馬が貴重だとなぜ気づけなかったんだ
前の投稿から、数ヶ月経過してしまいました。
パソコンの整頓中に、データの仮保存場所のリンクが切れたことが主な原因ですが。
あまりに、期間が空きすぎて、俺様キャラがぶれてしまった気にまりますが、とりあえず更新したいので、投稿させてただきます。
「あつくないですか」
「この温度帯が汗をかいて垢を削るために最適なんだ。気にするな」
「気にしますよ」
日本でいえば、コレはサウナの中の室温帯だろう。
以後サウナとして話すが、馬を連れて脱走が成功したはずの俺様だったが、サウナの中で女兵士達のひたすら身体の垢を落とす作業に没頭していた。
「馬を連れて逃げたのがよくなかったな」
ここの兵士達が普通に乗馬しているので、馬はよくいる生き物だと思っていた。
この異世界では野生の馬を捕獲して調教して使うらしい。
馬は高級品。
貴族の特権だ。
人工交配技術はないのだから、それもそうかもしれない。
趣味の乗馬経験があった俺様でも、馬具をつけず、専用の服を身につけることなく長時間馬で走り続けることは叉刷りもするし、意外と左右に振り回される揺れからくる疲労感から、披露は蓄積していく。
「ふかふかのベッドとは言わないが、せめて藁草のベッドで寝たい」
土は硬く、平らな場所などないでこぼこな街道。
念のため、川をなるべく探しつつ、太陽による影のかたちで方位を確認し、南下していく。
川沿いを歩いていたが、火も濾過装置もない状況で生身は飲めない。
日本での俺様は浄化水しか受け付けない身体であり、生水では下痢をするとの知識があるからだ。
早めに井戸がある村か町にいくしかない。
着替えの服も欲しいからな。
そしてどうしても人里に降りざる得なかった時には、言語が通じればなんとかなると油断の積み重ね状態だった。
正直ジェスチャーと言語があっていればどうにかなるなら世界は平和だろう。
当たり前だが、指名手配書は鳥速で各地に配られていたらしい。
俺が脱走後初めて立ち寄った村であっという間に捕まえられた。
服も脱走時の服だったのがよくなかったのだ。
迎えに来た兵士にニヤニヤされながら伝えられた時、一つ情報を得た。
この世界は、階級が服装で決まっているそうだ。
そして再度捕まった状態で特殊な手錠をはめ込まれて送り込まれた先は、元いた牢屋近くのこのサウナ室だった。
「10部隊終わるまで、気を抜かずにやれよ。」
「一部隊100人体制だとは聞いていないのですが!」
「当たり前だ!これは、罰だからな!」
暑さで倒れたふりをしてやろうと最初の10人の時には思ったが、手錠を通じて体温の矯正調整がされていて、サウナの熱で倒れないように制御されている。
狡はできなさそうである。
なんてハイテクな腕輪なんだ。
罰でなければ、ずっと使っていたい。
リラックスした兵士達はおしゃべりだし。
俺様はまずは情報をなにか仕入れるのに以外とこのサウナ室は悪くない罰であった。