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おまけ:孝宏と由香

由香と孝宏が、絵里と英隆に遊園地のペアチケをあげたすぐ後の話です

由香は2人を公園に残してさっさと孝宏の元へと向かって行った。


「タカちゃん渡してきたよ」


「ありがとう」


そう言って孝宏は笑顔を見せるも、その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。


「ほんと、なんで奪ってくれなかったんですか?あの女を」


「絵里を『あの女』呼ばわりしちゃうかぁ…

まぁ、奪えるもんなら奪いたかったよ…あれだけ2人になれる機会も作ったし、距離も近くしてきた。絵里も合わせてくれるからワンチャンあると思ったんだけどなぁ」


そう言って孝宏は春の暖かい日差しに目を細めながら、ため息をつく。


「それより、由香ちゃんは良かったの?俺でもだいぶ絵里はやらかしてると思うのに。何がなんでもヒデを渡さないかと思ってたのにあんなにあっさり認めてあげちゃうなんて」


「別に、認めたとしても、奪わないとは言ってません。本当は不満しかないですし、あの女にお兄ちゃん渡すくらいなら私かサナちゃんの方がいいと思ってます。だから、私はサナちゃんと協力してあの女からお兄ちゃんをまた奪い取りますよ」


「いうねぇ。まぁ、2人とも頑張ってよ。うまく奪えたら絵里は俺がもらうから」


「ふんっ、何クズっぽい発言してんですか。するならその涙止めてからしてください」


由香はそう言いながらも、そっとハンカチを孝宏に渡してあげた。


「いいの?」


「洗っても返さないでください。気持ち悪いんで」


「ねぇ、由香ちゃん俺をさらに泣かせたいの?」


「いいえ。普通好きでもない男が使ったハンカチをもう一回使うなんて嫌ですよ。それに、そのハンカチ百均のやつなんでマジでどうでもいいので」


「そっか、ありがとう」


「いいえ。私はあなたを少し褒めたいとは思ってるんで。そんな人に多少は敬意を払うべきかと思っただけですよ」


「ん?褒めたいと思うところがあったんだ?どんなとこ?どんなとこ?」


「そういうウザいとかは蔑んでやりたいですけど、今はお兄ちゃんの可愛い顔が見れて気分がいいので教えてあげます」


「わーい。由香ちゃん優し〜」


「ほんとにうざいですね…はぁ、えっとですね。私としては、あなたがどれだけ好きな人といようとも、体の関係使ってまで奪おうとしなかったとこを褒めたいんですよ」


「あれ?そんなことかい?まぁ、血のつながった兄弟に恋する由香ちゃんはそれができないから、出来る俺が使わなかったのを褒めたいってこと?」


「あ、私お兄ちゃんと血は繋がってないのでやろうと思えばできますよ?」


「はァ!?何それ初耳なんだけど!?」


「まぁ、言ってませんでしたし…」


そう、由香は英隆の母の妹の子なのだ。

由香の実の母が由香を産んですぐに亡くなって、それのショックに由香の父親は自殺をした。

由香は1歳、英隆は3歳にもならない時の出来事で、そのあとすぐに英隆の家に引き取られたから、誰も知らなかったのだ。


だが、由香は小学2年のとき、夜中に起きて、眠れないから母親を呼ぼうとリビングに行った時、偶然知ってしまったのだ。理解をするのに時間はかかったが、理解をしてからは、もとから大好きだった英隆に対する気持ちを一切隠さない様にしていたのだ。


「で、私の必死なアピールに目も留めてくれず、お兄ちゃんはあの女に惚れたんですよ」


「はぁ…理解した時、辛くなかったの?」


「別に、お兄ちゃんが大好きなのは変わらないし、知ったとしても、みんな私を家族として受け入れてくれる自信がありましたから。というか辛いよりもお兄ちゃんと結ばれることができると知ったので喜んでいましたよ」


「すごいね、自信があること自体、俺には真似できないだろうね。でも、そんなに英隆が好きなんだね。ほんと、あいつはジゴロなのか?」


「ムカつきますけど、十中八九そうですね。」


「はぁ…マジでムカつくよなぁ。あいつ昔まで頭お花畑だったからそれのおかげで早苗さんも絵里も惚れたんだろ?俺もお花畑になろうかな?」


「キショいんでやめてください」


「ねぇ?ちょっとさっきから辛辣よ?」


「あ、私そろそろ帰りますね。じゃっ!!!」


「あっコラ!はぁ…なんであんなに足速いんだよ…ま、由香ちゃんも元気出たっぽいし、俺も大人しく帰りますか…」


そう呟いて、由香に続き孝宏もそっと公園を後にするのでした。

これで、なんとなく孝宏の行動の理由が説明できたんではないでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 3話目の英隆が学校休むと帰って来た時の母親の対応が理解出来た点。あそこは普通なら由香を休ませる事はまず無いから。 [気になる点] 孝宏の英隆が昔まで頭お花畑だったという表現だ。 昔までとは…
[良い点] それぞれのエンディング見れて楽しいです
[一言] まあそりゃそうだ 誰だって感情はある
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