言語が通じたからと、名前を呼ばれるわけではない
「さむぃ!」
いや、なんで俺様は⋯今、肌色分多めにされているんだ?
ヒント:身体が汚れすぎて、悪臭を放っているから。
ヒントありがとうな。
確かに俺様は臭かった。
鼻が詰まるほどの悪臭。
だが、あの牢獄にいたモノは大抵その匂いを放っている。
俺様が特別ではない。
「苦情いうほど根性あるなら、No.0218314914106号君、継続して良いわね?」
「さっきからなんだよ、その名前は!俺には、親にもらった美春颯斗って名前があるんだ!その名前で呼べよ!」
言語が通じた途端、俺様は井戸の前で井戸水を浴びせられたことに、不満を露わにした。 身体を綺麗にしてくれるのはありがたいが。
コイツら、皆揃い揃って女性だ。
しかも、ここは牢獄のある敷地の庭井戸。
俺様にも、羞恥心というものがある。
「水を汲んでくれたら、俺様があとはやるから」
日本にいたときは、身支度ぐらい整えていた。
「だめよ。このセカイの水は凶器にも出来ちゃうもの。アナタに今、此処で死なれたら困るのよ」
その言葉に俺でなくても違和感を覚えるだろう。
水が凶器になる? 俺様に死なれない為に、まとまった水を与えないようにしている?
たとえば、逆にだ。
俺様を押さえつけて、水をかけているコイツらにこの水でも危害が与えるモノでもあるのか?
俺様は心の中で念じる。
ヒントの妖精いるなら、答えてくれ!
この水を操ることが俺でも、出来るのか?
ヒント:このセカイで水を操ることは、異世界人でも可能です
(よし、やってやろう)
俺は今度、水に念じた。
(ウォルミリオルスキターバ・ドラゴリア!)
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