閑話~勇者召喚された者達(後編その1)
長文な為、2つに分けました。
苺花side
私の名前は「鈴鳴苺花」で高校3年生です。
親友の日向の幼馴染みの彼氏が交通事故で亡くなってから半年近く経ったある日、私達は今日の授業が終わって、それぞれが、部活や委員会や帰宅の準備をしている時に、「ソレ」が起きた。
一瞬で教室内全てが目を開けられない程の光に包まれた思ったらクラスメート全員が知らない場所に居た。
私は直ぐに智哉を探して近くに居たから、一先ず安心して声を掛けたわ。
「智哉。」
「苺花、無事か?」
「ええ。私は大丈夫よ。智哉は?」
「オレも大丈夫だ。」
「智哉、これはどういう事なの?」
「オレも分からない。でも、もしも、オレのバカげた妄想が当たっていた場合は、大変な事になる。」
「……智哉。」
そして、私達の前に中世ヨーロッパの歴史とかの資料でしか見ない様な格好をした人達が、説明を始めた。
私は、その説明を聞いて愕然とした!
だって、私達はこの異世界に召喚されて、もう元の世界に帰る事が出来ない上に、この国の騎士の代わりに「魔王」と名乗る魔人族を倒して欲しいと言われたわ。
……ふざけないで!
でも、私の隣に居た智哉は冷静だったわ。
そして、向こう側は、1人1人に四角形の手鏡ぐらいの白い板を渡し回った。
渡し終わると、「この白い板に掌を当ててください。」と言われたから智哉もやっていたから私もしたわ。
すると、頭の中に「賢者」という言葉が浮かんだ。
すると、向こう側の説明が入って、頭の中に浮かんだ言葉は、私達1人1人に与えられた「称号」で、その称号が私達の「力」を示す言葉らしいわ。
周りの色んな所から、「オレは剣士だ!」とか「私、女優よ!」とか「やった! 魔法使いだ!」とか「……暗黒騎士だ。」とかを言っている中で、神埼君は「勇者」で、真城さんが「聖女」で、半間君が「拳聖」で、入谷さんが「大魔導士」で、北条君が「聖騎士」と言っていて、それを聞いた向こう側は凄く喜んでいたわ。
私も伝えようとしたら、智哉が私の称号を聞いて来たから教えると「僧侶」だと自己申告する様に言われたわ。
理由を聞いたら、そうしないと私が危険な目に会うかもしれないと言うから、智哉の言う通りに向こう側には称号は「僧侶」と答えた。
智哉は「魔戦士」らしいけど、自己申告は「戦士」と答えていたから、きっと大事な事なんだろうと思う。
中学からの親友の日向の家にお邪魔した時に、智哉はファンタジー系の本ばかり読んでいたしね。
私は「異世界恋愛物」ばかりを読んでいたわ。
そして、説明が終わると同じクラスの神埼君が「ボク達は、貴方達に協力します!」と、クラスの代表でも無いのに、皆に何も相談せずにそんな事を言った。
向こう側も、私達の事を知らないから神埼君を私達の代表と勘違いしたみたいで、神埼君を私達の代表として接したわ。
そんな中、智哉が「今は大人しく従う振りをして、この世界の常識や知識を学ぶ事を優先しよう。」と言われたから私も大人しく従う振りをした。
この後、チーム分けが始まり、神埼君達は「勇者パーティー」だとか言っている中、私は智哉と、仲の良い星羅と詩乃と愛紗の5人でチームになったわ。
そうしたら、智哉がボソッと「苺花に他の男が近付かないだけマシか。」と言っていてちょっと嬉しかった。
そして、チーム分けが終わると私達の毎日を世話する専属の人を紹介されたわ。
私達の専属の人は、中学生くらいの女の子で親しみ易い雰囲気で可愛くて綺麗だから、ほんのちょっぴり警戒したんだけど智哉はデレるどころか、若干、強張っていた。
後で、部屋で私達だけになった時に聞いたら、あの女の子は、私達の世話をしながら、同時に向こう側に私達の事を密告する「監視者」だろうと言われたわ。
そして、次の日から戦闘訓練が始まった。
毎日が大変だったけど、智哉が私だけではなく星羅達も励ましていたから頑張れたと思う。
休日には専属のサリーナとお茶会を開いて一般常識を教えて貰ったり、第3皇女リリーシュ殿下がお茶会に乱入したり、図書館に行って知識を吸収したりした。
私は不思議に思って智哉に、「何故、異世界の言葉が分かって読み書きが出来るの?」と聞いたら、「オレも分からないけど、今の所は問題ないから大丈夫だと思う。」と言ったから私もそう思う事にした。
……そして、運命の日が来たわ!
私達クラスメート全員が一丸となって戦った事で見事「魔王」を倒したわ。
だけど、その戦いの最中、クラスメートの中の5人が行方不明になった。
何か悪いイメージをしてしまう称号の「暗黒騎士」とかのチームだったわ。
無事だと良いんだけど。
その後は、向こう側は私達の希望を可能な限り聞いてくれたわ。
智哉は、この帝国から出る事を提案したけど、星羅が残った方が良いと言ったから残る事にした。
私達は、適材適所で頑張りながら、たまにお茶会でサリーナやリリーシュと過ごしていたら、私達は「再会」を果たしたわ!
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