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この世は才能が全て  作者: 卵かけご飯
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No.1

「天才DNA」通称タレントと呼ばれる遺伝子は日本の科学者によって発見された。

タレントとは人間の才能が眠っている遺伝子であり、意図的に刺激することでその人間の才能を開花させ、最もその人間に適している才能を知ることが出来るようになった。

俗に言う超能力などの力も全てこの才能(タレント)によって発現したものであり、才能(タレント)が見つかったことにより、世界は飛躍的に進化を遂げていった。




「うわぁ…やっぱめちゃくちゃに混み合ってるな。」


日本の才能(タレント)を伸ばす学校としては最高峰の学校「虹祭都市」の前は優に二千は超えていそうなほどたくさんの人で溢れていた。

そのほとんどは学生服かブレザーであり、中には私服の人も確認出来る。

この学校では服装が自由であるため、受験生の服装も自由なのだ。

ただの学校にも関わらず「都市」と付いているのは、あらゆる才能を伸ばすために学校を設立した結果、「都市」と呼んでも差し支えないほどに大きくなったためである。

そんな学園の前に氷上透(ひがみとおる)は立っていた。


「おっと、悪ぃな大丈夫か?」


「あ、全然……ダイジョブデスヨ~……」


「ちょっと受験受けるってなって緊張しててよ〜!」


「アハハ……ソウナンデスカー……」


彼が学校を眺めていると、全身特攻服の暴走族みたいな金髪男とぶつかった。

この学校を受験する時は何を着ても良いといってもさすがにこの男の服装は浮いていた。

氷上は見るからにめんどくさそうな気配を感じ、関わりたくないオーラを出しているが金髪ヤンキー男は全く気にしない。


「まぁ受験する時会ったらよろしくな!」


金髪ヤンキー男はまるで嵐のように過ぎ去っていった。


(まじか……あんなのも受験すんのか……)


氷上が突然の嵐に戸惑っていると、唐突に大きなチャイムのような音がなった。

受験開始のチャイムのようで学校の前にいる受験生がぞろぞろと学校の中に入ってゆく。

氷上も遅れないように中に入ると東京○ーム何十個分になるであろう土地、そして数多くの施設が目の前に広まっていた。

受験生たちはその中でも一際大きなたてものに集められた。

建物の中はかなり独特な雰囲気で全面真っ白な体育館と言った感じで、それが逆に近未来的に感じられる。


「えー、この虹祭都市を受験するみなさんドーモコンニチハ。私がこの受験を担当するもので~す。」


受験生が全員中に入ったのを確認すると、この受験を担当しているであろう青髪にサングラスの男が話を始めた。

その男はアロハシャツに半ズボンという、受験の担当者としてはどうかと思えるその男の服装と雰囲気に会場はどよめきを見せていた。


「これからぁ~受験生のみなさんにはこの建物で受験をして頂きマース。この建物は建築の才能(タレント)を持つ人が作ったもので…」


会場のどよめきを一切気にしない様子で男は受験の内容を話し続けた。

男の話によるとこの建物は用途によって建物の内装が変わるらしく、最初に頭脳試験、戦闘試験と2つ試験が行われるらしい。

この「虹祭都市」は主に戦闘寄りの才能(タレント)を伸ばすことを目的としているため、入学試験に戦闘試験があるのだ。

氷上が会場いっぱいに変化したテーブルと椅子に座ってまもなく頭脳試験が開始された。

頭脳試験は、一般教養に本来なら高校で習う内容が出ていたりと、戦闘系の学校にもかかわらずかなり高いレベルを要求していた。

頭脳試験が終わると青髪の男が次の戦闘試験についての話を初めた。


「え~戦闘試験は今から配る番号の順に行うので、番号を呼ばれるまでは列を作って待っていてくださーい。呼ばれた人は今から作られるドアに入ってきてくださぁーい。」


青髪の男がそう言うと今まで座っていた椅子とテーブルが形を崩し、建物の中心にひとつドアの円柱ができ、それと同時に番号の書かれた紙が配られた。

氷上の紙には「158」と番号が書かれており、この受験生の中ではかなり早く呼ばれるようだ。

氷上は、青髪の男の指示通り既に作られつつある列に向かっていった。


「ん?お前さっきのやつじゃねぇか!」


「え!あ、あぁコンニチハ。」


「こんなにすぐ再会するなんて、何かと縁があるな!」


(俺はあって欲しくなかったけどな)


かなりガックリきた氷上は、何かの間違いであることを願い金髪ヤンキー男の番号を見ると「157」と書かれていた。


「ここまで来ると自己紹介しといた方がいいな。」


どこまでだよと思いつつ氷上は男の話を聞く体制に入る。


「俺はの名前は朝日京平(あさひきょうへい)こんななりしてるけど、目指すところは天賦(てんぶ)のトップだ!実は《喧嘩》の天才なんだぜ!」


少なからず氷上は衝撃を受けていた。

天賦とは才能(タレント)が見つかってから増え始めた才能犯罪を専門に取り締まっている組織で、この組織に入るには圧倒的な実力が必要である。

その組織のトップになろうなどとは、常人では考えもしないことである。

しかし氷上が驚いたのはそこでは無い。


「まさか、きみが《天才》だったなんて…」


「あぁ、みんな驚くんだぜ。」


才能(タレント)には成長性が存在し、その成長に応じて《才》《天才》《鬼才》《神才》とランクが付けられる。

しかし、ほとんどの人は《天才》にすら至らずその生涯を終える。

要するに学生で《天才》というのはかなり凄いことなのだ。


「まぁ俺の自己紹介はこんなもんか。じゃあ次はお前の番だよな!名前と好きな食べ物と気が向いたらお前の才能(タレント)も教えてくれ!」


氷上は「はぁ〜」とため息を着きながら自己紹介を始めた。


「俺は氷上透。好きな食べ物はチョコレートで、あと才能(タレント)は…言いたくない。」


「へぇー、氷上透か。よろしく透!」


もう既に呼び捨てにしてくる朝日に少し動揺しながら、それからも話し続けていると、放送で彼らの番号が呼ばれ、とうとう彼らの番がやってきたのだった。









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