1-13-1【遺書】
遺書は文字通り「死後に残す書き置き」である。
遺書による相続を「指定相続」と言い、遺書を書かなければ「法定相続」となる。
と言っても、遺書に書けば何でもかんでも有効という訳ではなく、民法に規定された16項目だけが有効なのである。
大まかにいえば「財産分与」に係る事柄だけが有効であり、やれ『遺骨は海に撒け』とか『三人の娘を屏風の俳句に見立てて殺せ』などは、遺族の判断で無視しても構わないのである。
大体、違法なことを遺言で残されても、それは犯罪行為なのだからできないのは明白だが、そんなことを言うと、ミステリーが成立しないから、くそ真面目な遺族や故人の友人が「おどろおどろしい遺言」を実行するのである。
私も『家から見える山に散骨して山を墓標にしちまえば、いつでも家から墓参りができて世話が無い』と冗談で言っているが、まさか遺族はそんなことはしないと思う。
そんなことをしたら撒かれる方は迷惑だし、死んでまで迷惑を掛けたのでは、極楽往生などできない。
まあ、海に散骨すれば、海の見える所ならどこでも墓参りができるから、それでもいいかとは思っているが、散骨自体が「廃棄物処理法」に抵触しないか心配ではある。