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ヒナちゃん!

祝! 再会のボーイ・ミーツ・ガール!

 ヒナside


 私はヒナセーレ=レイディア。

 王都に着いて、住民登録で正式にこの名前になった。

 私は今、2度目の絶望の淵に立たされているわ。

 1度目は、結婚の約束をした大切な幼馴染みを含む村人全員の死亡の報せ。

 2度目が、嫌いな男性から結婚を迫られている。

 少し時間が掛かったけど、友人の支えで何とか大切な幼馴染みの訃報を乗り越える事が出来て頑張って来たわ。

 ……けど、次は、お世話になっている叔父さんの商会を手伝っている時に、来店した子爵位の貴族様で、叔父さんが懇意にしてお世話になっている方だった。

 その貴族様に付いて来た令息が彼だったわ。

 叔父さんもお父さんも私もはっきり断ったにも関わらず、未だに結婚を迫られている。

 叔父さんも商会やお付き合いも有るから、最初こそは兎も角、今では強く出れない。

 仲良くしている友人も、貴族の結婚には、それほど強く出れないって、謝ってくれたわ。

 別に彼女が悪くないのにな。

 そんな苦しい中、昨日、叔父さんが笑顔で話してくれた。

 明日の入学試験で全て良くなるよ、と。

 そう言えば、レイロード辺境伯様の紋章付きの馬車を見たけど、何か関係有るのかな?

 どういう事か分からないし、聞いても教えてくれなかったけど、明日の入学試験で全て良くなると強く言ってくれたから、入学試験を頑張ろうと思う。

 隣に居る友人も応援してくれている。


 ……アレ?

 あのヘカートが居たから、横顔しか見れなかったけど、掲示板の前に居た人にレキの面影が有った様な……




 レキウスside


 王立学園に到着した俺は、入学試験の手続きを終わらせ、入学試験に関する掲示板を見てみる。


「俺の受験番号は、『4番』だから、最初は、座学で場所は教員棟の特別講堂室か。」


 何故、俺の番号が「4番」かというと、今年の入学希望者の中で王族も居ないし、上位貴族の子息令嬢が極端に少ないからだ。

 なんせ、公爵家令嬢が1人、侯爵家令息が1人、同じく侯爵家令嬢が1人、辺境伯家令息が1人(俺)、その次がいきなり子爵家が続く訳だ。


「……おい!」


「……おい!」


 なんか、後ろがうるさいな。


「おい! そこを退け!」

「……え! 俺?」

「そうだ! 分かったら、退け!」

「静かに出来ないのか?」

「……ボクは、バードン子爵家のヘカートだぞ!」

「……そうか。お前がヘカートか。」

「なっ! 貴様……」


 へカートが何か言い掛けたけど、無視して胸ぐらを掴み、引き寄せて言った。


「お前には話がある。入学試験が終了したら、此処で待っていろ。」

「……貴様ぁ。……良いだろう。身分の違いを貴様が後悔するまで教えてやる!」


 まだ、何か言いそうだから、俺はヘカートを無視して、教員棟を目指した。


 指定された教員棟の特別講堂室に入ったけど、令嬢が1人も居ない。

 もしかして、男女別と爵位でも分けているのか?

 俺も含めて20人しか居ないけど。


 まあ、今は試験に集中だな。


 座学の試験終了。


 昼食を挟んで、次は、実技だ。

 最初は、直接戦闘か。

 え~と、試験官は、冒険者みたいだな。


 ……げ!

 試験官がダランとキーハとヤクモだ!

 と、いう事は……

 やっぱり、魔法戦闘はイグルだ。

 回復要員でカリアが居るよ。


「これより、直接戦闘の試験を始める。」


 次々と呼ばれて試験が続いているけど、俺はまだ呼ばれていない。

 結局、俺の組の最後に呼ばれた。


「最後は4番。」

「はい。」

「直接戦闘の試験を始める。構えて……始め!」


 ダランの奴、手を抜いているな。

 なら、俺もそうしよう。

 でも、周りの反応は違っていた。


「凄い!」

「あのSランク冒険者パーティーのダラン様と互角の戦いをしているぞ。」

「止め!」


 制止の声が入った。


「なんだ、キーハ。」

「面白いじゃないか、アタイにもやらせろ!」

「……どうぞ。」

「おい!」

「行くよ。……始め!」

「わ!」


 もの凄く良い笑顔でキーハは近付いて来る。

 ……やっぱり。

 そして、外野の反応は……


「嘘だろ? あのキーハ様の速い攻撃に対応しているぞ。」

「ボクのキーハ様にかすり傷でも付けたら殺す!」

「止め!」


 また、制止の声が入った。


「ヤクモ、お前もか?」

「そうじゃ。ほれ、退け。」

「はいよ。」

「構え……始め!」


 ヤクモは何時も通りの顔で来て……

 やっぱりな。

 分かりました。

 やります。


 周りの反応は……

 無し。

 口をパックリ開けた状態で静止している。


「それまで! 以上でこの組の直接戦闘の試験は終了とする。次は、隣の魔法戦闘の試験だ。」


 隣に移動して、待っていると、先に試験を受けていた者達が出て来た。

 ……5人組で入るみたいだな。

 やっぱり、最後だよ。

 部屋に入ると縦長の奥に、的が立っていた。

 あの的を当てるのだろうな。


「これより、魔法戦闘の試験を始める。見て分かる通り、奥の的に攻撃魔法で当てる事だ。ああ。4番は真ん中でやるように。そして、皆が終わってからやる様に。」

「……はい。」

「それでは、魔法戦闘の試験を始める。今放てる最高の攻撃魔法を放つ様に! 防御魔法は張ってある。全力でやれ! 始め!」


 ……え!

 アレが全力?

 しかも、詠唱込みで!?


「良し。終わった4人は私の後ろに下がれ。そして、4番は、全力どころか、小指を曲げる程度の力で放つ様に!」

「「「「え!?」」」」

「……は~い。」


 それじゃあ、本当に軽~く。


「え? 無詠唱!」

「う! 白い炎だ!」

「い? 球体に!」

「あ! 縮んだぞ!」


 チュドーーーン!


「誰が、球体にして圧縮しろと言った!」

「なんとなく。」

「アホかー!」


 イグルは深呼吸して言った。


「4人は色々と言いたい事があるだろうが、試験は終了だ。総合受付で手続きを取り、明日の試験の結果発表の確認に来る様に。以上だ。」


 俺も帰ろうとすると呼び止められた。


「レイロード辺境伯様から聞いているな?」

「……はい。」

「分かっているなら良い。後、近い内に冒険者ギルドに顔をだせよ。」

「分かったよ、イグル。」


 カリアはやる事が有るのか、もう居なかった。


 そして、朝の掲示板に行くと、黒髪黒目の美少女を守る金髪碧眼の美少女と、怒り顔のヘカートが居た。


「ヒナちゃん!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


この世界の身分の認識は(あくまでも認識です。)

頂点が国王で、2位に王妃、3位に皇太子、4位に王族、5位に公爵、6位に侯爵、7位に辺境伯、8位に伯爵、9位に子爵、10位に男爵となります。

1つ差なら、3年生と2年生ですが、2つ差になると、大学生と中学生くらいの開きがあります。

だから、辺境伯と子爵では、大学生と中学生くらいの開きがあります。

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