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お披露目会(後編)

次の話は、1時間後の午後9時に投稿します。

 見栄なのか、ちゃんとした理由かは分からないが、王族よりも後から来てしまった貴族が居た。


「ようこそ、コルジーア侯爵様。」

「小さな屋敷だな。犬小屋か?」

「申し訳ありません。私としては分不相応だと思いますが、王族からの(めい)なものですから。」

「ふん。」


 そう言って、周りの表情を無視してコルジーア侯爵は、中に入っていった。


 招待客の全てが揃った所で主催者として挨拶をした。


「ようこそ、お出でくださいました。私はこの屋敷の主で王家より新しく子爵位を賜ったレキウス=フォン=レイロードです。

 本日、皆様の御協力のお陰でこの様な会を開く事が出来ました。今日は、ささやかながら食事を用意しましたのでごゆるりとお楽しみください。」


 ……ふう。

 緊張した~。

 後は、招待客に軽く会話していくだけだな。


 俺達は、招待客に軽く会話をしながら、会場を廻っていた。


「素晴らしい会ですな。」

「ありがとうございます。」

「所で、私には三女ではあるが可愛い娘が居ましてな。」

「申し訳ありません。私はまだ若輩の身。それに、パートナーも居ますので……」 

「そうでしたか。」

「はい。それでは、失礼します。」


 何とか、躱せた~。

 緊張しながら、一通り挨拶廻りが終わった所で、俺達はフローラ達が居る所に向かった。

 因みに、コルジーア侯爵とはこんな会話だった。


「如何でしょうか、コルジーア侯爵様。」

「ふん。まあまあだな。」

「ありがとうございます。」

「国王陛下の覚えが良い事に頑張っている様だが、貴族としての品格を忘れぬ様にな。」


 意訳は、「どんな手で国王陛下に取り次いだかは知らないが、あまり目立つ様なら潰すからな!」って所かな?


「はい。先人達に習い、コルジーア侯爵様を初めとした皆様を手本としていきたいと思います。」

「ふん。」


 コルジーア侯爵は、そう言った後は、勝手に移動を始めた。


 さて。

 フローラ達は……

 うん。

 初めて食べたハンバーグに魅了されて、貴族令嬢らしからぬ勢いでフローラとリシュアは食べているな。

 流石は公爵夫人と王族のアリウスとシャーロット王女だ。

 優雅に食べているが、食べる事を止めていない。


「フローラ嬢、如何ですか?」

「んぐ!?」


 ヒナが直ぐに水が入ったコップを出すと、それを奪う様にヒナから受け取ると、テレビのコマーシャルに使えそうな勢いで「ゴッゴッゴッ!」と喉を鳴らしながら飲んだ。


「プハー!」


 おい、公爵令嬢(・・・・)よ。


「レキウス、いきなり声を掛けないでよ! ビックリするでしょう!」

「フローラ、あのなぁ。」

「フローラ。そんなに急いで食べるからでしょう。」 

「お母様……」

「レキウス君。この『ハンバーグ』と言う肉料理は美味しいわね。」

「後で、レシピを差し上げます。」

「あら、良いの?」

「はい。」

「レキウス君、ありがとう。」


 それと、リシュアは俺が近付いたら、食べるのを止めて、ザーナク伯父さんの所に行ってしまった。

 ……俺、そんなに嫌われる様な事をしたかなぁ?


 後、同じクラスメートだった侯爵令息と令嬢のレセライクとリアセイカは、揃って他国に留学中で帰れない為に招待状を送っていない。


「レキウス。この『ハンバーグ』と言う肉料理は美味しいな。」

「本当ですね。ナイフで切ると切り口からこんなに肉汁が溢れてくるし、噛み千切る必要が無いのは嬉しいですね。」

「アリウス殿下。シャーロット王女殿下。後で、レシピを献上させて頂きます。ただ、ライロード公爵夫人にもレシピを渡す約束をしていますので、ご理解頂けたらと思います。」

「ええ。分かりましたわ。」


 この後は、フローラ達は食事を楽しみ、お披露目会は無事に終了して、翌日のクラスメートだった皆との食事会も楽しく過ごした。

 ……が、貴族の料理は今日しか食べれないと思った彼らは、動けなくなるまで食べていた。


 ……皆、年齢にそぐわない胃もたれ確定だな。


 食事会が終わり、俺とヒナは俺の部屋でのんびりしながら、明日以降の話を始めた。




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