1-11-1【共鳴】
共鳴とは「同じ固有振動数を持ったものは、一方が振動すると他方も振動し始める」事を言う。
ビール瓶の口を吹いて音を立てれば、近くに置いた同じビール瓶も共振して音を立てる。
特に音が共振することを「共鳴」と言うのである。
ビール瓶ぐらいなら何事も起きないが、ビルも橋にも固有振動数があり、風や地震に共振すると大変である。
米国のタコマナローズ橋は、風が吹きつける周期と一致してしまい、できたばかりなのにあっけなく壊れてしまった。
また、フランスのアンジェでは、500人の歩兵が行進していたところ、ザッザッという行進のリズムが橋と共振し、吊橋と一緒に487人の人が落ち、そのうち226人が死亡してしまったのである。
共振は死者さえ出かねないのである。
最近、問題になっているのが地震の長周期振動である。
これは数秒から数十秒と言う周期の振動であり、高層ビルの振動数に合ってしまうと最上階では数メートルぐらい振幅幅があるので、恐怖は言うまでもないが乗り物酔いになってしまうそうだ。
これは、耐震構造で「柔構造」を採用しているビルに多い。
今は対策を取っているらしいが、昔の耐震ビルが問題なのである。
都会は機能的で便利だが、一度崩壊すると全てが凶器になる。
都会では地震があるとビルの窓ガラスの破片が降ってきて大怪我をする。
地震が起きたら、慌てて外に飛び出さず、近くのトイレに駆け込むことだ。
柱間隔が狭ければ崩れることはないし、トイレなら落ちてくるものも無い。
都会は災害に弱い。
便利の固まりが「都会」だから、一度災害があれば簡単に機能は麻痺するし、人口密度が高いから被害も大きい。
これから異常気象で食糧不足になるのが目に見えているのだから、農業に就いて自然を相手に暮らすのが一番である。