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造作もございません。

次回は閑話です。


 俺の回復魔法「復元再生(フルリバース)」で、リセラの怪我は完全回復した。


「……え!」

「はい、完治。」

「……嘘!? 四肢欠損並みの怪我を治した……」

「良かったな。」

「……ありがとう、レキウスさん。」

「良かったわね。」

「ありがとう、ヒナセーレさん。」

「良かったですね。」

「ありがとう、リンちゃん。」

「良かったね。」

「ありがとう、フィリアちゃん。」

「良かったですわね。」

「ありがとう、ロゼさん。」

「それじゃあ、誓約魔法で封じたけど、この魔法は秘密にしておいて欲しい。」

「はい。」

「今日いっぱいは、念のために静養しているんだ。」

「分かったわ。」


 そして、俺達が笑顔で外に出た事で、村人は一斉に中に入っていった。


 俺達は、リセラの万が一の為に、1泊する事にしたのだが宿屋の部屋でヒナは話した。

 後、リンとロゼにも居て貰っているし、知って貰おうと思う。


「レキが亡くなってから約半年後に、神隠し事件が発生したの。」

「そうなのか?」

「ええ。しかも、1クラス丸ごと、ね。」

「……まさか!?」

「ええ、そうよ。神隠しにあったクラスの中に、『鎌倉瑞樹(かまくらみずき)』に、『植松達哉(うえまつたつや)』に、『連妙院理穂(れんみょういんりほ)』が含まれているわ。」

「……と、いう事は……」

「高校3年のクラス替えで、あの2人は違うクラスになったの。」

「……まさか!? 智哉(ともや)か!」

「うん。苺花(いちか)もよ。」

「……帝国には出来るだけ早く行こう。」

「ありがとう、レキ。」


 そして、空気に徹していたリンが発言した。


「レキウス様。今の会話はどういう意味でしょうか?」

「実はな……」


 リンとロゼに、洗いざらい全て話した。


「それでは、レキウス様は神の使徒!」

「「それは違う!」」


 ヒナとハモった。


 昨夜は、リンに納得させるのはかなり骨が折れたが何とかなって、ロゼは、「やっぱり。」という顔をしていた。

 あの顔の意味を何時かは聞こう。

 そして、別部屋で休ませていたテイマーのサンナは、俺達と同じ馬車で、帝国の3バカ騎士は、護送用の馬車で移動する事にした。

 勿論、武器や鎧や所持品等は没収済みだ。


「レキウスさん。ヒナセーレさん。この村を守り、私を大怪我から助けてくれてありがとうございます。」


 リセラと別れの挨拶を済ませ、王都に向かった。


 3日後には王都に到着して、アリウスに話を通して2日間の事務処理を済まして3バカ騎士は、アリウス預かりになり、万が一を封じる為に、サンナは俺の奴隷となって、メイド見習いとしてメイド長アンナに丸投げして、長期の留守の可能性をアリウスとアンナ達屋敷の皆に伝えた後、俺達は帝国に向かって旅立った。


 途中、ワイバーン5匹と遭遇して綺麗な形で討伐したり、移動中のオーガの群れ20匹と遭遇したりしたが、4匹をフィリアとロゼの近接戦闘の練習台にしたりした。


 普通なら3週間以上掛かる移動を夜も続けた結果、5日で帝都に到着した。

 クロードが結界を張り、セイルが「龍の覇気」でモンスターを近付けさせなかったお陰だな。

 馬車の馬も、馬頭鬼だから夜の方が強いしな。


 そして、大通りから1つ入った路地で、隠れ家的な宿屋があったから3部屋取り、集まって明日からどうするかを話し合った。


 先ずは、クロードに結界を張って貰い、移動中の討伐のお陰で、俺は天妃(てんこう)を召喚する事が出来た。


「初めまして、レキヤ様。私は天妃(てんこう)と申します。

 幾久しくお願い申し上げます。」

「よろしく、天妃(てんこう)。早速だが、天妃(てんこう)の権能を教えて欲しい。」

「はい。本分は、海の、特に(しお)の流れ等を司りますが、それ以外にも、名前から分かる通り、(きさき)、つまりは、妻に関する権能もございます。主に守護の力です。」

「分かった。早速で悪いが、ヒナ達に守護を掛けて欲しいが、出来るか?」

「造作もございません。」


 天妃(てんこう)がそう言うと、ヒナ、リン、フィリア、ロゼの身体が淡い光に包まれた後、その淡い光は消えた。


「これで、無意識や無自覚、そして、無防備な状態の時でさえ、毒や麻痺から始まり、精神支配や死の呪いさえ弾くでしょう。」

「ありがとう、天妃(てんこう)。」

「恐れ入ります。」


 因みに俺は天妃(てんこう)を召喚出来る様になった時から、天妃(てんこう)の権能が使える様になっているから問題ない。

 オートで毒等から守られる。

 そして、太裳(たいじょう)の服も全員分が出来た。

 冒険者用や貴族服も、な。


 次の日から、手分けして情報収集をした。


 その結果、1年前に悪の道に走った魔人族が帝城を襲ったが、何とか追い返したものの、被害も酷く、帝国は「勇者召喚」に踏み切った。

 その数は、42人。

 そして、帝国は、この勇者召喚で喚ばれた42人の少年少女に事情を話し協力を仰いだ。

 ……後はまあ、お決まりだな。

 クラスの陽キャのイケメンがリーダーシップを発揮してクラスを纏めて、「頑張ろう!」となったらしい。

 因みに、勇者召喚された者は、全員無条件で基本スペックは、3倍から20倍まで上がる。

 称号が「料理人」等の非戦闘職でさえ3倍で、「勇者」や「拳聖」や「聖女」等のアレな称号を持つ者は、20倍まで上がるみたいだ。

 3ヶ月前に、悪の魔人族が再び襲って来るまで、戦闘訓練に明け暮れ、見事に倒したみたいだ。

 帝国は正式に魔人国に抗議文と賠償請求をし、勇者召喚された者達に可能な限りの保障や優遇をしたみたいで、そのまま帝国の文官や武官になった者や大商会に就職した者達、そして、冒険者になった者達と分かれた。

 そして、この襲撃で行方不明となった5人が、未だに見つかっていないらしい。

 それと、悪の魔人族の1回目の襲撃は、帝城の宮廷魔術師の魔法実験の失敗で、2回目の襲撃は、帝国のより発展を願い召喚した異世界の勇者の歓迎会の余興で起きた事と、誤魔化したみたいだ。

 実際に、帝都の平民へのお披露目会では、暗雲を呼び大落雷を披露した事で、平民も納得したらしい。


 何故、此処まで詳しいかというと、何処にでも居るんもんだよなぁ。

 自身の身分や立場を無視して、フットワークが軽くて動き回る女性が。


 つまりだ……

 帝国の第3皇女「リリーシュ=ワイズ=サリアベルク」が、情報提供者で、専属侍女を見事に振り切った彼女は早速、帝都見物を始め、そして、見事にチンピラに絡まれ、俺達が助けたら懐かれて、帝都の内情を聞いてしまった。


 さらに、皇女(14歳)からの膝を突いての上目遣いのお願い攻撃が来た。


「騎士となった勇者達が次第に傲慢になり、それなりの人的、物的被害が出ている、だから手を貸して欲しいと。」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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