1日の休憩時間は45分!ホワイト万歳!
見てくれる方がいるだけで、幸せです。
いつもありがとうございます。
人が人として生きるにはなにが必要なのだろ。
水?固形物の食べ物?
それも必要だろう。
だが、それ以上に現地で生き抜くための基礎知識が必要だ。
兵士達との暮らしは快適ではながったが、基礎知識を教わるには良い機会ではあった。
一つ、この国は代々男性は生まれながら奴隷の身分であること。
一つ、男性で読み書きができないどころか、言語としての会話ができないまま亡くなるモノも多いこと。
一つ、この国で精霊は従来女性のみ契約して力を使えること。
一つ、成果を上げた奴隷は貴族や王族の元で働け、衣食住は確保されること。
雑談好きな女性兵達はサウナ空間で俺様が例外なのを教えてくれた。
「騎士団長様もお前をなぜ気にかけているか教えてくれないが上手くすればお前は出世しそうだな」
「奴隷の中での出世ですか?」
「あぁ、少なくともこの牢獄は訳ありの奴隷達が集まるなか、ここまで待遇が良いのはお前ぐらいだ」
「そうですか、ありがたいことですね」
言語が通じるようにして、兵士達のおしゃべりを邪魔をせず知識を与え、倒れない範囲で仕事に就かせる。
一つ一つは高待遇とおもっていいだろう。
だが、俺様はいつまでもここには居られない。
一日でもはやく妹を探して連れ帰らないといけない。
異世界と元いた世界で、どれくらい時間経過があるかはわからないが。
一日でもはやく妹と合流しなければならない。
「浮かない顔をしていますね」
ヒントをくれる翻訳機が話しかけてくる。
今は1日たった45分だけとれる休憩中だ。
この時間実はこっそり精霊の加護を強める行動をしていた。
兵士達が側に居ない貴重な時間だからこそ、できることはしておきたかったからだ。
「水の精霊さんよ!馬の形を保ちとなったのち、この手の中で小さくなり眠ってください」
「今日も成功ですね」
「あぁ、そうだな」
水の精霊は本来気性の荒い性格が多く、日本でいうマグロみたいだなと思うほど動き回り活動しているそうだ。
そのため、素直に睡眠を取ることはとても珍しいらしい。
馬が貴重なら造ればいいと俺様は考えついてからは行動が早かった。
休みなく動ける水の精霊さんをそのまま馬にすれば良い。
気性の荒い水の精霊さんに依頼したときは何度も拒絶の氷の槍を飛ばされたが、俺様はすべてよけてみせ、対話を交わせる仲になった。
今では、水の精霊さんをこの手の中で寝かしつけることもできる。
「そろそろ、妹に会いたいと思うが、情報は手に入りそうもないな」
「シスコンですね」
「あぁ。自慢な妹だからな」
両親も一日も早く妹の帰還を待ち望んでいるはずだ。
俺様がどうにか連れて帰らないといけない。
「では、はやくその手錠を外して貰えるといいですね」
「そうだな」
ここから脱走するには、この術をかけた術者しか外せない手錠から解放される必要性はある。
まだまだ、やることは多そうだ。