存在”にどれほど近づいてこようとも――玉座には、一歩も踏ませない」


魔導スクリーンの光が、ゆらりと揺れる。

せつなはそのまま、ゆっくりと玉座の背に身を預け、静かに目を閉じた。


その沈黙が意味するのは――警戒、そして断罪。


“敵”と判断された瞬間、彼の王国に許される余地は――ない。

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