閑話~買われた奴隷達(前編)
前話は、午後8時に投稿しています。
後、ちょっと長文です。
しかも、前後編です。
他国の未亡人side
私は元子爵令嬢で名は「セリーヌ=サラク=ヤータブル」で、夫は騎士団長だったわ。
私は家族の反対を押しきって夫と同じ騎士になったのだけど、夫との結婚を期に引退して家庭に入ったわ。
……夫は私の誇りだった。
だけど、国王になったばかりの新国王は、何をとち狂ったのか、隣の大国『サリアベルグ帝国』に戦争を仕掛けた。
実情を知る夫は、騎士団長として新国王を諌めたけど、聞いて貰えず最前線に送られ部下を庇って戦死したと報告が送られて来たわ。
そして、あの愚王は、私に夜伽の命令を下したけど、私にだって誇りは有るわ!
……だから、拒絶した。
誰が夫を殺した愚王に夜伽なんかするもんですか!
でも、怒った愚王は私を犯す事なく奴隷にして他国に売られた。
奴隷に堕とされて他国に連れられてしまったから、愚王の無様な最後を見れなかったのは残念だわ。
私は、王族殺しの汚名なら被ったのに。
せめてもの慰めはまだ私達には子供に恵まれていなかった事ぐらいかしら。
馬車に揺られながら見たフォルビア王国は綺麗だった。
私は、この国で奴隷として生きて行くんだと思うと自然と涙が流れたわ。
でも、こうやって思うのも今だけでしょうね。
実際に奴隷として売られた後は、そんな事を思えない毎日が待っているわ。
……と、思っていたのに、買われた後、奴隷環から奴隷紋に代わり、服も奴隷らしからぬ綺麗な服や靴になり、奴隷なのに、今着ている服等とは別に服から日用品まで買って良いと言われたわ。
……これだけ良くして頂ける以上は、「夜の奉仕」は拒絶する訳にはいかないから頑張るしかないわね。
夫しか知らないけどやるしかないわ!
かなり恥ずかしいけど、下着の1つは大胆な物を選んでおこう。
天の声
しかし、彼女が選んだ「えっちぃ下着」は、偶然や事故でしか、レキは見る事はなかった。
他国の伯爵令嬢side
私の名前は「マーシア=ベハク=ナンハリア」で伯爵令嬢として普通に暮らしていたし、侯爵家の三男の婚約者は、騎士団に所属していて、次女の私にはもったいない方だったわ。
彼と結婚する事で貴族ではなくなるけど後悔は無いわ!
そんな幸せの中、新国王になった馬鹿王は、隣の大国『サリアベルグ帝国』に戦争を仕掛けた。
婚約者の彼は最前線に送られ騎士団長に庇われたけど、その時に負った傷が原因で治療虚しく帰らぬ人になった。
私は馬鹿王の命令で夜伽を命じられた時は、復讐が出来ると思い命令に従った。
そして、夜、その時が来た私は服を脱ぐ振りをして胃の中に隠していた暗器を口から出して復讐を果たそうとしたけど、邪魔が入り、奴隷に堕とされた。
馬鹿王は自分を殺そうとした女は犯せなかったみたいで、馬鹿王に犯されないまま奴隷となり、フォルビア王国で奴隷としてオークションに出品されたわ。
嗚呼、私の「初めて」は、馬鹿王にも負けないクズに散らされるのね。
……と、思っていたのに、買われた後、奴隷環から奴隷紋に代わり、服も奴隷らしからぬ綺麗な服や靴になり、奴隷なのに、今着ている服等とは別に服から日用品まで買って良いと言われたわ。
……これだけ良くしてくれるなら元伯爵令嬢の誇りに賭けて、「夜の奉仕」は頑張るしかないわね。
私は覚悟を決めて、可愛い下着を夜の奉仕用に1つ選んだ。
天の声
しかし、彼女の下着もまた、偶然や事故でしか、レキは見る事はなかったのである。
農家家族side
私は「ヤン」、妻は「サン」、長女は「ナリア」で、長男は「カン」だ。
とある伯爵家の領地で、伯爵家お抱えの農家として働いていたが、被せられた冤罪で、私だけでなく家族までも奴隷に堕とされた。
ただ、伯爵家お抱えだった為、王都のオークションで出品される事になり、せめて家族だけでも守ろうと思っていた。
……と、思っていたのだが、買われた後、奴隷環から奴隷紋に代わり、服も奴隷らしからぬ清潔な服や靴になり、奴隷なのに、今着ている服等とは別に服から日用品まで買って良いと言われた。
……私にとっては最高の妻だが、「夜の奉仕」に喚ばれる程の美貌は無い。
だが、長女は今、14歳だ!
もしかしたら、「夜の奉仕」に喚ばれるかもしれない。
もし、喚ばれたら、ナリアは奴隷の身分だが、貴族様の愛人として安心して暮らしていける。
頑張れ、ナリア!
天の声
しかし、ヤンの希望は無駄に終わり、ナリアもちょっぴり期待して、綺麗な下着を頑張って選んだが、レキに見られる事は無くタンスの肥やしになり、同じく買われた三姉妹に笑われるのだった。
商人家族side
私は「ダシマ」、妻は「キーマ」、長男は「ターゴ」で、長女は「アーサ」だ。
とある子爵家お抱えの商人だったが、偶然から子爵家の不正を知ってしまい、アーサを人質に取られ家族全員が奴隷に堕とされて、脛にキズを持つ奴隷商に売られたが、その奴隷商が事故で亡くなり、私達家族は、引き取った新しい奴隷商に認められ王都のオークションに出品された。
子爵家の不正をバラす事は出来るが、奴隷に堕とされた以上、簡単に殺されると思い、悔しいが黙る事にした。
そして、買われた後、奴隷環から奴隷紋に代わり、服も奴隷らしからぬ清潔な服や靴になり、奴隷なのに、今着ている服等とは別に服から日用品まで買って良いと言われた。
「これだけ良くして頂ける以上は、『夜の奉仕』は頑張るしかないわね。」と鼻息荒いアーサは、派手な下着を選んでいた。
読み書き計算をしっかり教えたつもりだが、貴族様に喚ばれる程の美貌では無いと自覚していれば、喚ばれる可能性は無いと、何故、計算出来ないのか不思議だ。
天の声
アーサの鼻息荒く願った事は起こらず、夜に喚ばれる事もなく、タンスの肥やしになり、偶然見た三姉妹とナリアに笑われるのだった。
三姉妹side
私達三姉妹は上から「レミ、ユミ、エミ」は普通の農家で生きていたけど、まさか、3人とも借金の代わりで売られるとは思わなかったわ。
そんな奴隷の中でも普通の私達が王都のオークションで出品された理由なんだけど、私達を買った人は今回の王都でのオークションの出品者で、私達は序でに売られたらしいわ。
関係者が愚痴ってたのを聞いたから確かよ!
私達は売れるのか心配したけど、無事に買われたわ。
……でも、娼館とどちらが良かったのだろう?
まあ、普通の顔と体型の私達には「夜の華」は無理かな?
だから、普通の私達は使い潰されるのだろうなぁ。
……と、思っていたのに、買われた後、奴隷環から奴隷紋に代わり、服も奴隷らしからぬ清潔な服や靴になり、奴隷なのに、今着ている服等とは別に服から日用品まで買って良いと言われたわ。
……これだけ良くして頂ける以上は、「夜の奉仕」は頑張るしかないわね。
あわよくば……じゅるり。
天の声
レミ、ユミ、エミは3人とも同じ事を考えていたが、「夜の奉仕」用に買ったイマイチな下着は使う事も無く、タンスの肥やしになり、ナリアとアーサに笑われるのだった。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
奴隷紋に替えるのは、世間体や体面を気にする主人か、善意的な理由で替える主人かのどちらかなので、どちらにしても、奴隷紋の方が、奴隷としての待遇が良いと言われています。




