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2度言うつもりは無い。

序盤の出口が見えて来ました。

 王城に到着した俺とヒナは、文官の案内のまま付いて行き、途中からメイドに変わった。

 メイドが変わった辺りから王城ではなく王宮なのだろう。

 そして、メイドの案内のまま付いて行くと、応接室に通された。

 おかしいな。

 何故、王城のではなく、王宮の応接室なんだ。

 確かに、学園でのドラゴン退治は、それなりの大事(おおごと)だが、王宮に入れる程の功績だろうか?

 しかも、ヒナと一緒に。

 ……おっと!

 考えていたら、誰か来たようだ。


「待たせたな。」

「アリウス殿下。」


 入って来たのは、アリウス殿下と後2人。

「楽にして構わない。」

「ヒナ、レキウス。」

「フローラ嬢。」


 後の2人の内1人はフローラで、もう1人がアリウス殿下の護衛みたいだな。


「揃った所で、今回の用件を話したいと思う。」


 それで内容だが、学園内には理事長、学園長、王族、宰相、騎士団長、宮廷魔術師長しか解錠出来ない場所が有って、その先には特殊な洞窟が存在するらしい。

 そして、その洞窟の3階層に祭壇が有って、そこで王族の王子は儀式をしなければならないらしい。

 だけど、王女は何故か行かなくて良いらしい。

 理由は不明のままで、兎に角、アリウス殿下は行く事になるのだが、その洞窟は何故か、学園に通う生徒しか入る事を禁止しているみたいで、今現在、学園に通う生徒でトップクラスが、単独の竜討伐した俺やヒナとフローラだと。

 ヒナやフローラより先に上がった候補が居たが、「お嬢様から離れる気はありません。」と、断られて、ヒナやフローラに話が廻ったみたいだ。


「アリウス殿下! やはり、もう1度再考を。平民が居ては何か有っては……」

「黙れ、ロバート! 既に決まった事だ。」

「しかし……」

「2度言うつもりは無い。」

「はっ!」


 そして、アリウス殿下の後ろから俺を睨む護衛。

 この後も、アリウス殿下と必要な話をして終わった所で、応接室に誰かが入って来た。


「アリウスお兄様、お話は終わりました?」

「ああ。終わったよ、シャーロット。」

「アリウス殿下、この方は?」


 まあ、今居る場所とアリウス殿下に対して「お兄様」と呼ぶのだから、身分は明らかだよな。


「紹介しよう。妹のシャーロットだ。」

「初めまして。第3王女シャーロット=トリア=フォルビアです。」


 俺達も直ぐに挨拶を返した。


「初めまして。シャーロット王女殿下。私は、レキウス=フォン=レイロードです。こちらは内々ではございますが、婚約者のヒナセーレ=レイディアです。」

「初めまして。シャーロット王女殿下。レキウス様の婚約者のヒナセーレ=レイディアです。」

「まあ! それではこの方が、恐ろしいドラゴンを退治された方なのですね。」

「ああ、そうだ。」

「アリウスお兄様、お話は終わったのよね?」

「ああ。」

「それなら、私の部屋に行きましょう。色々とお聞きしたいわ。」

「アリウス殿下、よろしいでしょうか?」

「妹の相手をしてやってくれ。」

「それでは行きましょう。」


 こうして俺達3人は、シャーロット王女殿下の部屋に行き、冒険者としての日々や、俺の竜討伐の話を少し紅潮した顔で楽しそうに聞いていた。

 因みに、この時に知ったけど、フローラはシャーロット王女殿下の親友だった。

 だから、アリウス殿下の護衛の話が、シャーロット王女殿下からフローラに伝わり俺達に話が来た、という訳だ。


 翌日


 学園からの帰りで、たまには、という事でヒナと2人で歩いて帰っていると、チンピラに囲まれた。

 ……王都に住むチンピラが、何故、学園の制服を着ている俺達を囲むんだ?


「へへ。怪我したく無かったら、その女を……ぐはぁ……」

「え!?」


 ドカッ! バキッ! ドコッ! グシャ!


 学園の制服を着てて来るという事は、黒幕は同じ貴族だな。

 接触しているかは分からないが一応は確認しないとな。


 チンピラ5人組をちょっと路地裏に運んで、逃げれない様に縛る。


 ……まさか、間抜けにも直接雇う馬鹿が居るとは思わなかった。

 黒幕は、アリウス殿下の後ろに居た護衛だった。

 ちょっと考えれば分かる事だ。

 ヒナの後ろには、俺、つまり、レイロード辺境伯と、フローラ、つまり、ライロード公爵家が後ろ楯だ。

 この2つを敵に回す貴族は居ない筈だから、独断専行となるだろうな。

 直ぐに、フローラに連絡して、アリウス殿下に処理をして貰った。

 アリウス殿下の護衛をしていたロバートは、「人数不足」という名目で南の辺境に異動となった。

 アリウス殿下とロバートの父親から、謝罪の手紙が届いた。

 義理堅い事だ。


 そして、アリウス殿下との約束の日が来た。


「学園にこんな所が有ったのですね。」

「まあ、教員棟と学園長と理事長合同棟の間の通路から外れた所だからな。教員すら用が無ければ来ないだろう。」


 そして、王族御用達の装備品で固めたアリウス殿下と、何時もの冒険者としての装備品で固めた俺、ヒナ、フローラが居た。

 目の前には、既に扉は解錠済みで、扉の左側には騎士団長を始め近衛騎士が10名と、右側には宮廷魔術師長を始め宮廷魔術師が10名立っていた。

 そして、扉の前には、1人の女性が立っていた。


「アリウス殿下。準備は整いましたわ。」



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