1-8-1【登山靴】
「登山靴」は「雨具」「ザック」とともに重要な装備だ。
全ての装備と体重が靴にかかるから、安物だとすぐに壊れるし、壊れたら最後、文明人には歩くことは困難だ。
普段から素足で生活している人ならいざ知らず、靴で保護されているひ弱な文明人が、いきなり素足でなど歩けるものではない。
健康にいいからと、試しに公園で素足で歩いたが、小石が足の裏に突き刺さるようで、すぐにギブアップしてしまった。
よく底に小石を敷き詰めた温泉がある。
日帰り温泉施設などには、結構あるようだし、健康ランドならほとんどある。
これも小石が足の裏を刺激して、痛くて歩けるものではない。
能書きを読むと「内臓に悪いところがあると痛い」そうだ。
しかし、風呂からジッと見ていても、平気で歩いている人はいなかった。
話を戻すと、登山靴は防水性と頑丈で滑らない靴底が要求される。
防水性は、雨に降られた時、防水でないとすぐ靴の中がビショビショになってしまい不愉快極まりない。
それだけならいいが、濡れた足をそのままにしておくとふやけて、豆ができやすくなるし、皮が剥けてしまうのだ。
こうなると痛くて歩けるものではないし、氷点下なら凍って足の指が壊死してしまうのだ。
雨具のところでも言ったが、濡れるのは外側ばかりでなく、汗で中からも濡れて来るから、通気性も必要である。
靴にも「透湿防水」のものがあるが、基本的に布なので荷物を30kg以上持つ場合は、強度が足りない。
で、昔ながらの革靴が最強ということになるが、通気性が足りないので、部分的に「透湿防水」の布を使う登山靴が増えて来たようだ。
これも、いいものは十万円ぐらいするが、遭難して命を無くしたり、五百万円を超える民間救助の費用請求を考えれば安いものである。
登山靴の底は、ほとんどビブラムパターンになっていて排水性が高く、凸凹の山地や濡れた岩場なども、高いグリップ力を発揮して滑落を防いでくれる
また、底が固いので重い荷物を背負っても底が曲がらない。
まるで、ロボットのようにぎこちなく歩かざるを得ないが、この方が重い荷物を背負う時にはしっかりホールドしてくれるし、足が疲れなくて済むのである。
と言っても「歩荷さん」などは、地下足袋で70kgもある荷物を平気で運んでいる。
だからと言って、真似をする気などさらさらないが、『人間、その気になれば何でもできるもんだ』と感心頻りである。
下手に真似などすると、5mも行かない内に足首をねん挫するのが落ちである。
とにかくわれわれ素人は、技術の無いところは金で解決するしかないのである。