何か恥ずかしいな。
異世界恋愛、勉強させて貰っています。
ありがとうございます。
ダラン達が出て行った、次の日の学園では、3週間後に、ダンスパーティーが開催する旨の告知が出ていた。
「あら、そろそろと思っていましたが、告知が出ましたわね。」
「フローラ。年間行事に載っていたけど、具体的には何をするの?」
「大した事ではないですわ。単にドレス等を一式揃えてパーティーを楽しむだけですわ。」
「その裏は?」
「家の経済力と、当主の令息令嬢の指導力を見定める『場』になりますわ。」
「どうしよう? 私、踊れないし、ドレスとか持ってないよ?」
しまった!
すっかり忘れていた!
「フローラ嬢。」
「なんですの、レキウス様。」
「公爵家の力で、ダンスの先生を用意して欲しい。」
「言われなくて、もう用意してますわ。」
「それと、男爵家ぐらいのドレス一式を用意して欲しい。」
「何時でも行ける様に話は通しているわ。」
「ただ……」
「ただ?」
「ただ、ヒナのドレスの色は、『蒼』で!」
「……はあ。仕方ないですわね。」
「良いのか?」
「ヒナの悲しむ顔よりはマシですわ。」
「そうか。支払いは俺がする。」
「分かりましたわ。それで、何故、『男爵家ぐらい』なんですの?」
「勿論、リンの為だ。フローラ嬢と同等のドレス一式にしてみろ、必ずリンは他の貴族の連中に目を付けられるぞ。」
「そうですわね。」
「レキ、フローラ、ありがとう。」
「気にするな、ヒナ。」
「気にしなくて良いですわ。」
「「全ては、ヒナの為!」」
「あう。」
俺とフローラ嬢は、ヒナの頭を撫で撫でした。
こうして、俺はヒナのドレス等の代金を稼ぐ為に、冒険者ギルドに行って依頼をこなし、フローラは、ヒナのドレス一式を用意し、連日ダンスの練習をしていた。
本当は、宝飾品一式も用意したかったが、そこまですると、現在の家が商家だから、これも目を付けられるから我慢した。
しかし、その一部分の宝石1つだけの一点物の首飾りと指輪は俺が用意した。
勿論、俺の目の色に合わせたサファイアで、な。
大きさは小さい方に入るが、フローラの公爵家にお願いして、品質だけは、最高品質を用意した。
序でに言えば、その首飾りには、「魅了耐性」と「睡眠耐性」を、指輪には、「麻痺耐性」と「毒耐性」の付与を施した。
後、ドレスには「刺突耐性」と「防刃」を付与した。
俺のダンス用の服は、お祖父様が用意してくれていた。
勿論、黒系の服だ。
後で聞いたのだが、フローラは、ヒナのドレスの依頼の時に、金額は男爵家ぐらいで、デザインと品質は公爵家ぐらい、と言われ、店のデザイナーは、この無理難題に燃えたらしい。
道理で、素晴らしいと思ったよ。
3週間が過ぎ、ダンスパーティー当日
俺は作法に則り、ヒナを迎えに行った。
「何か恥ずかしいな。」
「そんな事無いよ。とても綺麗だ。」
「ありがとう。」
「行こうか。」
「……はい。」
フローラは、親が決めた婚約者が迎えに行っているらしい。
以前、フローラに聞いたが、親が決めた婚約者は、5歳年上で冒険者にも理解を示しているらしい。
騎士としての実力もある文官らしい。
本人は上昇志向は無いらしいが、仕事は実直にこなす好青年らしい。
全て「らしい。」なのは、会った事が無いからだ。
だから、今回のダンスパーティーで会えるから楽しみにしている。
学園に到着した俺達はビックリした。
会場の飾り付け等が、生徒がしたにしては見事だからだ。
俺達が飾り付け等を見ていると、受付の先輩が教えてくれた。
「これはね、飾り付けの担当がゼフィロード公爵家令嬢の専属執事が陣頭指揮を取ったからよ。」
「凄い方なのですね。」
「ええ。生まれが平民だけが残念で、後は完璧って人よ。」
「そんな凄い人が……」
「話を始めた私達が悪いけど、受付をやりましょう。」
「あ、はい。」
「はい。」
俺達は受付を済ますと会場に入ったのだが、当然、中も素晴らしかった。
「ふわぁ~。」
「ヒナ、顔。」
「あ、うん。!」
適当に隅の方で、軽く食べていると俺達に向かって来る2人がいた。
「レキウス様。ヒナ様。衣装も似合っていますわ。」
「フローラ嬢も素晴らしいですね。」
「フローラ、僕にも紹介してくれないか?」
そう言って俺達の前に出た男性は、落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな顔をした人だった。
「そうですわね。こちらの方が、私の婚約者でセレナロード侯爵家の三男で『フィサリス=ヴィラ=セレナロード』様ですわ。」
「初めまして。フィサリス=ヴィラ=セレナロードです。王宮で文官をしています。サリスと呼んでください。」
「初めまして。レキウス=フォン=レイロードです。こちらの女性は、まだ内々ではありますが、双方の両親から認めて頂いている婚約者のヒナセーレ=レイディアです。」
「初めまして。ヒナセーレ=レイディアです。」
「君達2人の事は、フローラからよく聞いているよ。」
「フローラ嬢。」
「何かしら、レキウス様。」
「サリス殿に、俺のどんな悪口を言った?」
「なっ! そんな事は言ってませんわ。……最近は。」
「最後、何を言った?」
「なんでも無いですわ!」
「ふ、あははは。」
「……サリス。」
「ごめん。聞いてた通り、仲が良いみたいだね。」
「ええ。勿論ですわ。」
「ちょっと心配だった事も有るけど……」
俺はヒナの肩に手を置き、俺の方に引き寄せた。
「ああ。俺はヒナしか見えない。」
「ちょっと、レキ!」
「そうみたいだね。それでは失礼するよ。」
「また後で。」
「ああ。」
「分かったわ。」
フローラ嬢とサリス殿が去って行った。
「やっぱり疑っていたか。」
「そうなの?」
「まあ、気持ちは分かるけどな。それに、年の差もあるしな。」
「大変なんだね。」
少し経つと、知らない連中が近付いて来た。
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主人公の瞳の色は「蒼」で、髪の色は「黒」です。




