結構、溜め込んでいたよ。
作者も、異世界に行ったらチート馬車を作ります。
リンは、意欲的に頑張り、俺達でリンを鍛え、Cランク冒険者に最短でなった。
しかも、アンナからメイドとしての知識や技術も修得している。
勿論、黒猫人族のリンの存在で冒険者ギルドでも、一悶着有ったが、子爵位の俺が主人である事と実力で黙らした。
一部の貴族達は、優しく俺の後ろ楯がレイロード辺境伯とライロード公爵とアリウス殿下だと教えたら大人しくなった。
そして、今、自分の領地に向かっている。
流石に、そろそろ行かないといけないと執事のゴハスに言われたからだ。
そして、俺達は馬車で移動している。
勿論、自前だ。
幾ら、冒険者だからといっても、子爵位の貴族が乗り合わせ馬車で移動するのは……
なんて言われたから、異世界転生あるあるのチート馬車6人乗りを作った。
馬車の骨格はミスリルと魔鋼鉄を使い、軽さと強度を両立させ、当然、車軸にはスプリングとボールベアリングを付け、車輪にはゴムの様な特性を持つモンスターの皮を使っている!
馬車としての形状は箱馬車で、御者席からも中に入れる様にしてある。
更に、内装はヒナ拘りのモンスターの毛皮や羽毛を使ったクッションやソファーを完備。
更に更に、防犯用に馬車本体には特殊な魔石を埋め込んであり、中に誰からが乗っていれば身体から自然に漏れる余剰魔力で補充も出来る様にしてあり、この魔石の魔力を探せば、何処に居るか分かる様にしている。
そして、外装は見た目を地味にしてあるにも関わらず耐火・対物・耐冷の魔法付与をしている。
盗賊程度の弓矢に、新人魔法使い程度の炎や氷ではびくともしない馬車が出来上がった。
俺とヒナはドヤ顔をしたが、周りはドン引きしていた。
そして、アンナから一言。
「似た者夫婦ですね。」
後、馬車の素材等は、アリウス経由で王族から購入して、代価として、ボールベアリングとスプリングの知識を提供した。
それと魔法付与は、暁の光のダラン達から教えて貰っていた。
そんな馬車での、のんびり旅だが、勿論、馬にも秘密がある。
実は、馬車を引いている馬は俺が召喚して馬に変化した「馬頭鬼」なんだよな。
そこら辺の軍馬が産まれたての赤ちゃん馬に感じる程のパワーとスピードを誇っている。
そして、その馬頭鬼の綱を握っているのが、玄武のクロードだったりする。
四方将神の4人共、人化が出来るから貴族の俺の護衛役とかで誤魔化して常時出て貰っている。
それから、馬車の中では、白虎のハクガに青龍のセイルに朱雀のシュナが宴会をしている。
給仕係はリン。
初めて、俺の召喚で四方将神をリンに見せた時、当然驚いていたが、そんな中、過剰反応をしたのが、白虎のハクガを見た時だ。
まあ、白虎は猫系だしな。
リンも黒「猫」人族だから、何か本能が訴えたのだろうな。
だから、リンは白虎のハクガの前だけには、ちょっぴり畏まっている。
俺とヒナは馬車の上でのんびりしている。
そして、領地までの道のりで、中継地の町まで後30分の所で、ヒナが一言。
「後、30分で町に着くけど、何も無かったわね。」
「バカ!」
「あっ!?」
俺は慌ててヒナに注意したが、もう手遅れだった。
「レキヤ、もう直ぐ、盗賊が接近するのじゃ。」
ヒナの一言でテンプレの発生だ。
「分かった、クロード。ちょっとヒナ~。」
「ごめ~ん。」
俺は御者席の後ろに有る扉を開けて、リンを呼ぶ。
「リン。もう直ぐ、盗賊が接近するから準備な。」
「はい。分かりました、レキウス様。」
「リン、頑張れよ。」
「はい。ハクガ様。」
「リン、頑張るのだぞ。」
「はい。セイル様。」
「リン、頑張って。」
「はい。シュナ様。」
「リン、気を付けてるのじゃぞ。」
「はい。クロード様。」
そして、前方を見ると、3人の盗賊が立ち塞がり、馬車が停まった所で、馬車を囲む様に盗賊が近付いて来た。
「おおっと停まりな。此処から先は服以外を全て置いてから行きな。」
「何故じゃ?」
「爺さん、此処で死にたくないだろう?」
「はい。盗賊確定~。」
ヒナが馬車の上から間の抜けた一言を言った事で、盗賊達の視線はヒナに集中した。
その瞬間、俺は、馬車を囲んでいる盗賊14人から前に居る3人以外に対して雷撃弾を両肩に撃ち込む。
「ぐわっ!」
「リン。前の3人を1人でやってみろ。」
「はい!」
リンはメイド服のスカートを踊らせピンクのリボンを付けた尻尾を振りながら、盗賊狩りをしている。
「何か、シュールね、レキ。」
「そうだな、ヒナ。」
10分後、リン達は盗賊3人の拘束を始めていた。
「じゃあ、ちょっと行ってくる。」
「レキ、行ってらっしゃい。」
俺はクロードに教えて貰った盗賊のアジトに行き、見張りと残っていた盗賊の首から下を処分して、溜め込んでいたお宝を没収した。
……囚われた人は居なかったよ。
「ただいま~。」
「どうだった?」
「結構、溜め込んでいたよ。」
「やったー。」
「お疲れ様です、レキウス様。」
俺達の馬車は、盗賊14人を引いているとは思えない程、軽快に進んだ。
俺は、「大丈夫だ。生きてさえいれば、俺の回復魔法で治すから」と、言うと盗賊達は大人しく従い急ぎ足で歩いている。
40分後、俺達は中継地の町「アルダリア」に到着した。
俺達は訪れた人達の後ろに並び、普通に門から入り、詰所で盗賊共を換金したら大物が混じっていて、金貨20枚になった。
今日は、此処で1泊して、順調に行けば明日の午後2時頃に到着するかな。
貴族で子爵位だから、この町の1番高い宿屋に泊まり、翌朝に出発する。
途中、自分の領地に入り周りを見ると、流石はオークが搾取していた領地は萎びれていた。
そして、領地の中心地である都市「レイフィリア」に到着した。
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