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ファーストキス貰っちゃった。

チート野郎への片鱗、更に華開く。


次から、何時もの21時からです。

毎日投稿の予定です。

 レイロード辺境伯様、辛そうな顔をしている。


「父と母の名は?」

「……お父さんがレクスで、お母さんがキーナです。」

「……やはり、か。」

「ライザー様。」

「うむ。すまないが、『暁の光』には退出願いたい。そして、別室で待ってて貰いたい。」

「……分かった。」


 ダラン達が部屋から出て、僕とレイロード辺境伯様と執事セバスだけになった。


「あのぅ。」

「レキ、だったな。」

「はい。」

「レクス、いや、本名レックスは、儂の3番目の息子だ。」

「え!? レイロード辺境伯様がお父さんのお父さん。つまり、僕にとってのお祖父ちゃん!」

「そうだ。レックスの母は、……正直に言おう。レックスの母は、ライロード前公爵の妹『ソフィア=ネイス=ライロード』だ。」

「こ、公爵、……様。」

「因みに、キーナは、まだこの家に居た頃にレックスの専属侍女をしていた。」

「そのお父さんのお母さんは?」

「レックスを産んで直ぐに亡くなった。」

「そうですか。」

「村が無事なら、レックスの意思を尊重したが、あの様になった以上は放っておく事は出来ん。レキよ。これからは、儂の孫として生きて貰う。」

「……え!?」


 こうして、僕はレイロード辺境伯様の孫として養子縁組を交わし正式に、「レキウス=フォン=レイロード」として生きていく事になった。

 名前は、お父さんとお母さんがくれた名前が残す形になって嬉しい。

 後、養子縁組は2種類有って、「継承縁組」と「契約縁組」に分かれるみたいで、僕は「契約縁組」でやったんだって。

 継承縁組は、その貴族の爵位継承権を与える縁組で、場合に因っては爵位を継いで貴族家当主になれるみたい。

 逆に、「契約縁組」は、その継承権を与えずに、ただ、その家の家族と同等の基準で生活を保障するのが「契約縁組」なんだって。

 まあ、僕は冒険者として生きて行くから良いかな。

 勿論、僕はお祖父様(こう呼べとお願いされた。)に冒険者になりたいと言ったら、ダラン達をそのまま僕の先生として雇ってくれた。

 だけど、ライロード前公爵様が、もしかしたら、僕に「継承縁組」を持ち掛けるかもしれないから、貴族としての教育も受けて欲しいとお願いされた。

 もし、そうなったら、貴族としての教育を受けてないと辛い思いをするのは僕だからと言っていた。

 新しく出来たお祖父様のお願いだから、僕は「うん。」と言ったら、凄く喜んでいた。


 こうして、僕の新しい生活が始まった。

 それからは、午前中は貴族としての教育を、午後からは冒険者としての教育という毎日を送っていた。

 因みに、レイロード辺境伯家の家族だけど、全員が僕を溺愛している。

 ある意味、僕はレイロード家の家族を裏切った末に生まれた子供なのに。

 思い切ってセラディーナお祖母様(お祖父様の正室)に聞いたら、お祖父様とライロード前公爵の妹ソフィアを引き合わせたのは、セラディーナお祖母様なんだって。

 理由までは教えて貰えなかったけど、皆が納得したから、僕も受けれたと言ってくれたんだ。


 2年後


 俺は、辺境伯家の一員として充分な知識と教養を身に付ける事が出来た。

 特に算術は、既に王都の王立学園を卒業出来るだけの実力になっていた。

 周りも驚いていたけど、何故か、すんなりと楽に出来た。

 まるで、1度習った事を復習するみたいに。


 そして、更に周りを驚かせたのが「魔法」だ。

 最初の1週間でイグルやカリアが知っている全ての魔法を覚えた。

 俺のあまりの神童ぶりにお祖父様が周辺から、最後は王都からも魔導書を取り寄せ、手元に無い魔導書が、王宮の王立図書館の魔導書くらいにまでになった。

 更に、途中からは、魔法鍛練の時間の大部分を使って「魔力制御」と「魔力操作」に費やした。

 原因は多分、初級魔法で、辺境伯家の屋敷がすっぽり入る穴(現在は湖。)を作ってからだ。

 今年の夏も、王都から従姉妹のリシュアが来たけど、突然出来た湖に驚きながらも大変、はしゃいでいた。

 後、リシュアとは普通に仲良くやっていると思う。

 ……多分だけど。

 だってたまに睨むもん。


 こうなると、ダラン、キーハ、そして、ヤクモも黙っていない。

 技術修得はより熱を帯び、鍛練も厳しくなり、回復要員のカリアが使える魔法が増える程になった。

 遂には、身体損失を完全回復する「復元再生(フルリバース)」まで使える様になった。

 ……俺も覚えたけど。

 こうなると、腕が切断される、足が切断される事が何とも思わなくなり、1時間に1回は、カリアの復元再生(フルリバース)が響き渡る。

 これには、辺境伯家全員が怒り、切断されても平気なら、切断される様な隙を作るな、と言われた。

 それからは回避にも力を入れて、剣(刀)の鍛練なのに、対戦訓練で風切り音だけが聞こえる日も決して少なくない様になった。

 それと気に所為(せい)だと思うけど、真剣に鍛練していると、たまに俺を呼ぶ声が聞こえるんだよな。

 ……なんだろう。


 そして、ダラン達「暁の光」との契約が終了して、お別れ会を盛大に行い、ダラン達は、王都へと帰っていった。

 まあ、半年後に王都で3番目のSランク冒険者パーティーになったのは驚いたけど。

 後、秘密の話だけど、お別れ会でカリアと2人きりになった時に、キスされて、カリアが「レキのファーストキス貰っちゃった。」と喜んでいたけど、ごめんなさい。

 俺のファーストキスは、2年前にリンに捧げている。


 更に半年後


 俺は王都を目指していた。



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


主人公の下に集められた「魔導書」は、魔法を覚える為の本なので量産されています。

これらは、教科書なので読めば、その魔法が即座にインスタントに使えるという訳では無いので練習が必要です。

魔力が込められた何らかの価値が有る本は、「魔導禁書」と呼ばれています。

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