1-1-3【ハンディGPS】
今、山ですれ違う人の中にチラホラGPSを肩に付けている人を見る。
EMPEXなどのホームページに行けば、必要な2万5千分の一の地図をダウンロードできるから、山行の前に取り込んで置けば実に安心である。
だが、このGPSは電池が必要だ。
リチウム電池でも11時間しか持たないから、数日の山行では予備電池を持つか、ポイントポイントでその都度スイッチを入れて位置を確認するしかない。
ところが、スイッチを入れて測定し直すと、衛星を補足するのに結構時間がかかってしまう。
動かないと寒くなるので、最近では、あくまで紙の地図と磁石がメインで、GPSは分岐点の位置確認と軌跡を残すだけに使っている。
このぐらいの性能なら、2万円ぐらいの安いGPSで事足りるし、本体も携帯電話並に小さいといい事ばかりである。
考えてみれば、GPSが壊れたら、どこにいるのか分からないようでは、間違いなく遭難である。
結局は、自力で生還できるスキルが必要なのだ。
時々、鍋でご飯を炊いておかないと、電気が止まれば食事にもありつけない。
快適な水洗トイレも、水が止まればトイレにも行けないことになる。
「便利」「快適」とはライフラインがなければ、何の恩恵も受けられない事なのである。
人ごみが嫌いで幕営(テント泊)しかしないと、自然に災害対策になっているのだ。
普段から寝る時はシュラフで寝ているが、隙間風が入ってこなくて実に快適だ。
化繊のシュラフだから、時々丸荒いして干せば、いつでも清潔で暖かい。
文明にどっぷり浸からずに、時々不便を楽しむようになれれば、どんな時でも生きていけるのだ。