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シリンのバカー!

食用サソリ、1度は食べてみたいな。

 そして、俺達は17階層に到着した。


「一面砂漠だな。まあ、砂漠の領域だから当たり前だけどな。」

「それで、レキ。薬草は小さな水飲み場に有るんだよね?」

「ああ。勿論、モンスターも居るだろうから注意は必要だろうし、討伐する方が良いだろうな。」


 軽くヒナと感想等を述べていると、シリンがワナワナと震えていた。


「レキウスにヒナセーレ。貴方達は何者なの?」

「どうしたんだ? いきなり。」

「どうしたもこうしたも無いわよ! 何、あの強さは!」

「俺達は普通にやったつもりだが?」

「その若さでCランクなら、それなりの強さが有ると分かるわ。だけど、その情報から想像出来る範囲をかなり超えているのよ!」

「……そう言われても。」

「なあ。」

「正直に言いなさいよ! 何かその強さに秘密が有るんでしょう?」

「誰にも言うなよ?」

「分かったから、早く言いなさい!」

「俺達に冒険者としての戦い方を教えてくれた人達が居るんだよ。」

「……」

「まて、何故、解体用のナイフを抜く?」

「最後まで吐け。」

「……暁の光だ!」


 そう言った瞬間、シリンは時が停まったかの様に動かなくなるが、少し経つとまた動き出した。


「……ちょっと待ちなさい! 今、何て言った?」

「シリン。暁の光だよ。」

「……マジ?」

「おう。」

「はい。」

「……はああああああーーー!」

「どうした、シリン!」

「さあ! もっと吐け!」

「シリン! 話すから解体用のナイフをレキの首元から離して仕舞って!」

「分かったわ、ヒナセーレ。」

「「……ふう。」」

「森で迷った時にモンスターに襲われて助けられたのが縁で鍛えて貰ったんだ。」

「そう。そう言う事ね。」

「納得したわ。あの暁の光に鍛えられたから、その強さなのね。」

「そ、そうよ、シリン。」

「……まだ何か有る様な。」

「シリン! それ以上は。」

「分かっているわ。これ以上はご法度よね。それにしても、羨ましいな。」

「そ、そうか。」


 そう言いながらも目線を逸らしてしまった。


「まだ何か有るのは確定ね。まあ、我慢しましょう。」

「「ほっ。」」


 途中、地中からのサンドワームの奇襲が何度も有ったが、魔力感知でサンドワームを知った俺達は、シリンを(おとり)にして、シリンにはその場で激しく足踏みをして貰い俺達は動かずにいる。

 そして、シリンの真下から襲うサンドワームに対してシリンは支援魔法を自身に付与した状態で真上にジャンプ。

 釣られてサンドワームも真上に身体を伸ばした所で、俺の風刃(ウインドカッター)で仕留めた。

 そして、シリンは、ちょっぴり青い顔で震えていた。


「け、結構心臓にクるわね。」

「まっ、お疲れ様。」

「……何でマジックバッグに仕舞うの?」

「ああ。サンドワームは、魔石も素材も金にならんけど、他のモンスターを誘う餌としては使えるんだ。」

「へ~。そんなんだ。」

「特にウルフ系には。」

「良い事を聞いたわ。でも、誰かに言えないのは残念ね。」

「別に良いよ。」

「本当!」

「ああ。」

「でも、何故?」

「実は、乾燥させる必要が有るんだけど、匂いがキツいんだ。だから、マジックバッグじゃないと、まず無理。」

「はあ!? そんなに臭いの?」

「臭い。だから、広めても良いけど、マジックバッグ持ちじゃないとお勧め出来ないな。」

「分かったわ。」


 水飲み場に到着した俺達は、隠れて待ち構えていたサンドスコーピオンに襲われたが、軽く撃退した。

 そして、ドロップしたサンドスコーピオンの肉を見て俺は喜んだ。


「やったー! サンドスコーピオンの肉だ!」

「どうしたの、レキ。」

「ああ。サンドスコーピオンの肉は旨いんだ。」

「嘘よ! そんな話は聞いた事が無いわ! しかも、毒持ちよ。」

「ああ。勿論、そのまま焼くなり煮込んだだけなら、死ぬ事になる毒持ちだが、特殊な下処理をする事で、ハイオーク並みの肉になるんだ。」

「何ですって!」

「それは本当なの?」

「ああ、本当だ。」

「レキウス、分かっているわね。」


 シリンに首を締め上げられていて喋り難い。


「ぞんな背中に隠じだナイフがぢらづぐような笑顔で言われでも……」

「レキ、駄目なの?」


 シリンの首締めから解放された俺は軽く咳き込んだ後に答えた。


「勿論、シリンにもあげるよ。って言うか、何故、シリンだけあげないと思われるんだ?」

「「……」」

「おい!」

「「あははははは……」」

「全く。」


 こうして、俺達は無事に依頼にある必要数の薬草と、俺達の分の薬草を手に入れた。

 そして、俺達は帰る事にして、ダンジョンを脱出して冒険者ギルドに依頼達成の報告をした。

 尚、帰りの途中でサンドスコーピオンを3匹仕留めて、3度共にドロップが肉だったのは幸運だった。


 シリンの本来のパーティーメンバー全員に解毒剤を飲まして毒は抜けたが、まだ働ける状態では無い為に、宿屋で安静にしている。

 そこで、シリンとはそれなりに仲良くなったので、シリンのパーティーメンバーが働ける様になるまでの数日間を、シリンと組んで金を稼ぐ為に一時的なパーティーを続けている。


 そんな訳で今、森の中に居るのだが、怪しげな集団が何かを話し合っていた。


「……という訳で……王族を……」

「分かっている。だから……暗殺者……」


 何か物騒な単語が出ているな。

 遠いから全てを聞き取れないし、どうしようか?


 パキッ


「あっ!」

「誰だ!」

「シリンのバカー!」

「ごめんなさいー!」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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