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大きいが、それ以上に美しいな。

まあ、引っ張る必要は無いと思って、早々にネタばらしです。

 今日、最後の人生ゲームの敗者が決定して、これから罰ゲームを受ける時が来た!


「ああ。骨は拾ってやるからな、シャーロット。」

「……シャーロット、()きます!」


 ご、ご、ご、ご、ご……


「んきゅうううううう……」


 シャーロットは、屍累々的な状態になっていた。

 さて、最下位数は、俺1回でヒナを以前、誉め千切って周りに引かれた話をしたら、ヒナが撃沈した。

 ヒナも1回負けたが、仕返しとばかりに俺の真似をされて、俺も撃沈した。

 アリウスも、3回負けた上に、3回共、カテキョ6時間耐久だったが、日常だったから大した事じゃないと笑っていた。

 ……リンは、最下位無しで、見事に逃げ切った。


 そして!

 シャーロットは4回負けて、4度、アレを飲んだよ。

 正直、シャーロットは心が折れたと思っていたが帰り際の挨拶では、「次は勝ちます!」と、生まれたての小鹿の様に足をプルプルさせながら、青い顔で握り(こぶし)をして勇ましく宣言した。


 王都の屋敷に帰ると、そのまま執務室に連行されて、見ていたら首が痛くなるレベルに積み上げられた決裁待ちの書類がそこにあった。


 ……3日間、1日の内18時間を、俺は執務室で貴族の仕事をひたすらこなして解放された。

 この量は今回だけで、これからは大丈夫らしいが、俺は皆と逃げる様に、冒険の旅に駆け出した。


 とりあえず、ヤエの実力を確かめないとな。


 ……と、いう訳で、王都を南下したそれなりの深くて広大な森に来た俺達は、馬車を異空間収納に仕舞い、馬車の馬に化けていた馬頭鬼(めずき)は返還した。

 そして、更に奥に進み、クロードにお願いして、樹木には移動して貰い、それなりの広場が出来た。


「ヤエ。」

(はい、主様(ぬしさま)。)


 ヤエは俺が言わなくても分かっていたのか、自分から俺の肩から降りて俺達から距離を置き、擬態を解いた。


「……やっぱり八岐大蛇(ヤマタノオロチ)か!」

(はい。主様(ぬしさま)、そうです。)


 そこには、全長30mを超える身体の色や紋様はそのままの八ッ首の大蛇が居た。


「大きいが、それ以上に美しいな。」

(ありがとうございます、主様(ぬしさま)。)

「本当に綺麗だよね。」

(もっと誉めても良いわよ。)

「ヤエとの会話は俺としか出来ないのか?」

(いずれは出来るかと思いますが、まだ……)

「そうか。無理しない程度に頑張って欲しい。」

(分かりました、主様(ぬしさま)。)

「それで、ヤエ。その大きさが、本来の大きさか?」

(いえ。本来の大きさは伝承通りです。)

「……つまり?」

(主様(ぬしさま)が居られた王城を、この身で全て包む事も容易(たやす)いかと。)

「ヤエが、何故、日本神話を知っているんだ。」

(はい。それは、主様(ぬしさま)に召喚された際に、主様(ぬしさま)の知識も妾に転写されたからです。)

「……それなら、ヒナ達の自己紹介は要らなかったか?」

(いいえ。妾に転写された知識は、主様(ぬしさま)が学んだ知識のみで、思い出とかの記憶は転写されておりませんでした。)

「……そうか。」


 ……良かった~。

 黒歴史とかは、転写されていなかったか~。


「それじゃあ、その大きさは?」

(この広場に合わせました。)

「分かった。ヤエ、普段の姿になってくれ。」

(はい。)


 その後は、ヤエの能力を聞いたら、対象を決めて発動する「酩酊」という状態異常にさせたり、ドラゴンの様な炎のブレスを放てるらしい。

 後、ヤエの身体能力は、馬鹿げていた。

 移動速度は、本気を出したリンに50m走を1秒後に、ゴールする速さで、腕力的な部分では、直径30cmの木を切断した。

 そう!

 薙ぎ倒したんじゃなくて、「切断」した。

 勿論、薙ぎ倒しも出来るし、絞め千切る事も出来る。

 最後に、蛇系なら何処まで出来るか分からないが、操る事が出来るらしく、視覚も共有する事が出来るらしい。

 試しに、近辺に居たビックスネークを捕まえて試してみたら、俺もヤエを通して見る事が出来た。

 ……これなら……

 ……って、急に寒気が!


「レキ、分かっているわよね。」


 ヒナが、笑顔になっていない素敵な笑顔で話し掛けて来たが、意味を理解した俺は「はい!」と答えた。


 ……なんでバレたんだろう。


 まだ有るみたいだが、ヤエが「時が来たら」と言うから()めておいた。

 まあ、無理に聞く必要も無いだろうしな。


 そして、(つい)でに近辺のモンスター狩りをして、そのまま深い森を抜け、馬車を出して馬頭鬼を召喚して馬役をして貰い、南へ移動を開始した。


 ある程度進むと、街道に出たから街道で南下する事にしたのだが、実はハクガ達は今、返還していて馬車には居ない。

 何でも、他の十二天将の何人かがそろそろ目覚めそうらしくて、そっちに行っている。


(主様(ぬしさま)。)

「分かった。ヒナ、リン。臨時収入(とうぞく)だ。」


 7分後、俺達は処理を済まして、貯金箱(ためたおたから)を取りにアジトに向かっている。


「……此処か。」

「そうみたいね。」

「レキウス様、どう行かれますか?」

「そうだな。……ヤエ、頼めるか?」

(主様(ぬしさま)、妾にお任せください!)

「言っとくけど、使うのは『酩酊』だけな。後、捕まっている人が居る可能性もあるから気を付ける様にな。」

(はい! 行って参ります。)


 20分後、貯金箱(ためたおたから)を回収して、赤い液体を垂らす丸いナニかを専用の袋に入れ、マジックバッグに仕舞う。


 ……そして、最寄りの町「アスカロカ」を目指している。




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