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レキ、私も行きたいな。

偶像の裏側は見たり知るもんじゃないです。

 あの後、少し雑談をして解散になったが、勿論、ヒナは俺の馬車で送った。

 フローラ嬢は文句を言っていたが、俺がこの役を譲る訳ないだろ。

 途中、ヒナがうたた寝をして俺の肩で寝てくれるのは嬉しかったが、涎が垂れていたのはヒナには秘密にしている。


 商会に到着して、久し振りに会ったヒナのお父さんと商会長のヒナの叔父さんには、向こうがどんな行動するか分からないが、子爵家よりも爵位が高い貴族が介入するから大丈夫だと言うと安心した様だ。


 翌日


 学園に行き、合格発表を確認した。

 ヒナと一緒に行こうと思っていたのに、フローラ嬢に先を越されていたよ、ちくしょう。


 掲示板の合格表には……


 1位 レキウス=フォン=レイロード 99点

 2位 フローラ=ネイス=ライロード 98点

 3位 レセライク=バァン=エセライフ 95点

 4位 リアセイカ=クリメ=アルリバス 94点

 ↓         

 ↓

 8位 ヒナセーレ=レイディア 89点


 と、なっていてAクラスに。

 因みに、ヘカートは、24位でBクラスだ。


 そして、Aクラスの上位貴族の令息令嬢は家の期待通りに、Aクラス入りを果たした。


「まさか、私が負けるなんて。」

「まあ、偶然だよ。」

「レキ、凄いね。」

「ありがとう、ヒナ。」


 俺達は、合格したから受付に行き、入試試験証と交換で教科書や制服を交換する事になっている。

 俺達の番が廻って来た。

 順番は、俺、フローラ嬢、ヒナとなる。


「あ、レキウス君ですね。貴方は首席ですので、入学式で新入生代表挨拶が有るから考えておくようにね。それと制服とか、それ以外でも何か不備が有れば必ず言ってね。」

「え!?」

「言っとくけど、私を担ぎ出そうとしても無駄ですわよ。学園の規則は学園が決めたんじゃなくて、学園を建てた当時の国王が決めた規則だから、文句言ったら、現在の王族への批判になるわよ。」

「……分かりました。」

「「「よろしくね。」」」×フローラと受付

「レキ、頑張って!」

「ヒナ~。」


 こうして、合格発表後の手続きは終了した。

 ……ヘカートが睨んでいたが気付かない振りを無視した。


 3日後


 王立学園の新入生の入学式だ。

 ……この3日間は結構忙しかったし疲れた。

 合格発表の次の日には、バードン子爵邸に行き、ヒナとヘカートについて話をしに行った。


「ヒナセーレ=レイディアに関しては、レイロード辺境伯のお祖父様から全権委任されています。因って、ヒナセーレ=レイディアに関する俺からの言葉は、全てレイロード辺境伯のお祖父様の言葉だと思ってください。」

「はい。」

「まだ内々だった為、公表はしていませんが、俺とヒナセーレ=レイディアとの婚約は数年前から決まっていました。」

「はい。」

「ですから、ヘカート君の勘違いは仕方ないとします。」

「はい。ありがとうございます。」

「ですが、バードン子爵様、貴方も知った以上は分かりますね?」

「はい。ヘカートには充分に言い聞かせておきます。」

「よろしくお願いします。」

「はい。」


 バードン子爵邸を後にしたけど、これで大丈夫だろう。


 次の日には、学園から使いが来て、修理代が白金貨3枚を越えたらしい。

 学園はあの場所に何を使ってたんだよ。

 俺への請求書には、数日前に討伐した盗賊の討伐報酬とアジトから没収した財宝の合計額ぴったりだった。

 ……ちくしょう!

 折角、ヒナにドレスを買ってあげようと思っていたのに。

 年中行事のリストを見たら、ダンスパーティーが有ったから考えていたのに。

 手続きとかで学園に行ってややこしい書類を処理して疲れたよ。


 次の日、つまり昨日


 フローラ嬢がヒナも巻き込んで、今年の新入生の上位貴族の令息令嬢とフローラ嬢が送り出した平民合格者達を連れて屋敷に来た!

 上位貴族が、事前連絡無しに来るなー!

 俺は大慌てで準備をし、俺の歓迎会と合格祝いを「される側」の俺の屋敷で開催された。


 ライロード前公爵宛てに、フローラ嬢を褒め称える美辞麗句を添えて、一切苦情に繋がる言葉は書いてないが、そんな美辞麗句等を消して裏読みすると、「孫娘の教育をやり直せ!」になる力作を送った。


 返事が直ぐに来たが、内容は「だから、可愛い!」だった。

 ライロード前公爵とは1度しっかりと話し合う必要はあるが、話が分かる方の様だ。


 ……そんな訳で疲れた。


 入学式は滞りなく終わり、俺達はAクラスへと入った。


「え~。これから2年間、君達の担当になった『ダーカル=シュリスム』だ。」


 この後は、順番に自己紹介をして今日は終わった。


「レキウス様、ヒナ。この後、予定ある?」

「特に無い。」

「私も。」

「それなら、冒険者ギルドに行きたいですわ。お祖父様もお父様も学園に入学するまでは駄目って言われたのよ。」

「え~。」

「レキ、私も行きたいな。」

「良し。直ぐに行こう。」

「レキウス様~。」

「何をしている。置いて行くぞ、フローラ嬢。」

「は~い。」


 こうして、俺達3人は王都の冒険者ギルドに向かった。

 それと、フローラには学園の外では、「様」は要らないと伝えた。


 俺達は、フローラ嬢の馬車で向かったが、冒険者ギルドに向かう馬車の中では……


「もしかしたら、憧れのSランク冒険者パーティーの『暁の光』に会えるかもしれないですわね。」

「憧れ?」

「ああ、レキウスは辺境伯領に居たから知らないわよね。冒険者パーティー『暁の光』は、最近Sランクになったのだけど、Sランクになる際に、華々しい成績を納めたのよ。レッドドラゴンの単独パーティーでの討伐。南の村で大量発生したアンデッドの浄化。死病と言われた『毒竜病』の完治法の確定。どれも素晴らしい偉業よ。それに、戦士ダラン様の逞しさはどんな女性も無視出来ないと言われているわ。」


 ダランから告白してフラれた回数は100を越えたらしいけどな。


「魔術師イグル様は様々な攻撃魔法を操るけど、普段は物静かで思慮深き方。」


 油断して喋り過ぎると故郷の難解な方言が出るから必要以上に喋らないだけだ。


 フローラ嬢の称賛と俺の心の中での訂正がまだ続く。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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