表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドアマットヒロインは魔王のお気に入りになる  作者: 渡里あずま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/21

疑問は解消されないけれど

 ノヴァから貰ったスウェットは、ブカブカだったので下を穿くのは諦めて、ワンピースのように上だけ着てパジャマにすることにした。

 見た目だけではなく生地もキチンとスウェット生地(綿を平編みにしたニット生地。頑丈で汗を吸いやすい)だった。おかげで、ふかふかベッドとも相まってぐっすり熟睡出来るようになった。

 更に実質監禁状態で食が細くなり、胃が小さくなっていた恵にゲラダは消化が良い上に美味しい料理や、甘いお菓子やお茶を食べさせてくれた。嬉しいが、今はまだ役に立っていないのにと恐縮する恵に、ゲラダがその理由を教えてくれた。


「魔王は魔国で一番強い者がなり、執事は魔王を守れるよう二番目に強い者がなります」

「えっ……?」


 三日ほど経った頃から、昼食やお茶の合間にゲルダが魔王や魔国について話をしてくれた。くれたのだがその内容にしばしついていけず、恵は思わず声を上げて今の内容を整理することにした。


(魔王だから、ノヴァ君が強いのは解るとして……こんな上品で、優しいおばあさんが二番目?)


 そう、理屈もまた解りはする。二番目に強いのなら、魔王の護衛としては完璧だろう――ただ、見た目から全く想像出来ないだけで。

 ちなみに最初は『魔王様』と呼んでいたが、当の本人から「他人行儀じゃね?」と言われ、せめてと名前をさん付けで呼ぼうとしたが、それも却下された。年上を君付けするなんてそれこそヤンキーか、あと某男性アイドルだけの文化だと思っていた。


(他人行儀だって言われても実際、他人なんだけど……ノヴァ君の距離感が、近い……)


 考えられる理由としては転生と転移という違いはあるが、異世界の知識の共有だろうか。そんなことを考えていると、ゲラダさんが柔らかい声で話を続けた。


「魔王としては初ですし、転生者は今の時代にはいませんが……その孫などの、血縁者はいます。知識面で多少優遇することはありますが、坊ちゃまが構い倒しているのは聖女様だけですよ?」

「そう……なんですか?」

「坊ちゃまは強く、異世界の知識もお持ちですが……利用や悪用をされないよう、国営の為以外は私以外は近づけようとすらしませんでした。それ故、坊ちゃまは魔王になられた十三歳から十年間、ずっと孤独でもあったのです」

「え、十三歳!?」

「元々、魔力が膨大で親御様も近づけなかった為、幼い頃から私がお世話をしていましたが……初めてなんです。坊ちゃまが、誰かを気に入って構うのは。そんな方を敬うのは、当然でございます」


 そう言うと、ゲラダは胸に手を置いて恵へと頭を下げたのだった。



 ノヴァに、気に入られているらしいのは解った。やはり理由は解らないが、出来る限りその恩に応えようと恵は思った。

 けれど、一週間ほど経って恵の青白かった顔色が改善した頃。

 ロクス皇国は、新たな聖女を召喚してお披露目を兼ねた結婚式を挙げていた。

 ……魔法による映像の中にいたのは、恵の従妹である優菜だった。


「また拉致ったのかよ」


 呆れたように言うノヴァの隣で、恵は真っ青になってリュカオンの傍らで微笑む優菜を見つめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ