【失敗≒成功】
「はやぶさ」が帰還して、無事大任を果たしたが、17億円を予定していた2期プロジェクトは、5000万円の調査費に抑えられ、それも事業仕分けで3000万円まで圧縮されてしまった。
科学プロジェクト、特に「宇宙」関連は予算を切られやすい。
何故かといえば、知的好奇心を満たすだけで何の役にも立たないからである。
過去がどうだろうと、今を生きているのだから過去を知ったところで意味が無い。
しかし、人間がここまで進歩(?)したのは、知的好奇心があったからだ。
多分、先祖は『山の向こうには何があるんだろう?』と思ったのに違いない。
でなければ、ここまで人類が世界中に分布していないだろう。
ライオンが好奇心があれば、アジアにも分布して当然なのにアジアにはいない。
ゴリラやチンパンジーでさえ、生存地域は限られている。
つまり、人間から好奇心を除いたら『ただの猿』になってしまうのだ。
事業仕分けもいいが、「天下り役人」の高給や渡りを追及していればいいのだ。
訳の解らない内容まで、素人が口を出すべきではない。
好奇心を無視する施策は、生存するだけの「猿施策」である。
科学のプロジェクトが失敗すると『それ見たことか!』と、鬼の首を取ったように批判する輩がいるが、これも何も解らない大馬鹿野郎である。
失敗したと言うことは、『これでは駄目』と言うことが解ったということなのである。
つまり、無数にある迷路が大きく狭まったと考えるべきなのであり、失敗の原因を追究すれば、それこそが成功の近道なのだ。
一番悪いのが、失敗の原因を突き詰めずに諦めてしまうことなのだ。
それを本当の「失敗」と言うのである。