俺の俺による俺のための小説
晴れ渡る天気の中
僕の物語は始まった
「ーーー何やってんだ俺」
意識が遠のく何度も経験したことのあるこの感じ
だんだん気持ちよくなって来…
「…タ!」
「レイタってば!」
何年も前から知っている幼馴染の声だ
ここはどこだろう
暖かいものに優しく包まれている感じがする
これは幼馴染に抱かれてるラッキーチャンスか!?
と思い一度寝返りをする
しかし変化はなかった
直後眩しい明かりに照らされた
「眩しい…」
蝉の声がうるさく聞こえる
でも冷房が効いていてとても快適だ
ここは、保健室か
「やっと起きたの?体育館裏で倒れててここまで引きずってくるの大変だったんだからね」
さっきと同じ優しくて懐かしい声だ
聞いていて落ち着く
「頼んでねえよ、メグ」
悪びた雰囲気で返した
「もう、馬鹿レイタ」
ラブコメのテンプレートの第1
名前の前に馬鹿をつけるいただきました!!!
そう僕は、ラブコメやアニメが大好きな
通称ヲタクだ。
終業のチャイムが鳴り響く
僕はいつも家にまっすぐ帰る
しかしその日は違った
学校から二駅隣のショッピングモールで人気ラノベ作家二階堂先生のサイン会があったのだ
僕はすぐさま駅に向かい電車に乗った
そこには幼馴染のメグも一緒にいた
僕が暴れないように監視をするらしい
「必要ないのに」
電車の音にかき消されるほどの小声で呟いた
ーー池袋、池袋
車掌のアナウンスが車内に響き渡る
直後走り出した
「早く、早く二階堂先生に会いたい!」
早速疲れたのかゼエゼエという吐息交じりで呟く
一歩出遅れたメグだったが
運動部に所属しているためすぐに追いつくことができた
ショッピングモールに到着すると夢の国かと突っ込みを入れたくなるほどの長蛇の列が目に映る
あと数人というところまで来た時、先生から笑顔でサインを受け取る僕と同じ学校の制服の女子を見つけた
とても綺麗で凛と咲く花の如しという感じだった、しかし多くの人で姿は隠れ見えなくなってしまった。
僕の番が来た憧れの先生だからなのか緊張して何をしたか覚えていない
しかし憧れの先生のサインをもらい大満足だ
家に到着し走って部屋へ登って行った
部屋に入りまずサインを棚に飾った
まるで遺影のように先生の写真と花束を添えて
部屋には二台のpc 7個のゲーム機 タペストリーetc…
それこそアニヲタニート部屋のテンンプレートのようだった
(グルルルル)
お腹が大きい音でなった
その時
コンコンとノックの音が聞こえた「ハイ」と応えると
「ご飯できたよ!」
悪く言えばうるさくよく言えば元気な声
妹の声だ
僕はリビングに降りた
トントンという自分の足音が聞こえる
リビングに到着し机を見る
そこには サラダ、ハンバーグ、米、味噌汁が並べてある
妹が作ってくれた夜ご飯だ
妹は男勝りなほどにうるさい
しかし、女子力にも長けてるところがすごいところだ
その夜
日課であるゲームとアニメ鑑賞を終えたのが夜中の4時、少し太陽が出かけている
眠たそうにあくびをする
雀の声を聞きながら僕は眠りについた
「朝だよ!朝だよ!」
アラームの音が聞こえ目を覚ます
時計を見ると8:15と書いてある
学校まで19分学校は8:30から始まる絶体絶命のピンチだ
「こうなったら必殺技を使うしかないようだな、我が禁じられし右腕を解放する!通信暗器を手に取り死の番号を解放する!必殺!欠席連らk…」
電話をかけようとした瞬間という音が家中に鳴り響いた
窓から外を見るとメグが自転車に跨りながら立っていた
僕は窓から「どうした」
と聞く
「学校は?」と少し大きめの声で聞かれた
「これから連絡するところ」そう言うと
メグが自転車から降りてきて
僕の家に入ってきた
そして、ドンドンと足音が近づいてくる
ドアがバン!と開く
メグが部屋に入ってきたのだ、僕は察してすぐに隠れたが、2秒ほどで見つかった
「学校に行く準備しなさい」
怒ったような声で言う
怖い顔をしていたから空気を読んだ僕は言うことを聞いた
制服に着替え、リュックを背負った
そして家の鍵を閉め、メグの自転車の荷物置きに乗った
ビュンと風を切る音と同時に自転車は進んだ
風で顔が崩れる
しかしもう学校の目の前にいる
時間は…8:28分、ギリギリセーフだ
急いで教室に向かう
ハアハア
顔を赤くし、激しく呼吸をしつつも教室に着いた
ー放課後
校門をくぐる時
昨日サイン会で見かけた女の子を見つけた
「すいません、昨日サイン会にいましたか?」
おどおどしながら声をかける
すると女性も少し驚いた表情で
「はい」
と小声で返した
近くで見ると本当に綺麗な人だな…
透き通るように綺麗な肌ダークブルーに輝く瞳、綺麗な黒髪ロング
ラブコメに出てきそうだな…
「僕レイタって言います!それで…えっと…」
*童貞のため女性と話すことができません、ご了承ください
クスッと笑い
「私宇佐美ユサです!レイタさんはアニメ好きなんですか?」
微笑みながら僕に問う
「はい、好きです」
下を向きもじもじしながら
またニコりと微笑み
「私もアニメよく見るんです!」
赤面しつつもその綺麗な瞳を見ながら
僕は言う
「そうなんですね…で、できればこれからアニメの話とかしたいです!」
(言えた!やった!)
「もちろん!」
今までで一番彼女は笑った
家に到着しすぐさまベッドに
寝転んだ
仰向けに寝転がり、右腕で顔を隠した
(ユサちゃん、可愛かったなあ。)
—翌日
「なあメグ、俺部活やりてえ」
「却下」
メグは即答した
「まずレイタなんの部活したいのよ、それに、作れるだけの友達いるの?」
痛いところをつくメグ
それにムッとした表情で
「友達なら作れる、なんなら昨日できた」
強がって僕は言う
「ふーん」
メグは冷たく返す
「じゃあ俺はこれから部員、および友達を4人作る」
とは言ったものの
人に話しかけるのすら辛い
いやむしろ人の目が辛い
そう思いながら廊下を一人歩く
でもまずはポジティブに話しかけなくては
「スイマセーン」
引きつった作り笑顔で同じクラスの男子に話しかける
部員を集めてると状況を説明すると
「アニメわからないから…」
と作り笑顔で返される
放課後も部員を探した
話を聞くどころか無視もされた
「くそっ、リアルでしかイキられない奴らのくせに!」
と怒声をあげた
とりあえず明日ユサちゃんに声かけないとだな
目標人数まであと4人
作者が高校時代にしたかった青春を詰めた小説になります