キメラキングを討伐したのですか!
新年です。
去年、読んでくださった方々、応援してくださった方々、ありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
あ、何かが、「ヤエ」と繋がった。
(主様~。)
「……え!?」
(主様~。妾です!)
「……もしかして、ヤエか!」
(はい! 主様に召喚された。そして、名前を与えてくださったヤエです。)
「レキ、何独り言を言っているの?」
「ヒナには聞こえていないのか?」
「うん。もしかして、召喚した蛇と話していたの?」
(この女子は何者ですか、主様。)
「ヤエ。彼女は、俺の幼馴染みで婚約者の『ヒナ』だ。」
「初めまして。レキの幼馴染みで婚約者のヒナよ。
よろしくね、ヤエ。」
(主様の番なら仕方ないわね。仲良くしてあげるわ。)
「仲良くしましょう、だって。」
「……レキウス様。」
「ヤエ。彼女は俺達の仲間のリンだ。」
「リンです。よろしくです。」
(よろしくね。)
「リン。よろしくだって。」
「レキヤ。」
「ヤエ、紹介するよ。……まあ、この4人は、ヤエの先輩みたいな感じかな。」
「ハクガだ。」
「クロードじゃ。」
「シュナよ。」
「セイルだ。」
(ぴっ!)
「どうした?」
(最後の人には逆らったらいけない様な緊張感がしたの。)
「……ああ。セイルは『龍』だもんな。『蛇』は、『龍』の眷属だと言われているもんな。」
でも、そういう気持ちになるという事は、この白蛇ヤエは東洋系だという証拠だな。
……つまり、あの召喚で、文字通り「世界」の次元を超えて来たという事に………………なる!?
もしかして、この白蛇ヤエも「只」の白蛇じゃないかもな。
それも、名付けに浮かんだ「あの蛇」が関わったりして無いと良いんだけどな。
……まさかな。
「レキ。」
「ん、ああ。それじゃあ、帰ろうか。」
(主様~。)
ヤエが、所謂、念話系で俺を呼ぶと足から胴体と、俺の身体を廻りながら登り、肩に乗っかると落ち着いたみたいだ。
(良い眺めだわ。)
こうして、俺達は依頼達成の報告をする為に、ザナルザンドの街に戻り、冒険者ギルドに報告した。
「キメラキングを討伐したのですか!」
「……声が大きい。」
「失礼しました。」
もう手遅れだけどな。
「ちょっと待て。」
……ほらな。
「お前みたいなガキが、キメラキングを討伐?」
「ああ。」
「ガキ共が集まってする騎士ごっことは違うんだぞ!」
「ガリナさん。彼らはCランク冒険者です。」
「どうせ、周りの奴らに寄生したんだろう?」
「……はぁ。受付嬢さん、行きましょうか。」
「何処に、ですか?」
「ギルドの練武場です。この手の馬鹿は、口で言っても頭じゃあ理解出来ないからな。」
「ガキが……」
「来いよ。叩き潰してやるよ。」
「……良いだろう。」
10分後には、練武場の土に抱擁している、先程の馬鹿が居た訳だが、当然、楽勝で勝ち、ガリナという馬鹿は俺の口車に乗せられてギルドの1週間の無料奉仕をする事が決定した。
俺達は、慈善事業の手伝いが出来て良かったと思いながら、解体場に行き、キメラキングを出し、解体場のおっちゃん達を驚かせ、ギルドの酒場で待つこと30分後に査定が終わったという事で、受付嬢に呼ばれた。
「大変申し訳ありませんでした。」
「何に対しての謝罪かな?」
「依頼の討伐対象がキメラではなく、キメラキングだからです。私達の調査不足でした。」
「うん。その事でギルドマスターに話があるんだ。今、大丈夫か?」
「……少しお待ちください。」
5分後、先程の受付嬢に案内されて、2階の応接室に待っていると、妙齢の美女と先程の受付嬢が入って来た。
「受付嬢から話は聞いたわ。」
「ギルドの調査は間違っていない。最初は間違いなくキメラだった。」
「最初は?」
「ああ。信じられない事に、ギルドの調査から、実際に俺達が依頼を受けている間に、キメラキングに進化していた。」
「なっ!?」
「詳しい理屈は分からないが、現場にはこんなモノが落ちていたよ。」
俺は、あの時に拾った食べ残しから、幾つかの分かり易い氷漬けを出した。
「……コレは?」
「現場に残っていたモノだ。」
ギルドマスターは、しっかりと氷漬けにされた証拠を確認している。
「ご覧の通り、推測が当たっていた場合は、笑えない残しモノな訳だ。」
「確かに、推測が当たっていた場合は、笑えないわね。」
「俺達は、この『推測』を3人に報せておく。ギルドマスターも警戒をしていて欲しい。」
「分かったわ。因みに、その『3人』は誰?」
「レイロード辺境伯のお祖父様に、ライロード公爵様に、アリウス殿下だな。」
「……はい!?」
「ギルドマスター。一応は守秘義務って事で黙ってて欲しいんだが良いか?」
「……分かったわ。」
「俺の名前は、レキウス=フォン=レイロードで、レイロード辺境伯は俺の祖父だ。そして、ライロード公爵家とは個人的にも交流が有る。そして、アリウス殿下とは、コレを預けられる程の友人だ。」
俺はアリウスから預かった短剣を見せる。
「……確かに、その紋章はアリウス殿下の紋章だわ。」
「そう言う訳だから、後で手紙を書くからレイロード辺境伯様に届けて欲しい。」
「分かったわ。ターニャ、お願いね。」
「畏まりました、ギルドマスター。」
「実は、ターニャはサブマスターよ。信用出来るわ。」
「ギルドのNo.2か。」
「そうよ。」
その後、氷漬けを回収して軽い雑談をした後、ギルドマスターは部屋から出てから、俺は今回の事を手紙を書いて、ギルドに依頼した。
「手紙の配達は、レイロード辺境伯までですので、大金貨1枚と金貨8枚になります。更に、キメラの討伐依頼は、時間の経過と共に進化したとはいえ、我々ギルドの責任には違いないので、討伐報酬は加算され、大金貨3枚になります。
そして、買い取り価格は大金貨8枚になります。レキウス様の依頼の分を差し引いて、合計は大金貨9枚と金貨2枚になります。」
「分かった。」
俺達は、依頼達成の手続きをして報酬を貰い、ザナルザンドの街を後にして王都を目指した。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
投稿日が投稿日なので、外見は縁起物にしました。




