不穏な影
投稿できて偉いねぇ(自画自賛)
いつも通り厩舎で寝ていたらものすごい地面の揺れと音で目が覚めた。
慌てて飛び起きて様子を見に行くと村の食料庫が半壊しており周囲に村人達が集まっていた。
「あの...なにがあったんですか?」
「あぁ村長のとこのガキか、こいつぁレイジボアにやられたんだよ最近酷くてな」
レイジボア、村周辺に生息している猪らしいがここまでの被害をもたらすなんて知らなかった。
俺も田舎育ちなので猪は何回もみたことがある。
だけどしっかりとした木造りの倉庫を破壊できるだけのパワーがただの猪にあるとは到底思えなかった。
「去年の不作でただでさえ食料が少ないってのにレイジボアなんて手におえねぇぞ」
「狩人さんは村にいないんですか?倒して食べれば良いと思うんですけど...」
「バカを言うな、レイジボアは普通の狩人が少数で相手出来る手合いじゃねえ。本来なら公都の守護騎士に討伐を要請する必要がある」
国の機関の人間じゃなければ対処が難しい案件、なのに人材がこちらに派遣されない理由ってもしかして
「戦争のせいですか」
「そうだ。最近お隣との戦いに躍起になってるみたいでな、公都周辺ならまだしも離れにあるこの村に遣わせる余裕はないんだとよ」
ふざけやがって、とおっちゃんが吐き捨てる。
話を聞くにこの村は人口が少なく、他組織に助力を求めるための蓄えが無い。
そして高齢化が進み引退する狩人も多いため、獣を狩ることができず食糧難にもなっているようだ。
「山菜や果物を森から取ってくるのはどうでしょうか?」
「そんなことができれば苦労はしねぇ、レイジボアは雑食だ。山中でうろついてる人間なんて見かけたら1口でペロリだろうよ」
「そうですか...」
倉庫の修復作業を手伝いながら、村の現状を打破する策を捻るが良いアイデアは全く浮かんでこない。
そうこうしている内に作業は終わり、村人達が家に帰っていく。
当たり前に衣食住が保証された生活を送っていた俺にとって、ここは異世界だということを嫌でも理解せずにはいられなかった。
お得な裏設定その3
村の近くに危険生物がワラワラいるクソデカ山があり、そこを越えるとだだっ広い湿地があります。
クソデカ山があまりにも大きい+足元が悪い湿地があるため隣国に対しての城壁になっているわけですね。