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2-16-2【正義】その2

ある主義主張を同じくして集まったものが、国家を形成する。

人類の初めの国家は一族集団が結集したものであり、それぞれの集団は多分祀る神が違ったのだろう。


ほとんどは太陽神だったが、説明の付かないことは全て「神の意思」だったから、初めは多神教だった。

水害に遭えば「水神様」を祭り、日照りに遭えば「お日様」を祀った。

一番自分たちの生活に影響がある神を、一族の守護神としたのだ。


そうこうしているうちに、「お日様」を祀っている部族が水害に遭うと、「水神様」を祀っている部族の呪いであると解釈して、その部族に戦いを仕掛けたのである。


人間、訳が分からないことは全て他人のせいにする。

そうしなければ、自分の責任になるからだし、怒りのやり場を見つけなければ部族内部で不平不満が溜まってしまう。

そうなれば、一族の長が駄目だから災難に遭うとされて、責任を背負って長が生贄にされてしまうこともあった。


特に南米の古代文明は、やたら人の命を生贄にした。

何かあるとすぐ近くの部族を襲って捕虜を全て生贄にしたようだ。

南米のピラミッドには生贄の首切台が残っていることからも判る。


昔は祀っている神が「正義」だったが、色んな現象が解明されると、それを司る神は死ぬことになる。

周期的に洪水が来ることが解明されれば、その時避難すれば犠牲者は出ないから「洪水」を司る神は低位に置かれてしまうのだ。


古代エジプト第18王朝のアクエンアテンは、神官の勢力が王を凌ぐほどになったため、多神崇拝を廃止し古の太陽神アテンの一神崇拝を行った。

しかし、死後、神官勢力が盛り返し、多伸崇拝に戻るとともにアクエンアテンの名は歴史から葬り去られたのである。


つまり、神官にとっては、アクエンアテンは「悪の権化」であり、アクエンアテンにとっては神官が「悪の権化」だった訳である。


この様に立場立場で「正義」が変わる。

全ては「自分の利益」こそが「正義」に他ならないのだ。


つまり、「自己保存」の本能が「正義」を作っているのである。

人それぞれの「正義」は、自分のとって最大限生き延びられる手段でしかない。

自分を脅かすものが「悪」であり、それに対抗するものが「正義」なのである。


アメリカの正義は、アルカイダの正義ではない。

富裕層の正義は、貧困層の正義ではないのである。


そのそれぞれの正義がぶつかり合うことで「戦い」が起きるのであり、自己を抑制する以外に「共存共栄」など有り得ないのである。


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