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第0章 最初の時
それは唐突に生まれた。誰もいない、うっそうとした森の中で自身も気ずかづに産声を上げた。
それには体と本能しかなかった。
それには外を感じるための視覚なかった。
音を感じる聴覚がなかった。
味を感じる味覚がなかった。
においを感じる嗅覚がなかった。
ものを感じる触覚がなかった。
そしてなにより感情がなかった。
それが産声を上げているとオオカミが現れた。オオカミはそれにかみついた、それの体が半分食われた。
オオカミがそれを完全に仕留めかかろうとした時、それの体が黒い粘液に変わった。
黒い粘液がオオカミたちにまとわりつく。オオカミたちは抵抗した。だが抵抗虚しく喰われてしまった。
オオカミを喰らったそれにオオカミの足が生え次第に人の赤子の手足になった。それと同時に嗅覚が生まれた。
ここからがそれの物語の始まり。
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