1-4-3【カーナビ】その2
前に白布峠(西吾妻スカイバレー)の一本道で、誰も通らない真夜中に『この先700m左折です』と案内されたことは書いたが、もう一つビックリしたことがある。
R121を米沢に向かって、旧道の「大峠」を越えていた時のこと、福島県側は舗装してあって快適に走れたのだが、県境を超えるといきなり砂利道である。
しかも狭い上に、右側は断崖絶壁だ!
慎重に走っていると、所々に何か看板が立っている。
停って良く見ると『自分の命は自分で守ろう』と書いてあった!?
しばらく意味を考えたが、要するにガードレールを設置する金がないから、看板で自己責任をアピールしているのだ!
これには呆れるとともに『県の財政には差があるんだなぁ』としみじみ思ったものだった。
もう、二十数年も前のことである。
そうこうしているうちに無事転落すること無く「大峠」を抜けることができた。
自分の命を守った訳だ。
そのまま米沢に向かっていたが、時間が早かったので山形市に寄ってからR13を戻ろうと思い立った。
ナビで確認すると、ちょっと先にちょうどいい県道があるではないか。
早速、目的地設定をして音声案内に従っていると、畑の中に入れと案内している!?
どう見ても、畔道しか見当たらないし、しかもその先は山の中に入って行っている。
停ってしばらく考えたが、「とにかく指示に従って見るか」と、その畔道を行くことにした。
すると、とてもすれ違いなど出来ない山道になってしまったのである。
対向車が来てもどうしようもないし、切り替えして戻ることも出来ない。
諦めてとにかく進むことにしたが、今までの経験から、このような林道にはどこかに転回場があるはずである。
ここで、「霧が出て来て一寸先も見えなくなり、霧が晴れたら江戸時代と思われる集落にいた」とでも異次元に行けば凄いのだが、しばらく行って山を抜けたらいきなり二車線の舗装道路になったのである。
そこにはゴルフ場の入り口があり、山形市からこのゴルフ場までのアプローチ道路として、ちゃんと整備されていたのだ。
多分、ゴルフ場を誘致するのに、業者から県に「入り口まで県道を整備すること」という条件を突きつけられたのだろう。
経費が掛かるから、そこから先の米沢方面など整備する気が更々無いのである。
ナビには県道という情報しかないので、検索した結果を素直に案内したのだが、あまりにいい加減な道路行政なので“ど田舎”ではナビの案内を信用しない事にしている。