【初めての依頼】
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セリナが仮登録証を差し出すと、受付の女性は微笑みながら数枚の依頼用紙を取り出した。
「初めての方には、比較的安全で、街周辺の土地に慣れるのにちょうどいい依頼を紹介しています」
彼女が並べたのは三件――どれも、いかにも“新人用”という雰囲気を纏っていた。
【薬草採取:東の丘陵地帯】
目的:ヒリ草10束の採取
報酬:銅片8枚(+品質により追加報酬あり)
内容:ギルド指定の薬草を東の丘で採取。魔物の出現報告はないが、野犬・獣人に注意。
【配達依頼:鍛冶屋から宿屋へ】
目的:剣2本の納品
報酬:銅片4枚(+時間ボーナスあり)
内容:街の西区画にある鍛冶屋から、中央の宿屋まで武具を安全に届けるだけの依頼。
【清掃協力:孤児院の手伝い】
目的:施設内の掃除と片付け、子どもの見守り
報酬:銅片6枚(+感謝の品あり)
内容:街南部にある小さな孤児院。スタッフ不足のため、数時間の簡単な手伝い。
セリナは一つひとつに目を通しながら、無言で選択を考える。
(薬草採取……街の外に出られるのは大きい。地形、魔物、環境の確認ができるし、通貨相場の“報酬感”も体感できる)
(ただ、孤児院っていうのも悪くない。“感謝の品”ってのが不確定だけど、街の人との距離を詰めるならこっちかも)
(配達は手軽だけど……情報の収穫は少なめ。タイムボーナスで多少の金額感覚は掴めるかもしれないけど……)
セリナの選択は――
「……薬草採取、にします。東の丘のほうへ」
受付の女性がにこりと笑って頷く。
「はい、かしこまりました。“ヒリ草”は薄紫色で、先端が三つに割れてます。
採取袋と鑑定札はこちらに入っていますので、忘れずにお持ちくださいね」
手渡されたのは、小ぶりな革袋と封蝋付きの鑑定証。
薬草の質と種類を判別するための“ギルド認定アイテム”だった。
「ヒリ草の市場価格は、一束でだいたい銅片一枚が基本です。ですが、鮮度が良ければ加算もされますよ」
(ふぅん……なるほど。基準価格は一束=1Cってとこか。
ってことは、銅片8枚の報酬は“最低ライン”ってことね)
「……行ってきます」
そう言って、セリナは静かにギルドをあとにした。
ついに初依頼に出発!
薬草採取という地味な依頼にも、しっかり情報を拾っていくセリナの慎重さが光ります。
世界の仕組みを読み解く鍵は、こういう何気ない仕事に潜んでいるかも?




