出会い。
新作です。
よろしくお願いいたします。
最終的にはチート野郎になりますが、暫くはこのまま行きます。
おかわりは21時からです。
僕の名前はレキで、年は8才になった。
僕が住んでいる村は田舎だ。
だって、歩いて1時間で国境を守る砦がある。
なんで、砦の近くに村が有るかというと、砦を守る騎士様達の休憩地が、気付けば村になったらしい。
その辺りは詳しくは知らないし、村の子供が知る必要は無いって言われた。
「ほら、レキ。ヒナちゃんにさよならをしなさい。」
僕は今、幼馴染みのヒナちゃんと、さよならをしている。
ヒナちゃんのお父さんのお兄さんが、王都で商売が成功したみたいで、王都に来て商売を助けて欲しいんだって。
ヒナちゃんのお父さんもお母さんも、戦争になったら真っ先に襲われる村に居るよりも王都の方が良いと思ったみたいで行く事を決めたんだって。
「レキ、私の事を忘れないでね。」
「ヒナちゃんの事を忘れるもんか。ヒナちゃんこそ、僕の事を忘れないでよ。」
「うん。私、レキの事を忘れないから。それと、結婚の約束を忘れないでよ。」
「うん。忘れないよ。大人になったら結婚しようね。」
「うん。私、待っているから。」
「ヒナ。そろそろ行くわよ。」
「……うん。」
「ヒナちゃん、待ってて。」
「うん。私、絶対、待っている。」
こうして、ずっと隣に居たヒナちゃんが居なくなった。
そして、3週間後にヒナちゃんからの手紙が届いた。
内容は、王都に暮らし始めて、僕と会えなくて寂しいという事と新しい生活を頑張る事と私との約束を忘れないでと書いていた。
あれから1年くらい過ぎて、僕も9才になったけど、今、凄く困っている。
森の中で迷っている。
何時もの様に森の浅い所に行ったけど、この辺りは取り尽くしてしまって、何時もなら行かない方に薬草や山菜を取っていると群生地を見付けて夢中になっていたら、森の奥に入っていたみたいで、どっちの方向に村が有るか分からない。
「……どうしよう。」
グルルルルル……
「え!?」
「ガアアアアア!」
「うわぁ! ブラッドベアだ!」
「ガアアアアア!」
「ぎっ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛いイタいイタいイタい!
助けて!
誰か助けて!
「ガアアアアア!」
「危ない!」
「ウィンドカッター!」
「ガアアアアア!」
「まだだ! はっ!」
「ガアアアアア!」
「止めだ! 一閃!」
「ガアアア……」
「よしゃあ!」
「急いで子供の治療を!」
「任せて。ヒール。」
「あっ……」
「もう大丈夫よ。」
痛いのが無くなったし、ブラッドベアをあんなに簡単に倒すなんて凄い!
……あ、お礼を言わないと!
「助けて貰ってありがとうございます。」
「どういたしまして。それよりも僕1人?」
「親は居ないのか?」
「何故、こんな森の奥に居るんだ?」
「えっと、薬草や山菜を取っていたら何時の間にか、森の奥まで入ったみたいで……」
「そう。分かったわ。序でにだから、家まで送ってあげる。」
「ありがとうございます。」
「多分、あの村だろう。この辺りにはあそこしかないからな。」
「そうだな。坊主、名前はなんて言うんだ?」
「はい。僕の名前はレキと言います。」
「私は、カリアよ。回復術士よ。」
「オレは、ダランだ。戦士だ。」
「私は、イグル。魔術師をやっている。」
「アタイは、キーハで、狩人よ。」
「儂は、ヤクモだ。侍だ。」
「なんか、1人だけ、見かけが違う。」
「ああ。ヤクモは、東方の島国出身でな。独特なんだ。ただ、その攻撃力は凄まじいがな。」
「そうなんだぁ。」
「坊主、序でだ。解体を教えてやる。」
「ちょっと……」
「いや、やらせる。このままじゃあ、こいつに襲われた恐怖が残っちまう。」
「分かったわ、ダラン。僕、やる?」
「やります。」
「良い返事だ。」
そして、僕はダランさんに教えられながら解体を頑張った。
慣れないから、結構時間掛かったけど、何とか最後まで出来た。
「坊主、やる。」
「え! コレって『魔石』でしょ? お父さんから聞いたよ。モンスターを倒した時、1番大切な物って言ってたよ!」
「いいんだ。」
「でも……」
「良いから受け取りなさい。」
「……うん。分かった。ありがとう。」
そして、僕は魔石を異空間収納に仕舞う。
「え!?」
「あ!」
しまった。
つい、何時も癖で異空間収納に仕舞っちゃった。
「今のは……」
「坊主。今のは……」
「異空間収納ですね。」
「……う、うん。」
「僕、何故使えるの?」
「……」
「分かった。誰にも言わない。」
「……本当に?」
「ああ。なあ、皆。」
他の皆が頷いていた。
「約束は守るから話して欲しいわ。」
「……うん。実は僕も知らないんだ。気が付けば使える様になっていて……」
「そうか。それで、どれくらい使えるんだ。どれくらい入る?」
「ちょっと待ちな、イグル。」
「えっと、入れた事があるのが、ダランさんよりデカい岩を8つ入れた事がある。」
「……」
僕が言うと皆が黙っちゃった。
やっぱり言わない方が良かったかな。
お父さんが絶対に誰にも言うなって言ってたし。
もう1つ有るけど、言わない方が良いかな。
「改めて約束するわ。誰にも言わない。それと絶対に誰にも言っちゃ駄目よ。良いわね!」
「は、はい。」
周りの皆もうんうんと頷いていた。
「坊主、薬草や山菜はって、アレか。」
ダランさんは僕の薬草や山菜を入れていた籠を持って来てくれた。
「ありがとう。」
「それじゃあ、坊主の村に行くぞ。」
そう言ってダランさん達はある方向を向いたけど、その足は止まった。
「どうしたの?」
「ねえ、こっちの方角よね?」
「……ああ。」
「じゃあ、あの黒煙は何!」
「急ぐぞ!」
そうダランさんが言うと、僕を抱えて走り出した。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
少しのんびり進みます。