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話しをしに来たわ。

伏線回収と、今後の布石をします。

 察した長が仲裁に入った。


「どうやら、込み入った話の様ですね。」

「あ! 失礼しました。」

「すまない。」

「お互いに戦いの後だ。暫く休んだ方が良いだろう。」

「……そうね。」

「歓迎の意を込めて夕食は宴会を予定している。だから、話はその後が良いだろう。どうかな?」

「分かったわ。」

「分かった。」


 そして、俺達は今夜宿泊する予定の家に案内されて、ルクールとその友人達で冒険の話等をして時間を潰した。


 宴会が始まり、長のラゼルスが「私はルクールの命の恩人を歓迎する。」と言って乾杯になり宴会が始まった。

 ……やはり、異世界だろうがエルフだろうが、酒が入ると駄目な奴って居る様で、どうやらこの世界のエルフはスレンダーが基本みたいだ。

 そうなると当然「そうでないエルフ」も居て、「この後、お姉さんと遊ばない?」と、柔らかいスイカ2つを俺の腕に当てながら話し掛けてくるお姉さんエルフが居たり、ヒナに絡んで来る屑エルフが居たりしたが、俺とヒナはお互いに撃退しながら宴会を楽しんだ。

 リンは獣人族だからか、良いも悪いも無く、ルクールの輪の中に入って笑い声が聞こえている。

 スズカは、酒は無理と言って断り、俺とヒナの世話をしてくれている。


 そして、ヤエが今回用意された酒を途中から全て呑み干した所で宴会は終了となった。

 流石は日本神話で、酒豪で名を馳せた八岐大蛇だ。

 ……ヤエは、何処かの主人公の仲間になった目玉の化け物と仲良くなれそうだな。

 酒呑み仲間として。


 宴会が終わり、用意された家である程度落ち着いた頃、シーナさんが訪れた。


「話をしに来たわ。」

「それで、母さんは俺にどんな秘密を持っていたんだ?」

「その前に人払いは良いの?」

「ああ。皆信頼している。」

「それなら話すわ。」


 内容は、母さんやシーナは召喚士の一族で、しかも長の娘で母さんはその中で「巫女」の地位だったが、いつの間にか、村が、母さん派とシーナ派に別れて争う様になり、母さんは村が荒れてシーナと争うくらいならと、村を出て行った。

 その後は、村を纏めた男性と結婚したシーナさんには娘が生まれて、その娘に「巫女」を任せて、シーナさんは母さんを探す旅を始めた。

 途中知り合ったエルフと仲良くなり、そのエルフの村にお世話になった時に、エルフと過ごす日々が楽しくて、母さんを探す旅を続けながら、エルフの村を渡り歩いていると話した。

 因みにシーナさんの旦那さんは、2年前に事故で亡くなっているらしい。


「それとレキ君には、召喚士としての教育をします。」

「何故?」

「私達一族は、代々男女問わず召喚士としての教育をしてきたわ。それは何故、男性には召喚が出来ないのかを追究してきたの。だから、レキ君だけ例外にする訳にはいかないわ。」

「分かった。それで、俺達は母さんの故郷に行かないといけないのか?」

「それは大丈夫よ。必要な知識や道具は全て私が持っているわ。」


 その後は、シーナさんはヒナ達と仲良くなり、俺はウェイターをした。


 翌日から、俺はシーナさんに召喚士としての教育が始まった。

 暇になったヒナ達は、ルクール達と狩りに行ったり、細工物をしたりと、エルフライフを送っていた。

 そんな中、俺はふと思い出して、マジックバッグから出すと見せ掛けて異空間収納から取り出した1冊の書物をシーナさんに見せた。


「……これは!」

「知っているのか?」

「勿論よ! コレは、盗まれた私達一族の秘宝の書物よ。何処で手に入れたの!」


 俺は説明した。

 とある冒険者ギルドの依頼を受けて、その時に拾ったと。

 そして、そこにはキメラキングが居て、その周辺には断定は出来ないが、とある他国の者達の身体の欠片が散りばっていたと。


「……キメラキングを倒したの!」

「ああ。」

「レキ君達は強いのね。……それにしてもやっぱり……」


 シーナさんは俺達が、キメラキングを倒した事に驚いていたが直ぐに険しい顔になった。


 聞くと、母さんが村を出て行く原因となった、村を二分した争いが起きる前に、1人の女性が村に訪れた。

 その女性は召喚士になりたいと言って来たが、最初は村としては拒絶していたが、居座り続けて、村に対しては誠実に真面目に接していた為に、最後は受け入れて村人同様の教育を受けていた。

 そんな中、母さん派とシーナ派に村が分かれ始めた。

 そして、母さんが村を出た事とシーナさんの未来の旦那さんが纏めた事で収まったが、その女性も居なくなっていた。

 そんな中、数年に1度行われる祭事に必要な書物を準備する段階で、その書物が無い事に気付いた。

 村総出で探したが見つからず、話し合いの結果、その女性が盗んだと結論付いた。


 そして、この時、俺が出した書物が、その書物だと分かった訳だ。


 俺は中身を暗記済みの書物をシーナさんに返した。


 3週間後、俺達はシーナさんと一緒に森の奥に居る。

 何故かというと、俺の召喚を試す為だ。

 ルクール達に迷惑を掛ける訳にもいかず、森の奥で召喚を試す事になったからだ。

 俺は万が一を考えて、シーナさんに近くの村に仲間を待たせているから迎えに行って来ると言ってハクガ達を召喚してシーナさんに信頼出来る仲間として紹介した。


 そして、森の奥にある少し開けた場所で、俺の召喚を試す事になった。


「……嘘……で……しょう!?」




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