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おやじ日記

作者: 教次
掲載日:2021/10/21

娘が可愛くてたまらないおやじがペンを取った結果。

「唐揚げ全部食べられた」

娘が最後の一個を口にほおばるのを見て私はあきれるしかなかった。

時計は夜の11時過ぎを指している、私がほぼ毎日仕事を終えて自宅にたどり着く時刻たそのころには自宅にいる妻と娘はすでに夕食を終えスマホを従えくつろいでいるのが日常となっている。


そんなわけで、私は自分の疲れを癒す晩酌のお供にコンピニやスーパーの唐揚げを買って帰ることも多い。夕食とはいえ夜分遅いので、お湯で割った芋焼酎と簡単な総葉、あとは待蔵庫に常備している山菜の漬物さえあれば、のんびりと疲れた身体を癒すひと時を過ごすには充分だ。


ちなみに今夜の総菜はスーパーの半額シールが付いた唐揚げが2パック、1パック当たりーロ大の唐揚げが5個〜6個入っているかな。家に帰り着くとシャリ袋から取り出した唐揚げ2パックを真白い磁器の深皿に無造作に盛りつけ、ラップをかけてレンチンする。ラッブを取り外すとおいしそうに湯気が立ち上る。「うん、いい匂い」。流し台の上で空になった総菜バックには「鶏のから揚げガーリック醤油味」との商品紹介のシールが貼ってあった。


唐揚げは事前味付け済であるが私の好みでさらに塩コショウを軽くふりかけ準備完了。

私専用のマグカップにお湯を注ぎ、その上から芋焼酎25度を注ぎ込む、準備完了。

冷蔵庫からタッバー容器ごと山菜漬物を取り、醤油と漬物皿とマイ箸をセット、準備完了。


さあ、これから癒しの晩餐がスタートだ。晩餐中はのんびりと撮り貯めたドキュメンタリー番組を見ながらの「ながら食い」。誰にも邪魔されない、至福である。

早速焼酎のお湯割りを一口含み、マイ箸で唐揚げを個のままほおばる。

「うまい!」スーパーの総菜も侮れない。醤油と胡板で少しビリ辛ではあるが、焼酎を飲むたびにロ中が洗い流されて、ついつい2個目にマイ箸が伸びる。


そんな時、娘とふと目が合った。娘は遠くの部屋の万年布団の上で寝そベりスマホゲームをしている風であったが、いつの間にか私が唐揚げをほおばるのを見ていたようでもあった。

「少しお前も食べるか?おいしいぞ」娘に投げかけたら即返事が来た。

「食べゆ〜」。かわゆい返事だ


娘はてきぱきと起き出し、台所の水屋を経由して左手に取り皿、右手にはスマホとサラダ用フォークを持って私のテープルの横に座った。おっとり刀で駆け付けた感じ。


いきなり娘のフォークが大きめの唐揚げを貫通した。娘はフォークの先を上に向け、唐揚げを縦口でかじるようにおいしそうに食べている。

「バリうま」

一言のたまうと、2個目3個目と立て続けにロに運ぶ。口の周りには醤油ダレが蛍光灯に反応してキラキラと光っている。3個目を口に運んだ時から娘はスマホをテーブルに置き、お気に入りのゲームに興じている、フォークを使った「ながら食い」だ。いつもそうだが娘のながら食いは際限がない。ゲームに夢中になるとどれだけ食べたかわからなくなるのかもしれない。


少し食べるか?と声がけはしたが、娘がフォークを持ってきたときには「食べる気満々だな」とは思った。終ぞ、私が食べたのは最初の2個だけで残りは全部娘が食べてしまった。


「お前、残り全部食べてしまったやん、寝る前に大丈夫か?」

さすがに私も寝度る前のハイカロリー摂取を心配記して聞いてみた。

ゲームをしながらの娘の返答はこうである。

「だって、おいしかったんだもん」

ぐぅの音も言えない、正論である。


現在の娘は来年成人式を迎える花の女子大生でしかも食べる事、読書をこよなく愛する根っからの文系女子だ。ただ、家では「お布団が友達」なんて言うほどのダラダラ娘であり時間があれば布団に寝そべりスマホゲームやお気に入りの本を読んで過ごしている。


娘の名前は蘭(らん)そんな訳で、要と私は家の中でごろごろしている時の娘を「ダララン」と呼んでいる。


食事が楽しみな蘭は「ご飯できたよ〜」の妻の声には素早い反応を示す。

妻からは「洗濯物を取り込んで畳んどいて」などの家事手伝いの声がけには聞こえないふりをして、食事の用意ができて声がけした時だけ「マイお布団」からささっと抜け出してくるとの愚痴を聞いてはいた。妻が料理中の時も最後の仕上げに差し掛かると、いつの間にか背後霊のように妻の背中に張り付いて一人前弱の味見をするそうだ。なんでもおいしそうに食べる娘を生まれてからずっと夫婦で甘やかしてきたせいか、娘は御陰様でとてもふくよかに成長し続けている。


「子供の成長は早いな〜」

いつも定期的に心の声として実感している言葉だが、早いもので私自身あと数年で定年退職を迎える年齢となっていた。


娘の萌には10歳ほど年が離れた兄がいる。

兄は小さなころから活発で、運動神経は親が晶展目に見てもまぁ良いかなと思えるほどだ小学校から始めたサッカーを大学卒業するまで続け、現在ではお堅い企業に無事に就職果たし親からは完全に手を離れている。


萌は兄との年齢差もあり女の子でもあることから、生まれてからずっと大切な一人娘として育ててきた。というよりも、私自身も娘と一緒に「成長?進化?変化?」させられたなあと晩的しながら「思い出しにやにや」している。傍から見れば完全なキモおやじだ。


娘が2歳から3歳の頃、ロから発せられる語も多くなって色々と私に呼びかけてくる。

「プァプァ〜」、本人はパパ〜と呼んでいるのだろうが悪くない響きだ。

私は娘の呼びかけには即座に応じ、何かを持って手を差し出す娘をそのまま抱きかかえたり、時には優しく相槍を打ちながら娘を見守るこにとに喜びを感じていた。

あと数年、この喜びは私と共にある。





大学卒業しても居つかれたらどうしよう……。

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