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あとがき


漫画やらアニメやら、勿論、小説においても、ある日突然超常的な異能を獲得するっていう風な展開は結構よくあると思いますが、現実にそのような事態が起こった場合に当事者は一体どういう行動をとるのかと言うと、それは実に多様な(こたえ)があるのでしょうね。『一体』とは言ってみたものの、多様性は否定できませんから。

異能を特に気にせずそれまでと同様に過ごす者や、異能を自分の欲のために使う者、あるいは世のため人のために使う者なども現れるでしょうね。

ただしそもそも、究極的に突き詰めるなら、あらゆる行動の原動力は欲求なのであって、自分の欲以外の理由から行動する人間なんていないんです。世のため人のために異能を使うのも、『世のため人のために異能を使いたい』という自分の欲に従っているだけなのであって。

ですから、手にした力の使い方とかっていうのも結局、その人にどんな欲がどれくらいあるのかっていう点で多様に変化するというだけの話なんでしょうね。

今度は前書きとは違ってマズローの欲求五段階説に基づいてお話しするのですが、異能を低次元な生理的欲求のために使うのか、中程度の次元に位置する社会的欲求のために使うのか、あるいは高次元の自己実現欲求…例えばそう、正義の真似事をしてみたいという欲求のために使うのか。ただそれだけのことなのでしょう。

結局、人間は自分の欲求にしか従えないのです。


しかし、ここで重要なのは、自分の欲どうしが矛盾するかどうかという点ですよね。

ある一つの欲を満たすことを追い求めたせいで、他の欲を満たすことが疎かになってしまったのであれば、果たしてそれが幸福なのかと言ったら甚だ疑わしいところです。

人を攻撃したいという欲と、罪悪感を感じたくないという欲。人を助けたいという欲と、我が身を危険に晒したくないという欲。いや、もっとわかりやすい矛盾でも同じです。相手を攻撃したい欲と、それと同時に、その相手と仲良くなりたい欲、とかね。

欲求の矛盾はよくあることです。何せ、欲の数がとんでもなく多いっていうのが、中枢神経を持つ生物の特徴ですから、そりゃあどっかで食い違うこともありますよ。

そしてそこで葛藤する分には良いのですが、最も避けるべきは、自分の欲の矛盾に気付かないまま、ある欲を満たすためだけにそれ以外の欲のことを考慮せず行動してしまうことなんですね。

断言しますが、これは駄目です。

必ず、不快になるのだから。

あるいは、必ず心を病むのだから。

現実世界で突然異能に目覚めるようなことは無いとは思いますが、今話していることは何も、そういった極端な例に限りません。僕のこの話を念頭に置いて生きてくれとは言いませんが、例えば憶えておくだけでも、損はないと請け合いましょう。


早い話が、『自分の欲について深く分析し、深く考え、深く研究することが、幸福になるために最も合理的な方法なんですよ』っていう風に、僕は考えているということです。


そんな訳で、強化人間シリーズ第一作、「校舎前の強化人間」でした。

これはそこそこ重要かも知れない事項なので言っておきますが、別に、前書きの伏線をこの後書きで回収したという訳ではありません。『欲』というワードを多用し、欲について掘り下げるような話を前書きと後書きの両方で展開したのは、実は偶然なのです。

ほ、本当です。嘘ではありません!こっこの目を見てください!俺…僕が嘘を()いているように見えますか!?

僕は生まれてこのかた、嘘を吐いたことなんて沢山あってもたまには無かった人間です!そんな僕の言うことが、一体どうして信じられないと言えるのでしょう!?

とにかく、前書きの伏線はまた後ほど回収されますので、こんな訳のわからない伏線回収は嫌だと誤解なさらずに。

当作品はシリーズものですから、まだまだ続きます。次回作は、ちょっとコメディ要素が強くなる予定です。

それでは皆さん、あまり期待されても困ってしまいますが、次回作でまた会いましょう。


池潮遺跡


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