1-4-2【カーナビ】
高山植物を撮るのに、時期に合わせて山を選ぶので、カーナビは必須である。
当たり前だが、登山口は大体が山の中にある。
大駐車場があってお土産物屋があるような山で、高山植物を撮るのは難しい。
一番辛かったのは、飯豊山のヒメサユリ(姫小百合)を撮りに行った時だ。
とにかく、山が深くて行っても行っても山なのだから、いい加減疲れてしまった。
無事、写真を撮って戻って来たのは、日も暮れかかっていた。
さて、これからどうしようと考えたが、どうせなら遠回りでも白布温泉に寄って行こうと向かったが、着いてみると、何と数日前に火事で焼けていて休業中だったのだ。
ニュースでやったらしいのだが、山の中に籠っていてので何もわからなかったのである。
ガッカリして、夜の十時過ぎに、そのまま白布峠を桧原湖の方に向かったは良いが、どこまで行っても対向車とすれ違わない。
いくら観光シーズンではないと言っても、一台もすれ違わないのは不思議だと思っている矢先に、『この先700m先左折です』とカーナビが音声案内をしだしたのだ!
『この道は一本道だし、こんな山奥に分岐など無いはずだ!?いくらなんでもおかしい?』と思い、カーナビを見ると、何と、現在地を示す矢印が無い!?
しかも、画面が細かく震えているではないか!?
さすがに恐くなってしまい、無我夢中で車を飛ばして峠を抜けた。
福島側に入って、やっと家の灯りが見えた時には、思わずホッとしたが、一体何が起こったのか今でも解らない。
不思議なことに、その後、桧原湖畔を通っている時にはカーナビは正常に戻っていた。
まあ、科学的に考えれば、カーナビが誤作動した地点は「電磁波」を出す地質だと考えられるが、今でも絶対に確認しようとは思わない。