番外【デジカメ】
デジカメは撮像素子の大きさで決まる。
撮像素子とは、銀塩カメラのフィルムに当たるもので、面積が大きいほど大きく伸ばせるし、色情報をふんだんに入れられるので、色調豊かな写真が撮れる。
普通のコンパクトカメラは「1/2.3」ぐらいの大きさであるが、デジタル一眼レフはAPS-Cサイズで大きさはコンパクトデジカメの16倍程になる。
これだけ違うと微妙な色合いまで再現してくれるので、化粧写りがよく美人に撮れること間違いなしだ。(保証はしない)
例えば芝生を撮ったとすると、コンパクトカメラでは「緑一色」にしか見えないが、デジタル一眼レフなら、陽の当たった所と当たらなかった所の微妙な色合いまで再現できるのだ。
これがフルサイズ一眼となれば文句なしだが、カメラ本体が最低でも数十万円するので、プロかハイアマチュア向きだ。
今流行の「フォーサーズ(4/3)」は、APS-Cの2/3程の大きさなので、作品を良く見るとちょっと深みに欠ける。
また、撮像素子が小さいと被写界深度が深くなり、ボケ味を出すことが難しくなる。
最近のコンパクトカメラには、ピントをずらして高速で連写し、合成して背景をぼかす機能まであるらしいが、やっぱり境界が目立ってしまう。
一眼レフは撮像素子とレンズで決まるのだから、本体は安くても構わない。
いいレンズさえ揃えれば、いい写真は撮れる。
写真撮影にハマってしまったら、後でいい本体を買えばいいのだ。
しかし、山に持って行くとなると話は全く違ってくる。
実際、友人が交換レンズ一式と三脚を持って南アルプスに行ったはいいが、重くて「こんな思いをするなら」と途中でカメラを放り出したくて泣きそうだった。
全部で百数十万はするだろうから、捨てたら拾おうと待っていたのだが、とうとう最後まで捨てなかった。
山では「自己責任」だから、持って行くものは吟味して必要最小限にしなければ遭難してしまう。
私の場合は「f1.4 50mm」と「f2.8-4.0 27ー105mm」を持って行くだけだ。
これで十分とは言えないが、まあ、何とかなるし、カメラが原因で遭難したらいい笑いものになってしまう。
ただ、これにコンパクトの防水カメラをサブとして持って行く。
一度、北岳でガスに巻かれたら、デジカメが直ぐ壊れた。
昔ながらの機械式なら、ちょっとやそっとでは壊れなかったのに、今は全て電子式だから水に脆い。
こんな時は、直ぐ電池を抜いて一週間ぐらい乾かせば、大抵は復活する。
とにかく、写真は頂上での記念撮影を最後に一枚も撮れなかった。
「北岳草」を目前にして撮れなかった悔しさで、下山後、防水カメラを衝動買いしたは言うまでもない。