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奴隷貴族  作者: 小副川
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支配する者と搾取される者

 有名な大学を卒業し大企業に入社し幸せな家庭を築き上げる。

これが人生の最適解だと達也は信じて疑わなかった。 達也は勉強がとても得意だった。勉強以外に何も取り柄はなかったのだ。いや彼には勉強しかなかったのだ。だが彼は誰よりも努力ができた。普通の人ならすぐに逃げ出してしまうことも彼にとっては何も苦ではなかったのだ。むしろ逃げ出さない自分を誇りに思っており、逃げ出すことはプライドが許さなかったのだ。誰よりも誠実で努力家な達也は無事、大学院を卒業し、内定していた会社に就職することとなった。 

『皇玉センタービル』東京都港区の一等地に建設されたビルは79階建ての超高層ビルだ。

植物がビルの周りをツタのように張り巡らされており自然と人工物が融合した近未来的な建物でなんとも見事である

「ふぅ..」 

達也はエントランスの前で大きく深呼吸をした。

「おはよーどうした?そんな眠そうな顔してぇ昨日はよく眠れた?」

後ろから聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

「おはよう梨沙。昨夜は緊張しちゃって全然眠りにつけなかったよ」

いきなり声をかけてきたのは梨沙だった。彼女は達也の幼馴染で容姿端麗、勉強も出来て運動もできてさらには性格も良い皆から愛される達也とは真逆の人間だったのだ。偶然に梨沙も達也と同じ会社に内定が決まっていたのだ。そのことはもとから知っていたためそこまで驚くこともなかった。

「私は熟睡しすぎて初日から遅刻する所だったよ。そういえば今日、入社式だよね?」

 「俺もそんな風に呑気に生きてみたいものだよ。確かに今日は入社式だったな。一緒に会場まで行かないか?」

達也は少し照れ臭そうに梨沙を誘った

「いこっか!」

梨沙は嬉しそうに返事を返した

達也は事前に会社から配布された資料を手元に入社式の会場と集合時間を確認した。

「えっと会場は44階の講堂だな。集合時間は10時っと」

梨沙と達也はそのままエレベーターに向かった。向かった先には受付の女性が誘導していた。エレベーター付近は新入社員や通勤してきたばかりの社員でごった返している。

だが2人はは奥に4基ほど空いているエレベーターがあるのに気付いた

「あそこのエレベーターは使われてないのか?稼働はしているように見えるが」

達也は疑問に思った。

「でも何人かあのエレベーターに乗り込んだのは見たわよ。多分お客様専用なんじゃない?にしてもそんな4基もお客様に使うのかしら?」

梨沙も少し謎めいた表情で達也と喋っていた

何か違和感があったが誘導にしっかり従うようにした。


「ようやくエレベーターに乗り込めた、中は満員電車に乗っているかのような感覚だね。」

梨沙はウキウキしながらこの息苦しさを楽しんでいた

徐々に気圧が低くなっていき耳鳴りがしてきたころ

 「44階、講堂です」

アナウンス音声が流れ扉が開いた。人の流れに押し出され2人ははぐれてしまった。

「梨沙..はぐれてしまった、仕方ないあとで連絡するか。それにしても44階まで一瞬だったな」

あまりの速さに感動していたのもつかの間

「100番から200番までの方はチェックインをお願いします!」

近くで女性社員の方が呼びかけを行っていた

「俺は167番だ。」

資料に表記されていた番号を確認し、チェックインに向かった。

「番号と氏名を教えてください。そして携帯電話の電源は落としてください」

女性社員が達也に向かって話しかけた

「167番川島達也です。よろしくお願いします。」

チェックインが終わると席番号が書かれた紙だけをもらい案内に従って携帯電話の電源を切り指定された席に着いた。通路側の席だ。立派な講堂だ。天井には堕天使と天使が描かれていた壁画をしばらく眺めていると隣に座っていた男性が話しかけてきた。

「美しいですよね。一度地に落ちた堕天使をもう一度這い上がらせようとする天使の姿には凄く感慨深いものがあります。」

彼は情熱を持った眼差しで達也の目を見つめた。

「えっと。」

突然のことだったため達也は動揺した声で応えた

「ごめんなさい。いきなりお声がけしてびっくりさせてしまいましたね。僕は坂田亮と申します。ご一緒にお仕事をさせていただくときは何卒よろしくお願いします。」

なんとも爽やかでどこにでもいる好青年だ。

「いえいえ、声をかけてくれてありがとうございます。ちょうど暇してたところなんですよ。達也っていいます。よろしくお願いします」


「これより皇玉株式会社入社式を行います。新入社員の皆様方はご起立願います。代表取締役 (すめらぎ)(みこと)が祝辞を述べさせていただきます」

司会のアナウンスがかかると社長が舞台袖からゆっくりと杖を突きながら中央に向かって歩いていく。その姿は気品があり動作一つ一つが丁寧であり会場の雰囲気は緊張感で包まれていた。

「初めまして私が代表取締役社長の皇尊です

新入社員の皆様入社おめでとうございます。心の底からお祝い申し上げます。

今日からあなた達は奴隷です。」

この発言に緊張感で包まれていた会場は一気に凍り付いた。

誰一人この言葉の意味をすぐ理解できたものはいなかった。

皇は何事もなかったかのように話を続けた

「この人間社会は支配と服従で成り立っています。圧倒的な支配力が大きな力と利益を生み出すのです。人間は生まれてからすぐに服従へ基盤を作っていきます。小学校に入れば先生という支配者、児童という服従者の立場が生まれます。話を黙って聞かせる。児童を恐怖で支配する。そうやって徐々に人に使われることに幼い時から慣れていくのです。そして恐怖心を植え付けられた児童たちは徐々に黙って人の話が聞けるようにり。支配のしやすい人間に作り替えていくのです。これが奴隷の基盤です。皆様には優秀な奴隷の素質がある。ですがこの中にも優秀な支配者がいるのかもしれません。これから皆様には三か月間の研修期間を設けます。そして支配者から与えられたノルマを達成することができれば支配者として貴方を歓迎いたします。もし達成できなければ支配する資格など無いと判断し奴隷となってもらいます。

その命が尽きるまで支配して差し上げましょう。支配する貴族を選ぶのか支配される奴隷を選ぶのかどちらを選択するのはあなたの自由です。

あなたたちが大きな利益をこの会社にもたらしてくれるのを大いに期待しています。幸あれ。」

まだ会場は凍り付いたままだった。社長が話し始めてからの数分間、時間さえも凍り付いてしまったのではないかと疑うほどだった。

こうして達也の人生の最適解だと思っていた道が開けてきたのだ..








どうも小副川(おそえがわ)と申します。実はこの小説が僕の初めて作った作品なんです。できるだけ読みやすく書いたつもりではあったんですがどうでしたか?ご意見いただければ幸いです。もう十月に入りこの一年も終盤に差し掛かっています。この一年は本当に早かったですね。僕が通っている高校も休校になり約2ヶ月ほど休校していました。そのおかげで3学期の期末テストがなくなったので最高にうれしかった半面大好きなブラックピンクのライブにいけないっていうのはとても悲しく思います...もう秋もそろそろ終わりに近づいています。読書の秋楽しみましょ。僕は中間テストに向けてそろそろ勉強を始めたいと思います。テストが終わったら小説をまた書いてみようかな?

僕の作品を読んでいただき本当にありがとうございました。ではまた夢の中で出会いましょうさようなら



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