辺境の村
初めて投稿する作品なので文章ミス等の報告や感想等あれば教えてくれると死ぬほど喜びます(作者)
俺が異世界にきてからはや3ヶ月、現地の言葉もある程度わかるようになった。
俺をみつけた女の子(カリンという名らしい)に教えてもらったことは
①ここはアビダ公国という国の境線ギリギリにある集落
➁現在はお隣の国とバチバチに戦争中
➂俺は神様から遣わされた使徒であると勘違いされた
ってことだけだ。
➂については最初はすごい歓迎ムードで飯をたくさん食わせてくれたが、力のない子どもだと知るやいなや扱いがめちゃくちゃ悪くなった。
「ふかふかのベットで寝ていたのが懐かしいぜ...」
まあ廐舎の干し草の寝心地もなかなか悪くはないんだが、流石に毎日となると体が筋肉痛になるし寝てる間に蚊やダニに刺されまくって不快感MAXだ。
「今日の分の塗り薬とご飯もってきたよー」
「おっカリンか、悪いな毎日持ってきてもらって」
「気にしなくていいっていつも言ってるじゃない、そもそもハルタを家にあげてくれないお父さんが悪いのよ!気にすることないわ」
カリンは俺がこんな扱いを村から受けても優しく接してくれる。
彼女がいなかったら今頃飢え死んでてもおかしくはなかった、それくらいこの村は他者に対して閉塞的というか距離感を感じる。
「困っている人がいれば助け合うのは当たり前なのに、なんでみんなハルタを仲間外れにするのかしら!」
「まあまあ、落ち着いてよカリン俺は大丈夫だからさ。それに年頃の娘さんがよくわからん浮浪者と一緒に暮らすなんて反対するのは当たり前だよ、気にすることじゃないさ」
「ごめんね、昔はあんなんじゃなかったんだけど最近不作が続いててさ、村の大人たちもピリピリしちゃってるみたいなの」
この村はどうもあまり豊かではないらしい、服装もみすぼらしいし食事も必要最低限のとても質素なものしか食べていない。
「しょうがないぜ誰だって腹が減ってりゃ気も滅入るしな、ご飯美味しかったよご馳走さん」
カリンに木皿とスプーンを渡す。
「ありがと、そう言ってくれると作ったかいがあるわ。明日はもっと美味しく作ってあげるから」
「なあ俺になにか手伝えることはないか?皿洗いでもなんでもやるぞ」
「大丈夫よまたお父さんに怒られちゃうし、その分私の代わりにキーヴと遊んであげてね。それじゃおやすみ」
「うん、おやすみ」
毎日彼女の好意に甘え続けるのは申し訳ないから、なにか村に少しでも貢献したいが不作で手伝える作業自体が無いため連日働かずにぐーたらしているだけだ。俺にできることといえば、近所の子どもと遊んであげることだけなので村民から白い目で見られるのはしょうがないとはいえ少し悲しい。
『こんなんでいいのかな俺...』
そんなことを考えながら干し草に体を任せ、ゆっくり目を閉じるのだった。
お得な裏設定その1
カリンのお母さんは二年前に他界してます。