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閑話~勇者召喚された者達(前編)

勇者召喚がメインでは無いから、サクッと行きます。


「あれ? 此処は何処だ?」

「成功したぞ!」

「おめでとうございます、第1皇女殿下。」

「ありがとう、ザラク宰相。」


 いきなり、教室が目も開けられない程に眩しいと思ったら、いきなりこんな場面だ。


「智哉。」

「苺花、無事か?」

「ええ。私は大丈夫よ。智哉は?」

「オレも大丈夫だ。」

「智哉、これはどういう事なの?」

「オレも分からない。でも、もしも、オレのバカげた妄想が当たっていた場合は、大変な事になる。」

「……智哉。」


 そして、オレの「バカげた妄想」が現実になった。

 ファンタジー系ラノベの特徴の1つ「勇者召喚」にオレ達は選ばれた様だ。

 ある日に「魔王」と呼称する魔人族が現れて、この帝城を襲撃された。

 何とか追い返したものの、被害は大きく、次の襲撃には耐えられない。

 そこで、(いにしえ)の秘術で、異世界より召喚する「勇者召喚」を敢行された。

 それが、オレ達だった。

 苺花の親友の西条の影響で、オレもラノベを読む様になったお陰で、今回の場合の最悪の事態も冷静に想定出来た。

 幸いにも、何らかの理由を付けられて、首輪や腕輪や首飾り等を強制されて着ける事はなかった。


 そして、周りに相談も無く、サッカー部のストライカーの神埼が「ボク達は、貴方達に協力します!」と言いやがった。

 異世界に浮かれているのか、クラスメートのほとんどが神埼に賛成した。

 オレと苺花は、本当に此処が異世界なら、先ずはこの世界の常識と知識が必要だから賛同する振りをした。


 そして、皆の称号の確認が始まった。

 称号が、「料理人」だったり、「豊穣の導き手」だったり、「細工師」等が出る中、神埼翔琉(かんざきかける)が「勇者」で、真城鈴柰(ましろりんな)が「聖女」で、半間悠司(はんまゆうじ)が「拳聖」で、入谷美結(いりやみゆ)が「大魔導士」で、北条恭司(ほうじょうきょうじ)が「聖騎士」だった。

 そして、「暗殺者」や、「暗黒騎士」等の悪いイメージの称号を持つ生徒が5人居たりした。


 オレは、「魔戦士」で、苺花が「賢者」だ。

 更に、その称号は他人は見る事が出来ず、自己申告だったから、オレは「戦士」で苺花は「僧侶」と自己申告した。


 称号の自己申告に因る発表会が終わると、チーム決めが始まった。

 神埼、真城、半間、入谷、北条は、そのまま勇者パーティーとなり、称号が暗殺者等の悪いイメージの5人もそのままパーティーを組んだ。

 オレと苺花に、苺花と仲が良い女子の「不動星羅(ふどうせいら)」と「服部詩乃(はっとりしの)」と「羽織愛紗(はなおりあいさ)」とパーティーを組む事になった。


 因みに、星羅の称号は「星詠術士(ほしよみじゅつし)」で、スキル的な内容は、夜とかに星を視る事で、この先の淡い吉凶が分かる事と、戦闘面では、対象1人に動きが若干鈍る程度の重圧が掛けれる事だ。


 詩乃の称号は「狩人(かりうど)」で、スキル的な内容は、罠設置や罠解除に、薬草と毒草の調合が出来て回復薬や毒薬を作れる事と、戦闘面では、短剣と弓矢が上手く使える。


 愛紗の称号は「豊穣の導き手」で、スキル的な内容は、植物の成長を促す事が出来て、戦闘面では、植物を操る事が出来る。


 オレは、完全に戦闘面だけで、苺花は、攻撃魔法や回復魔法に、補助魔法も使える万能型の魔法職だ。


 そうして、戦闘型の者達はパーティーを組み、非戦闘職は裏方に回る事になった。


 そして、称号等についての説明がされた。

 この世界に生きる者達にとっては、一部を除いてそれ程重要ではないが、「勇者召喚」に因って召喚されたオレ達は別らしい。


 称号の意味が、そのままオレ達の力となって影響が出るらしくて、「魔法使い」なら、無条件で魔法が使える様になり、「戦士」なら、知らない筈なのに、戦い方を知っていたかの様に動けるれしい。


 非戦闘職の生徒は、その称号が示す仕事をやる事になった。

 例えば、称号が「料理人」なら、王城の調理場で働く事になったり、「細工師」なら、王宮御用達の宝飾店の細工師に弟子入りしたりした。


 そして、改めて今後の話を聞き、パーティー毎に解散となるのだが、帝国側から生活する上でのパーティー毎のサポーターが就いた。

 神埼らの勇者パーティーは、第1皇女ベアトリス殿下が担当し、高位の戦闘職パーティーから順に、公爵令嬢、侯爵令嬢と続き、オレ達は子爵令嬢のサリーナ=レシア=ダージリンが担当になった。

 後で教えて貰ったんだけど、このサリーナは、実は第3皇女のリリーシュ殿下と幼馴染みらしい。


 そして、次の日から戦闘訓練が始まった。

 最初は基礎体力作りから始まり、慣れてくると本格的に対人戦闘の訓練が始まったが、本当に「称号」の力で戦い方を知らない筈なのに、ある程度は動けて戦えた。

 そんな毎日の中で休日は、図書館に行ったり、サリーナと談笑したり、そこにリリーシュ皇女殿下が乱入したりしていた。


 そして、運命の日は来た!


 自らを「魔王」の名乗る魔人族との戦闘が始まったのだ。


 ……何とか、数で押す事で誰も犠牲にならずに倒す事が出来たのだが、称号が「暗殺者」等の悪いイメージを持つパーティーの5人が、行方不明になっていた。


 帝国側は、ラノベにありがちな悪人という事はなかった。 

 オレ達の前では、誠実に接してくれていたと思う。

 まあ、ハニートラップは有ったみたいだけど、魔王を呼称する魔人族を倒した後は、オレ達の要望を可能な限り聞いてくれたしな。

 何人かは、帝国の貴族に嫁や婿入りが決まっているみたいで、オレ達にも声を掛けられたが丁重に断った。


 オレとしては、政治利用から逃げる為に、帝国から出る事を提案したが、「星詠術士」の星羅が、まだ帝国に残る事が「吉」と言ったから帝国に残る事にした。

 オレは帝国の騎士達に対人戦の相手をしたり、苺花は、オレと一緒に訓練所に行って、怪我をしたオレや騎士達の治療したり、星羅は、サリーナを通して第3皇女リリーシュ殿下に助言をしたり、詩乃は、回復薬や毒薬の研究をしていたり、愛紗は、畑とかの土壌改善の研究をしている。


 そんなある日……


「久しぶりだな、智哉に苺花。」




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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