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第8話 誰でもカンタン! 初めての修羅場 ー上級編ー


「――ワタシとあーちゃんの出会い、それは色づいたアジサイが初夏の訪れを……」


「すまん、情景描写のカット多めで」



「――幼稚園の頃、親の都合でこっちの方に引っ越してきたワタシは当時から引っ込み思案で……」


「え?」


「西宮さん??」


「な、なんでもないわ。続けて」



「――気弱で少し浮いていたワタシに親身に話しかけてくれたのがあーちゃんだったの」


「あれ?割とすぐにみんなと馴染んでなかったっけ?」


「おい、記憶が捏造されてんぞ」



話の腰は複雑骨折していた。



「そんな心細い時にね、あーちゃんはワタシの誕生日にユリの花を贈ってくれたの」


「6月生まれのゆーちゃんの誕生花だよね」


「うん! でも、当時のワタシは誕生花とか知らなくて……結婚式で新婦さんが持ってるお花って事は知ってたんだけど」


「寒気がしてきたわ」


「俺もだ」




 ~ 以下回想シーン ~


「あーちゃん、ワタシおよめさんになるの?」


「うん? よくわからないけど、ゆーちゃんはおよめさんになりたいの?」


「うん! あーちゃんとケッコンしたい!」


「うん?(ままごとかな?) じゃあぼくはゆーちゃんのだんなさんになるよ!」


「まぁまぁ! 可愛らしい新郎新婦さんね! この時期の結婚はジューンブライドって言って女性の憧れなのよ。先生なんかはね、この前の合コンでも……」


 ~ 以上、回想終了 ~




「って、事があって……! わーーー! 思い出すと照れちゃうね!」


「…………」


「言ったのか?」


東堂はおもむろに目を反らす。


「うっ……、頭がっ……!」


「誕生花を贈る園児……、その頃からチャラかったのね。あなたも大概バケモノよ」


「あの南雲かいぶつはワシが育てた」


「やかましいわ!!! 全部自業自得じゃねぇか!!」


謎にやりきった表情を見せる東堂に対し、北条と西宮は若干ピキついていた。




「――以上、ワタシとあーちゃんの馴れ初めでした!」


「……え?それで終わりなのかしら?」


「そだよ?」



「あっっっっっっさ!!! 想像してた10倍以上浅ぇ!!」


「意外と怪物ってお手軽に育つのね……」



「あれからずーっと、あーちゃんからの愛情をいっぱい注いでもらったワタシの愛は大輪の花を咲かせてます♡」


「え、えー、宴もたけなわではございますが、本日の会合はここまでと……」


「タイミング!!」




***


こうして、ハチャメチャな出会いを果たした4人。

彼女たちの修羅場はまだまだ始まったばかりである。



――尚、結局誰もコーヒーを飲むことはなかった。




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