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閑話~Cランク昇級試験前編

閑話は数に入らないよね?


そして、入り切らないので、前後編です。

 Cランク昇級試験日


「レキ。私、大丈夫かな?」

「大丈夫だよ。」


 俺達は、Cランク昇級試験を受ける為に、冒険者ギルドに来ている。

 2日前に、冒険者ギルドに帰ると、受付嬢のアリスティーナさんからヒナのCランク昇級試験を受けれる基準を達成したと教えられて俺達は試験を受ける事にした。


 今日、試験を受けるのだが、内容は日帰りの往復の護衛だった。

 片道3時間で行ける近所の町に行く商人の護衛で、俺とヒナを合わせて6人でする事になった。

 朝6時必着で多少眠いが、直に目も醒めるだろう。


 ヒナはというと、最近は公爵家令嬢のフローラから最新の美容法を教わり、意識していたのが災いして、今、ヒナの隣に居たチンピラにしか見えない青年冒険者に絡まれていた。


「なあ、オレの女になれよ。」

「嫌よ。」

「そんな事を言わずさぁ。付き合ったら案外、上手くいくかもしれないしさぁ。」

「お断りよ。」

「オレが優しく言っている内に頷けよな。痛い目をみるぜ。」

「お断りし……」

「俺のヒナに手を出すな!」

「あ……ぐはぁ……」

「アリスティーナさん。1人、試験を受けないそうだよ。」

「……分かりました。1人脱落、と。」

「レキ、ありがとう。」

「ヒナだけで、断れる様に頑張ろうな。」

「うん。」


 こうして、1人脱落した状態でCランク昇級試験の護衛が始まった。


 行きは特に何も無く、すんなりと目的地の町に到着した。

 精々、ゴブリンが10匹出たくらいだ。

 護衛は5人だから1人2匹で、俺やヒナを含めて楽に倒した。

 誰も魔石を欲しがらなかったから、1ヶ所に集めて護衛の1人が土魔法で穴を開けて焼却して土を被せた。


 町に到着してから、午後1時まで自由時間で、俺とヒナは適当な店で昼食をとる事にした。

 適当に選んだのがいけなかったのか、店に入るとまた絡まれた。


「よう。可愛い女を連れているな。ガキは違う店に行きな。この可愛い女はオレが面倒をみてやるよ。」

「はぁ。」

「おい! 早く出て行きな!」

「おい?」

「あん。まだ居たのか! 早く消……げびぃ……」

「ふん。迷惑料を貰うとするか。……お! 外見のわりに結構持っているな。」


 俺は、客が座っているテーブルに行き、頂いた迷惑料から銀貨1枚を人数分置いていった。


「店に居るお客様。先程の迷惑を掛けられた男からお詫びとして善意のお金を頂きました。テーブルに置いた銀貨は皆さんへのお詫びだそうです。喜んで頂きましょう。」

「坊主、良いぞー。」

「分かっているね~。」

「果実酒1杯追加だ。」

「こっちもだ。」


 俺達も席に着き、注文した。

 勿論、男の分も善意で貰ったお金で払った。

 ……銀貨1枚を追加で渡して。


 善意のお金で食べる料理は美味しかった。

 ヒナも良いのかな、と言いながらも食べていたけど、俺がダラン達から教わったと言ったら納得したみたいだ。

 ……一応、言うが本当にそう教わった。


 昼食を食べ終わり、特に見て廻る時間が無いから、集合場所で俺とヒナは待っていた。

 この後の護衛等を確認して出発の時間まで、後30分という所で、10人くらいのチンピラ達が俺達の前に現れた。


「町のならず者達だ!」

「やっと見つけたぞ!」

「この人達と何か有った人、居るか?」


 商人や他の護衛達も居ないと答えた。


「お前だ、ガキ!」

「俺!」


 俺は指名を受けたから、ある程度前に出る。

 勿論、ヒナを巻き込ませない為だ。


「そうだ! さっきは良くも不意打ちをしたな。覚悟は出来てんだろうな。」

「おい、ハゲレン。コイツか?」

「ああ、そうだ!」

「あのガキから金になる物は全てやる。女はオレの後でくれてやる!」

「良いぜぇ。商談成立だ。」

「ひゃはははは!」

「久しぶりに生きた人形を切り刻めるぜ。」

「ひゃっはー、死ね!」

「レキ!」


 俺はギリギリ動き、頬から少し血が流れた。


「はい。武器に因る攻撃を受けました。皆さん、見ましたね?」


 周りを見ると、頷いている人達が居た。


「時間も迫っているし、早く終わらせるか。」

「何を言ってやがる! ビビって動け無かった奴がよ!」

「はい。お疲れ様。」

「何を言……ぶべらぁ……」

「お……ぐはぁ……」


 次々と腹パンで沈んでいき、現れてお喋り込みで18分で終らせた。

 通報した人が居たのか、町の衛兵が5人来た。

 俺は、ならず者達から迷惑料を没収しながら、衛兵達に伝えた。


「この人達が、訳の分からない事を言いながら、剣で攻撃して来たんです。」


 そう言って、頬の傷を見せた。

 そして、迷惑料を全員から没収し終わると、野次馬の中から、特に反応が良かった人に、銀貨3枚渡して、「俺達、もう行くので説明をお願い出来ますか?」と、聞くと、その人は手のひらの銀貨を見て、「分かった。」と言ってくれた。


「皆さん、行きましょうか。」


 俺が皆さんにそう言うと、騎士の様に一斉に首を縦に振った後、俺達は出発した。

 そして、今回のCランク昇級試験の本番が訪れた。


「動くな!」





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