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召喚主よ、貴方の名は?

レキウスとしての才能がやっと覚醒しました。

そして、同じ召喚士に認められたら、「召喚術士」から「召喚士」と名乗れます。

「初めまして。レキ君の母親の妹のシーナです。」

「ある人から譲り受けた俺の信頼する仲間です。」

「ハクガだ。」

「私の名はセイルだ。」

「アタイはシュナよ。」

「クロードじゃ。」


 そして、シーナには4人の簡単な説明をした。

 ハクガは、風属性の魔法と格闘戦が得意。

 セイルは、水属性の魔法が得意な剣士。

 シュナは、火属性の魔法が得意な槍使い。

 クロードは、土属性の魔法と結界等が得意だと。


 そんな前振りをした上で、クロードに多重結界を張って貰った。

 しかも、密かにセイルにもお願いして、クロードとセイルには大真面目に結界を張って貰い、シュナには密かにシーナの守りを、ハクガには、前回同様に、ヒナとリンの守りをお願いした。

 そして、スズカには、結界の外側の警戒をお願いした。


 召喚の準備が整い、いよいよ召喚だ。

 勿論、召喚の魔法陣は俺が改良した方で、当然シーナさんの了解を貰っている。


 今回は、前回みたいな「挑戦」ではなく、教科書通りの「型」に合わせた召喚だ。

 実は、シーナさんに教わる事で知ったんだけど、この世界の召喚は「3種類」存在する。


 1つ目は、誰かから譲り受けた従魔と契約して自身の従魔にして召喚する。

 2つ目は、召喚士の居ない従魔や野生のモンスターに対して従魔契約を結び自身の従魔にして召喚する。

 3つ目は、召喚魔法陣を使っての「0」から自身の従魔を構築し従魔にして召喚する。


 そして、ヤエはこの3つ目の方法で召喚された。

 しかも、召喚の時の呪文をそうなったら良いなぁと軽い気持ちでアレンジしたら、見事に神話の八岐大蛇を構築して召喚してしまった。

 だから、玄武たるクロードが結界を追加し、セイルも攻性結界を張る事になった訳だ。


 更に言うと、召喚士は、3つ目の方法で召喚した存在を従魔にした時に、初めて同じ召喚士から一人前扱いになる。

 理由は、1つ目と2つ目は、「テイマー」でも出来るから。


 さて。

 始めますかな。

 俺は皆の顔を見る。

 そして……


「世界の(ことわり)(くさび)に、我の求めに(こた)えよ!」


 召喚の呪文を唱え、魔法陣に魔力を流す。

 今回、召喚するのは初歩中の初歩の「鳥型」の従魔だ。



 ………………………………カチッ!



 ……え!?


 今の感覚は何だ!?


 ……アレ?

 前回と同じ様に魔力が魔法陣に流れていく。


「レキ!」


 ヒナの声でやっと魔力を流すのを止められたが、8割は持って行かれた。


「レキヤ様! 上を!」


 スズカが俺の名前を呼んだから、言われた通り上を見るといつの間にか暗雲が立ち込めていて、しかも稲妻が走っている上に、若干だが地震も起きている。

 確かに、召喚に使った魔法陣は、魔力許容量は際限無しになっているが、それ以外はありふれた魔法陣だ。


 それが何故!


 そして、魔法陣から白と黒の光を放ち、その後は、金色と青色の光を放った。


 そして、魔法陣を見ると「何」かが居るから、召喚自体は成功したみたいだが、あの大きさは「鳥型」じゃないよな?

 人で言ったら、中学生くらいか。


 煙で見えないが、俺は魔法陣の中央に居る「何」かに近付くと、その「何」かは、人型の様だ。

 そして、煙が晴れる。

 多分、ハクガがやったのだろう。

 視界が明瞭になって俺が見たのは、「猫が丸くなって寝ている。」が1番イメージが近い格好で寝ている胸部装甲がかなり厚い少女だった……


「……え!?」


 俺のこの声で目が覚めたのか、その少女は俺の事を気にせずに「んー。」と伸びをした後、俺を視認した途端に笑顔で抱き付いて来た。


「……ええええええーーー!?」


 そして、この声で周りも正気に帰ったのか、シーナさんが叫んだ。


「……レキ君! とりあえず、名前を付けて!」


 ……そうだった!

 召喚したら名前を付けないと、召喚された存在は何をするか分からないんだった!


 ……えぇと……名前は……


「君の名前は、『フィリア』だ。」


 名付けた途端に、フィリアは俺から3歩下がり膝を突き自我を失った顔で機械的に言った。


「召喚主よ、貴方の名は?」

「レキウス。」

「召喚主の名と我が名を(もっ)て、存在する為の楔は打ち込まれた。この先、何が有ろうとも、この名が存在()る限り、召喚主に従い寄り添い、未来永劫を歩まん。」


 そして、フィリアの目に光が戻り、笑顔で抱き付いて言った。


「レキウス。これから幾久しくよろしくであります。」


 俺の後ろに居たシーナさんが言葉を溢す。


「……嘘……で……しょう!?」


 シーナさんは、召喚された従魔専用の所謂(いわゆる)「鑑定」の魔道具でフィリアを見ていた。


「……信じられないわ。属性が『混沌』で種族が『魔神』ってどういう事よ!」


 このシーナさんの言動で逆に冷静になった俺は、異空間収納からフィリアでも着られる服一式を出して着て貰った。

 そして、皆に目線を送ると、クロードとセイルは結界を解き、ハクガとシュナとスズカは警戒を解き、空も青空が広がっていた。


「それは楽しみであります。」


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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