1-12-2【お茶】
「茶」は中国原産の植物で、広東で“チャー”とか“ツァー”と発音されたので、世界中同じような発音である。
初めは、食べていたらしいが、そのうち薬草と同じように煎じて飲むようになった。
だから、飲み始めた当初は、発酵させないお茶だった。
日本にも奈良時代ぐらいに入って来たらしいが、高知の「碁石茶」のような纏茶だったようだ。
これは、すぐに廃れて、平安時代にはもっぱら薬として用いられていたが、平安後期になると「闘茶」が流行して嗜好品として受け入れられるようになったのである。
戦国時代に入ると、武士に嗜みとして「茶の湯」が流行り、茶道具は領地一国と引き換えられるような価値をもつようになる。
江戸時代になると、ようやく茶葉を煎じて飲むようになり、今に至る訳だが、最高級の茶葉になると陽の光を避けたり管理が難しく、300円/gぐらいはする高価なものなのだ。
実は煎じて飲むよりも、葉っぱを食べてしまう方がビタミンやミネラルを取れるので、葉っぱを挽いて飲むか食べるかした方が良い。
茶を挽くミルも売っているが、出涸らしを「佃煮」にすると結構うまい。
出し殻の昆布も小さく切ってから、酒と醤油と砂糖で煮詰めれば佃煮になるので、同じようにすれば「お茶っ葉」も佃煮になる。
昔は、茶殻を畳に撒いてから箒で掃いて埃が立たないように掃除をしたものだが、今は、掃除機が良くなっていてフィルターで殺菌までする。
最近の空気清浄機は、マイナスイオンとかクラスターなんたらとやらを吐き出すし、ちょっとした「クリーンルーム」である。
しかし、そのせいで異常に清潔な環境になり過ぎて「アトピー」の幼児が増えたのは、文明は全てが全てプラスに働かない証拠である。
今後、行き過ぎた技術の進歩が人間にどのような影響を与えるのか真剣に議論する必要があるのではないだろうか。