……そう。君がそうなのね。
バカップル爆誕!
あんなに手を抜いたのに、壊れていたなぁ。
……白金貨3枚以下であります様に。
さて、掲示板に行こうか。
そして、朝の掲示板に行くと、黒髪黒目の美少女を守る金髪碧眼の美少女と、怒り顔のヘカートが居た。
あの子は!
成長しているけど間違いない!
「ヒナちゃん!」
俺の声に反応して、俺の方を向く。
「え!?」
「何を余所見している。最後だ。もう1度聞く。ボクと結婚すると言え!」
「……」
「ヒナ。大丈夫よ。最悪、家にお願いするから。」
「お前は誰だ? ボクとヒナセーレの邪魔をするな!」
「わ、私は! 私は、言いました。『お断りします。』と!」
「貴様ぁ。……良いだろう。パパに言って、あの商会を潰してやる!」
「なっ!」
「はい。そこまでだ。」
「お前は!」
「これ以上、俺の婚約者を苛めるのなら覚悟するんだな。」
「「「え、婚約者!?」」」
「ヒナちゃん、ひどいよ。数年振りに再会した婚約者を忘れたの?」
「……レキ? ……レキなの!」
「ああ。久し振りだね、ヒナちゃん。」
「……もう。私、立派な淑女なのよ、ちゃんは止めて。」
「分かったよ、ヒナ。」
「……。ボクを無視するなぁ!」
「危ない!」
ヘカートは俺を殴ろうとしたが、俺はヘカートを左回し蹴りでぶっ飛ばした。
「ぶへぁ……」
良く言うだろ。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてってな。
……え!?
どういう意味だ?
「レキ!」
「ヒナ。」
「大丈夫?」
「ああ。大丈夫だよ。それよりも、ヒナの方こそ、大丈夫か?」
「大丈夫よ。だって、レキが居るもの。」
「ヒナ……」
「レキ……」
「オホン!」
「あっ!」
「とりあえず、場所を移動しましょう。」
俺達3人は、王立学園の応接室の1つを借りた。
「さあ、話して貰うわよ。」
「話すが、その前に自己紹介をして貰えないか?」
「そうね。私は、『フローラ=ネイス=ライロード』よ。貴方は?」
「俺は、レキウス=フォン=レイロードだ。」
「……そう。君がそうなのね。」
「そうか。貴女がそうなのか。」
「え? え? 2人してどういう事?」
「ヒナ、ごめんね。こればかりは言えないの。」
「ヒナ、ごめん。言えないんだ。」
「む~。」
「「ヒナ。」」
「2人して頭ナデナデしても誤魔化されないんだからね。」
「ヒナ、あ~ん。」
「あ~ん。」
俺は、ヒナと喧嘩した時、何時も仲直りとして飴玉をあげていた。
「……分かったわよ。レキの意地悪。」
「ヒナのご機嫌な直った所で話そうか。」
「そうよ! レキはあの時に、死んだんじゃなかったの!」
「ヒナ。俺はあの日は、森に居て助かったんだ。そして、村で1人になった俺を助けてくれたのが、レイロード辺境伯のお祖父様なんだ。そして、養子縁組までしてくれて、今はレキウス=フォン=レイロードなんだ。」
「……そうなんだ。……良かった。本当に良かった。私、レキが死んだと思って……」
「ヒナ、ごめん。手紙を送れば良かったんだけど、返事が返ってこなかったから、ヒナも新しい場所で大変なんだろうと思って控えていたんだ。」
「……そうなんだね。」
「ヒナだって、あの馬鹿から、『ヒナセーレ』って、言われていたけど?」
「うん。此処、王都で暮らす為には住民登録が必要なんだけど、村での『ヒナ』だけでは駄目だったの。だから、今の私の名前は、『ヒナセーレ=レイディア』よ。」
俺は、フローラ嬢を見ると……
「本当よ。」
「そうか。」
「ヒナ。この人、レキウスが『レキ』なのね?」
「そうよ。」
「それじゃあ、次。俺からだ。」
「どうぞ。」
「ヒナとはどういう関係だ?」
「私が買い物で、何気なく馬車の中から外を見た時、ヒナがチンピラに絡まれていて、助けてからの縁で、今では親友よ。」
俺は、ヒナを見ると……
「フローラ。あの時はありがとう。」
本当みたいだ。
「それで、あの馬鹿はどうしますの?」
「子爵家当主には手紙を送っているから、どうするかは、その後だな。」
「レキ、ううん。レキウス様、ありがとう。」
「ヒナには、そう言われたくない。だから、今まで通り、レキと呼んで。」
「……分かったわ、レキ。」
「それに俺は学園を卒業したら、冒険者になるしな。」
「そうなの、レキ!」
「ああ。だから、養子縁組も『契約縁組』だしな。」
「え? 『継承縁組』じゃないですの?」
「ああ。だから、卒業すれば、貴族じゃなくなる。まあ、籍は残るみたいだけどな。」
「ねぇ、家に来ます?」
「継承縁組の話がないならな。」
「……ぶう。」
「まあ、卒業も今日の試験に合格してからじゃないとな。」
「ふっ。私、首席を狙っていますの。」
「そういえば、何故、ヒナは入学試験に出れたんだ。」
「お祖父様達への肩揉みで話が通ったのですわ。特例制度を作らせ、今回から導入させて、ヒナを入れる為に試験合格範囲内にいる平民を9人。可能性のある平民を10人。それらを誤魔化す為の平民10人を用意したのですわ。」
「また、無茶苦茶な。」
「ヒナと学園生活を送る為ですわ!」
「そこまで?」
「当然ですわ! だから、この1年、ヒナと一緒にびっしりと勉強をやったのですわ!」
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